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  秘密の行方 作者:藍流
肆:再会
街の北側の山

昼過ぎの空の下、細い坂になった路地を歩く四人
サクラは周りの家を見て呟く
「同じ街の中なのに…別の街に来たみたいね…」
ナルトも同じように思っていた
二人がそう感じるのも無理は無い
昨日三人で歩いた街はオレンジの壁面・白い屋根で統一された建物や広く整った道といった派手だが栄えた街の様相があったが、今歩いている処は木造で瓦屋根の日本家屋風の家が建つ狭い路地といった下町の様な感じだから
それに所々にある稲荷の社と狐の石像

四人はある家の前で止まった
そこは少し大きめな門と生垣に囲われた大きな木造の家
門はこの家の東側にあり、北側・山の頂上に向かって森が広がる…


門の屋根には小さな銀色の狐が丸くなって寝ている
ナルトは狐を見て目を細め、呟く
「…銀色の狐だってばよ…!てか…狐って街にいるもんだっけか?」
サイは狐を見た後、森に視線を移す
「さぁ、森から下りて来たんじゃないかな?」
ヤマトが二人のやり取り横目に戸を叩こうとした時
上からか細い声がした
『お待ちしていました』
その声で四人は門から飛び退き、門の上に目を向ける
そこにはさっき丸まっていた狐が起き、座ってこっちを見ていた
小さな体とその体と同じくらいのフサフサした尻尾の銀狐
サクラは狐を凝視した
「…さっきの狐よね?」
サイが笑顔で答える
「うん…忍狐か…初めて見る…」
銀狐はフサフサの尻尾を左右にゆっくり振る
『イズナ様が中でお待ちです』
と言うと、門が開き、狐は門の向こう側に下りた
“こちらへ”と四人を促がすように頭を傾ける
それをみてサイ・サクラ・ナルトが見合わせる
四人は門をくぐり、狐の先導についていく
狐は敷地の海側へ歩いていく
狐の動きと風でなびく毛並みが何とも言えない美しさは甘美な音色を奏でている様だった
サクラは狐の後ろ姿を見て呟く
「……それにしても可愛くて綺麗な狐ね…」
ヤマトがサクラの呟きに添える
「そうだね、僕もあんな綺麗な毛並みをした狐がいるなんて初めて知ったよ」
それを聞いて狐は後ろは見ないが、嬉しそうに尻尾を大きく早く振っていた


向かう先から風鈴の音が聴こえてきた…


そこはこの家の庭なのだろう… 家の縁側があり、その向かいに盆栽がある
盆栽の裏は生垣で、それを境に崖、もしくは下りの坂か階段なのか…景観を妨げるものはない
オレンジ色の街と蒼い海が一望できる…
縁側に座り、海を眺めながら茶を飲んでいる男がいた
その男は白髪混じりの紅い長髪を結わえ、抹茶色の着物を着ていた
「…いらっしゃい」
そう呟くと四人に微笑みかける
白髪混じりの髪や顔の皺で年を感じたが背筋が伸びていたので幾分若く感じて見えた
銀狐が縁側に上がると男の膝の上で丸くなった
ナルトが男に問う
「…その狐が“待ってた”って言ってたけど…何で俺達が来るのがわかったんだってばよ?」
「…ナルト!いきなり失礼よ!!」
とサクラがナルトを嗜める
“いや、いいんだ…、お嬢さん”とにっこり微笑む男
「まぁ、私も忍の端くれだ。それに、この街の入り口には探知結界を張ってあるからな。…入ってきてから少し探らせてもらった」
ナルトは目を細める
「……探知結界…?」
サクラがナルトの疑問に答える
「結界忍術の一種ね。でもそんな形跡は……」
サイがサクラのほうを見る
「…たぶん街の入り口の…あの光の中だよ…」
笑顔で黙って頷く男
ナルトはあんまりわかってない感じで“へぇ……”と頷いてみせた
男は口元に手を当て
「…まだ自己紹介がまだだったね?私はイズナ、この狐は睡蓮だ…君達の名を伺ってもかまわないかな?」
と問う

その問いかけにそれぞれが名を名乗った

イズナは“フムフム”と呟きながら頷く
「君たちが此処へ来た理由は察するが…一応君達の口から訊いておこうか?」
微笑むイズナにヤマトが答える
「“うずまきナルトの秘密を貴方の口から訊く”…それが我々の任務です」
「……やはり…な。だが、それは三代目火影の命で明かせないことになっている……」
するとヤマトが封のされた巻物をイズナに渡すと共に言葉を添えた
「五代目からの書状です」

封を解き、巻物を開き読みはじめるイズナ

読み終わると巻物を閉じ、視線を空へと向けた
「………そうか…もしやと思っていたが……ナルトはもう自分に九尾が封印されている事を知っているのか…」
と言うと視線はナルトに移り、目に哀しみの色が浮かんだ
「それに、力の暴走か……」
ナルトが問う
「何でアンタは木の葉の人間でもねぇのに俺に九尾が入ってる事知ってんだってばよ?つうか俺の秘密ってのを何でアンタが知ってんだってばよ!?」
サイが代わりに答える
「…まぁそういう事全部ひっくるめてナルトの秘密ってことじゃないかな」
むくれるナルト
「…なら、直ぐに話してくれってばよ」
イズナが顎を触り、握られた巻物を見る
「…その前に訊きたい事がある……これに記された“ナルトが見た夢”というのは?」

ヤマトがその質問に答える
内容は…
“10月10日”ナルトの誕生日にナルトが倒れ、その間ナルトが夢の中である女性に会い、ナルトの知らない秘密の断片を聞いた
というものだった

イズナは訊き終わると少しの間黙りナルトを見る
「女性というのはどんな人だった?」
「………何でんなこと聞くんだってばよ?」
「…ダメか?」
そう言ったイズナの雰囲気が普通とは違うのを感じ、サクラとサイが横目に見合わせる
正直に答える必要はないと想ったが、そんなイズナを見て偽ることに躊躇いを感じた
「別に…いいけど」
「そいつはクシナって名前で…明るくて優しい感じだった…
 それに初めて会ったのに何か懐かしい感じがあったんだってばよ…」
ナルトは無意識だったが顔が柔らかく微笑んでいた

サイとサクラはそのナルトの微笑みを見た時、何故かいつものナルトより大人びて見えた気がした…いつもと同じようでどこか違う…そんなナルトの表情
…それがここまでの旅路で伸びた髪の所為か……それとも何か別に……

そんなナルトを見て、イズナも微笑む
そして、イズナは告げる

「ナルト…彼女は…お前の…………」
文字・背景色は四人が階段を登っている時、見上げた空の色のイメージ


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