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召喚幻想紀 - 召喚魔法で作り上げた最強パーティーがチートすぎる件について - 作者:花京院 光

第三章「魔法都市ザラス編」

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第三十話「新たな出会い」

 朝起きると俺達はすぐに支度をし、ルルが泊まっている宿まで迎えに行った。
 宿の前で待っていたルルと合流し、冒険者ギルドに向かう事にした。

「ルル、まずは冒険者ギルドに行って俺の職業を変更するよ。それから今日のクエストを受けよう」
「分かったよ」
「あと、魔物達と一緒にパーティーを組んでいるアルバーン姉妹も紹介するね」
「うん!」

 ルルは朝でも元気いっぱいだな。
 明るい性格の仲間が増えた事は喜ばしい。
 彼女の今日の装備はライトアーマーだ。
 アーマーにガントレット、グリーヴがセットのデザインで上品な感じだ。
 腰にはレイピアを提げている。
 背中にはアイテムを入れるための小さな鞄を背負っているが、激しく動いても邪魔にならない様に、体にぴったりフィットしている。

 朝のザラスの町を、雑談をしながらゆっくりと歩いてギルドに向かうと、ギルドの前ではゲイザーとフーガ、それからアルバーン姉妹が待っていた。
 ゲイザーとフーガは俺を見つけると、物凄い勢いで俺に抱き着いてきた。
 体中にゲイザーの触手が絡まっている。

「ゲイザー、フーガ。おはよう。俺達、魔法学校に合格したよ!」

 俺が報告すると、フーガは良く分からないと言った表情を浮かべて首をかしげているが、ゲイザーは言葉の意味を理解したのか、嬉しそうに大きな目を瞑った。

「レオン……? 大丈夫?」
「あぁ、俺の召喚獣だから大丈夫だよ。こっちは幻獣のゲイザー。こっちはファイアウルフのフーガだよ」
「ゲイザーにフーガ……凄く強そう!」

 ルルはフーガに近寄ると、恐る恐る頭を撫でた。
 フーガは嬉しそうに目を瞑ってから、ルルの頬を舐めた。
 ゲイザーは自らルルに対して握手を求めた。
 ルルは差し出されたゲイザーの触手を握ると、ゲイザーは小さく頭を下げた。
 流石に幻獣のゲイザーは賢いな。
 俺はゲイザーを肩の上に乗せてから、アルバーン姉妹に朝の挨拶をした。

「おはよう。こちらはDランクの冒険者、魔法剣士のルル・フランツだよ。新しく俺達のパーティーに入って貰ったんだ」
「おはようございます。私は剣士のベラ・アルバーンです」
「チェルシー・アルバーンです」

 ルルはアルバーン姉妹とも握手を交わすと、俺達は早速冒険者ギルドに中に入った。


 〈冒険者ギルド〉

 俺達パーティーが冒険者ギルドに入ると、ベルネットさんは嬉しそうに駆け寄ってきた。

「レオン! リーシア! シルヴィア! 魔法学校合格おめでとう! レオンは一位で合格したんだって? 昨日マスタークラッセンから聞いたよ!」
「ありがとうございます! 無事に合格出来ました!」
「魔法学校に入学してもギルドには顔を出すんだぞ! それで、今日はクエストを受けに来たのか?」
「実は、登録している職業を変更しに来ました」
「確か今は戦士として登録していたな。再登録をするから受付まで来てくれ」
「分かりました」

 俺はベルネットさんと共に受付に行くと、初めて見る女性の職員が居た。
 新しい職員を雇ったのだろうか?
 金色の髪を綺麗に後ろでまとめている。
 年齢は十代後半だろうか。
 なかなか容姿が整っていて魅力的だ。

「レオン、こちらはクラーラ・ベルネットだよ。俺の姪なんだ」
「ベルネットさんの親戚ですか」
「ああ、俺の兄の娘だよ。兄は早くに結婚をしてな。俺はまだ相手すらいないというのに……まぁそんな事は置いておいて、クラーラ。レオンの職業の変更を頼む」
「分かりました。それではシュタイン様。ギルドカードの提示をお願いします」
「はい……」

 俺はギルドカードを懐から出してクラーラさんに渡した。
 クラーラさんがギルドカードに登録されている情報を書き換えると、すぐに手続きが終わった。

「そうだ、レオン。魔法学校の入学はいつからだ?」
「三月一日からです。それまでは毎日クエストを受けようと思ってます」
「そうか。あと一カ月近く時間があるんだな」
「はい。新しい魔法の練習と、魔法剣士としての戦い方を練習しようと思います」
「それは良い事だな。俺も自分自身の戦い方を更に追及しなければならない」

 そういえば俺はベルネットさんが戦っている所を一度も見た事が無いな。
 大剣を背中に掛けているが、一体どの様な戦い方をするのだろうか。

「そうだ、レオン。クラーラが頼みたい事があると言っていたぞ」
「え? 俺にですか?」

 俺がクラーラさんの方を向くと恥ずかしそうに受付のカウンターから出てきた。
 手には小さな袋を握っている。
 一体何が入っているのだろうか。

「シュタイン様……私のお願いを聞いてくれませんか?」
「レオンで良いですよ。俺が出来る事なら良いですけど……」
「実は、どうしても仲間にしたい魔物が居るんです!」
「え? 魔物ですか?」
「はい……」

 と言ってクラーラさんは小さな袋を俺に渡した。
 俺は袋を開けてみると、中には小さな羽根が入っていた。
 どんな魔物の素材なのか、見当もつかないな。
 こんなに小さな羽根を持つ魔物……見た事も無いな。

「シュタイン様……いいえ、レオンは魔物の素材から新しい魔物を作れると聞きました。私、幼い頃からずっと友達になりたかった魔物が居るんです。召喚魔法も自分で試してみたのですが、どうも上手くいかなくて」
「そうだったんですか。俺が召喚してみましょうか? 成功するかはわかりませんが」
「良いんですか!? やった!」
「でも、本当に成功するか分からないんですよ。もしかしたら素材だけ無くなって失敗するかもしれません」
「はい、大丈夫ですよ」

 ベルネットさんの前で召喚魔法に失敗したら格好悪いからな。
 ここは絶対に失敗出来ない。

 素材を左手の上に置き、右手で左手を覆う様に構える。
 全身から魔力を集めて両手に集中させると、素材は暖かい光を放ち始めた。
 羽根は強く光を放つと、俺の体からは大量の魔力が失われた。
 魔力が一度に大量に消費される感覚は、まるで全身から力が抜けるような感覚だ。
 ここで失敗する訳にはいかない。

 更に魔力を込めると、俺の手の中には羽根の生えた小さな生き物が現れた。
 なんだ……この魔物は。
 幼い少女の様な見た目をしており、背中には羽根が生えている。
 青色の美しい羽根からは、強い聖属性の魔力を感じる。
 魔獣クラスの魔物ではない気がするな。
 俺が召喚に成功した瞬間、クラーラさんは嬉しそうに涙を流して喜んだ。

「ありがとうございます……レオン! このお礼はいつか必ずします」
「どういたしまして。それで、この子はどんな魔物なんですか?」

 俺は生まれてきた魔物をクラーラさんに渡すと、魔物はクラーラさんを見つめている。

「妖精族の幻獣なんですよ。ホーリーフェアリーっていう種族の妖精なんです」
「妖精ですか……」
「はい。妖精は人間に加護を与える力があるらしいのですが……」
「妖精の加護ですか?」
「ええ。妖精は自分が認めた相手に対して、一生に一度だけ加護を与える事が出来ると言われています」

 小さな妖精は、クラーラさんの手の上で、俺とクラーラさんを交互に見つめている。
 俺は妖精の頭を撫でると、嬉しそうに小さな手で俺の指を握った。
 俺の手よりも小さな妖精だが、体から感じる魔力はフーガと同等、もしくはそれ以上だ。
 流石幻獣といったところだろう。

「レオン、本当にありがとう。今度改めてお礼をさせて貰いますね」
「いいえ、良いんですよ」

 妖精の召喚を無事に成功させると、俺達は新しいクエストを受ける事にした……。
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