邪龍襲来です4
火龍様と水龍様という大きな援軍が来たことにより、俺たちは一気に楽になった。
上空を行く邪龍たちには火龍様の超広範囲ブレスが襲いかかり、地上を行く邪龍たちは水龍様の放つ魔法で発生した水が押し流す。マナが使ったはじけるほのおによる攻撃もかなりの規模であったが、それとは桁違いの規模だ。マナなんかは今の魔法を見てすでに解析し終えたのか、ぶつぶつとつぶやきながら改良しようとしている。
火龍様のブレスは、邪龍たちのブレスとは火力がまるで違っていた。
この場合の火力というのは、威力という意味合いはもちろんあるのだが、文字通りの火力という意味でも間違いではなかった。火龍様のブレスが通過すると、邪龍たちは焼け焦げるだけでなく、あまりの熱量で、防御力の低い個体なんかは溶けてしまっていることもある。
しかし、それ以上に火力の高さを表しているのが雨だった。水は一定の温度を超えると蒸発してしてしまうのは当たり前のことなのだが、それが目の前で実践されていた。本来であれば、蒸発することで発生した水蒸気によって、雨の中で悪かった視界がさらに悪くなりそうなものだが、火龍様が上空にいる敵を中心に攻撃していることが幸いしてその心配はなかった。
この世界において、龍と竜とドラゴンというのは全て別の存在とされている。
竜の上位がドラゴンであり、ドラゴンの上位が龍となっているそうだ。わかりやすいところで言えば、ワイバーンとスカイドラゴンと空龍の話があげられる。
飛竜であるワイバーンはランクB-、ドラゴンであるスカイドラゴンはランクB+、龍である空龍はランクAといった感じで、ランクがはっきりとわかれているのだ。実際、この場にワイバーンもスカイドラゴンも空龍もいるのだが、俺の『ダークランス』の効き具合を見てもその強弱がわかる。
ワイバーンはあっさりと貫けるのだが、スカイドラゴンは何本か集中させなければ貫くことができない。空龍に至っては数十本単位で集中させなければ、鱗の装甲の無い、翼や腹であっても貫くことができないし、鱗のある部分はヒビが入る程度しかダメージを与えることができない。それくらいの違いがあるのだ。
そんな龍の中でも、属性龍と呼ばれる龍たちは別格だ。
火龍、水龍、風龍、土龍、光龍、闇龍の6体が一般的に属性龍とされているのだが、上位属性の存在を知っているからこそ、その6体だけではないのではないかという疑問も浮かんでくる。
黄龍の話をしている最中にでていた、雷龍なんかがそうだ。雷属性は風属性の上位属性だし、風属性の風龍が属性龍なのに雷属性の雷龍が属性龍じゃない理由がわからない。その理屈で言えば、獄炎龍とか暗黒龍とか氷龍とかがどこかにいるかもしれない。もしいたら暗黒龍に俺が使えない暗黒魔法を全部見せてもらいたいな。
援軍が来てから10分が経過したころ、奥の方の空の色が変わり始めた。邪龍たちの群れが途切れたのだ。ようやく見えた終わりに、俺たちのやる気は一気に上がったが、そのやる気を削ごうとしているのか、それともたまたまなのかはわからないが、雨はますます強さを増していた。俺はゴーグルをしているからまだましだが、マナやヒツギはかなり見えづらいだろうな。
俺はそんなことを考えながら、攻撃のペースを早めた。
やる気のあがった俺たちは、迎撃のペースもあがり、すでに勝ったのではないかという雰囲気に包まれていた。俺も少し余裕がでてきていることもあるし、『気配察知(魔物)』だけは発動させていた。まぁその状態でも魔力の回復が追い付くようになったというのが一番の理由だけどな。
『バーストショットLv8を習得しました』
迎撃戦も終盤に入り、またスキルレベルが上がった。やはり撃ちまくってると上がるのが早いな。
『バーストショット』を広範囲にばらまきつつ、『ハンドレッドナイフ』を一点に集中させて一体ずつ落としているが、残っている龍たち相手には効果が薄くなっていた。
すでにワイバーンを筆頭とした飛竜は全滅しており、ドラゴンたちも残りは数えるほどしかいない。さらに、龍種が少なかったということもあり、地面を進むモンスターはすでに全滅していて、もはや死体で大地が見えなくなってしまっている。
一方で、空を行く龍たちはなかなかにしぶとかった。火龍様のブレスは超広範囲をカバーしているが、それでも空中を立体的に動き回る龍たちには、高機動力を活かしてかわし続けるものや、無傷とはいかなくとも、ブレスを耐えきってしまうものも存在していた。もちろん、多くの龍、ドラゴン、竜が耐えきれずに死んでいるのは間違いない。そういった上位の龍たちがこれほどの数で襲ってきていることこそが問題なのだから。
「ちょこまかちょこまかと……いいかげんにしな!」
思うように当たらないことに苛立ちを募らせていた火龍様だったが、それも限界が来たようだ。
ドシンと音をたてて地面におり、それまでよりもたっぷりと息を吸い込んで上空の龍たちめがけてブレスを放った。範囲、それからスピードがそれまでを上回っている。
「ギャオオオオ!」
ブレスから逃れようと必死に上へ上へと飛ぶ龍たちだが、残念ながら敵は火龍様1人ではない。
少しでもその速度を落とそうと、俺の『黒槍の雨』がそんな龍たちに降り注ぐ。かわすことのできないように広範囲に広がるバージョンの攻撃だ。
龍たちは、突如降ってきた闇の槍に驚きながらもブレスや魔法で対処しようとしていた。しかし、慌てて放ったような攻撃では、すべては相殺しきれず、特に先頭に近かった何体かの龍を落とすことには成功した。
それだけではなく、全体的なスピードを若干ではあるが緩めることにも成功していた。魔法を使った個体はまだしも、ブレスを使った個体はそれが顕著に表れている。
ブレスというのは、威力は申し分ないが、どうしても反動も大きくなるものだ。止まって放つとなればそれほど気にはならないだろうが、前に進みながら放つとなると話は違う。反動は進む方向とは逆方向にくるのだから、まるでブレーキをかけているようなものなのだ。
「よいぞ、メイ。時間が稼げた」
俺の上から声が響く。それと同時に、龍たちのさらに上に水の膜ができあがる。水龍様の魔法だ。火龍様がブレスをはくのに合わせて発動していたらしい。若干ではあるが俺の時間稼ぎが功を奏したみたいだ。
龍たちは勢いそのままに壁に突っ込んでいく。厚さ10mはあろうかというその水の膜に突っ込んだ龍たちは、一気にスピードが落ちた。かろうじて通り抜けられた龍も、体中に水がまとわりつき、身動きが 取れなくなっていた。
「アクアプリズン。直線的な動きをする相手なら大いに効果がある魔法だ。魔力は少なめにしてある。火龍、あれごと焼き尽くせ」
「言われなくても、あたしのブレスなら問題ない」
火龍様の言う通り、ブレスの炎がその水の膜ごと龍たちを焼き尽くした。大量の水が蒸発したことで、まるで爆発でも起きたかのような光景が広がった。
その水蒸気が晴れた後、空を飛んでいるのは水龍様だけだった。
「迎撃完了だな。よくがんばったな、メイ、マナ、ヒツギよ」
「今は気絶しているようだが、ミレアム・ドリー、それからマキシム・ドリーとラムダも忘れてはいかん。彼らの力もなければどうなっていたかわからん」
『気配察知(魔物)』にも反応はなく、邪龍たちが全滅したのを確認しながら俺たちはその勝利に喜び合った。
「「「っ!!」」」
その時だった。魔法を受けたわけでもないはずなのに、圧倒的なプレッシャーが重力となって俺たちを襲った。慌ててそのプレッシャーのする方向に目を向けると、邪龍たちの死体が広がる光景の中、それまでは確かにいなかった、あまりにも巨大な1体の龍がいた。
『死龍王ゾンビ・ダムドレアス(龍王種・アンデッド)
備考:龍殺しの龍王
状態:アンデッド化、使役 』
山の邪龍のすべての頂点に立っていた、その存在の成れの果てが、すべてを終わらせるため、姿を現した。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 Lv98/99
薬剤師 Lv42/60
聖???の勇者Lv13/??
狙撃主 Lv54/70
獣人 Lv19/20
狂人 Lv33/50
魔術師 Lv52/60
ローグ Lv22/70
重戦士 Lv23/70
剣闘士 Lv10/60
神官 Lv9/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40 』
またも一日遅れて申し訳ないです。
活動報告で書きましたが、ブルスクでデータが消し飛んでました。
最近PCの調子が悪いです…
ではまた次回