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邪龍襲来です2

 煙がはれたあと、そこでは相当な数のドラゴンたちが焼けて(死んで)いた。爆発に呑まれたもの、爆風で地面に打ち付けられたもの、死体に乗られたものなど様々だが、その数はおそらく数百はくだらないだろう。

 しかし、それでもなお、邪龍の軍勢は空を、地を覆い尽くすほどの量がいた。


「全然減ってない?」


「いや、たしかに減ってはいます。それでも、相手の数が多すぎる!」


「休んでいる暇があったら撃ち(殺し)続けろってことですよ、ね!」


 しゃべりながらも俺は追加の『ダークランス』を放った。しかし、他の魔法の方が効率がいいかもしれないな。『バーストショット』とか、『一閃』を『コンボ』で撃ってみるとか。あるいは、『サウザンドナイフ』を使えるようになるまで『ハンドレッドナイフ』を連続で使いまくってスキルのレベルを上げてみるとか。


「みなさん、魔力の回復薬は12本ギルドから預かってきたので、すぐに言ってくださいね。町の防衛にあたる冒険者の分もあるのであまり量は多くありませんが」


 あんまり普段使う機会はないし、買うこともなかったので知らなかったが、魔力回復薬は普通の回復薬や薬草などに比べて高価なのだそうだ。一人につき2本ずつ用意できただけでもいいみたいだ。よく考えてみればコロイドの町のときはそんなものなかったしな。まああの時とは敵の規模が違うけど。


「助かるね。魔力が尽きたらきついし」


 そう話すのはマキシムさんだ。俺もここに来てすぐのころに経験したことがある。魔力が切れて体に力が入らなくなったあの感覚だ。あれが戦闘中に起こると考えただけでぞっとするな。

 俺自身はあれから『再生』のレベルも上がっているし、『自動回復』『MP自動回復』『回復速度上昇』と、あの頃にはなかったスキルをいくつも手に入れているし、魔力自体もだいぶ多くなっている。さすがに魔力がなくなりそうになるような状況は一部のスキルを連続で使ったりしないかぎりないだろう。


 追加で放った『ダークランス』が何体かのワイバーンとドラゴンたちを落とし、使うスキルを切り替えて迎撃を再開した。


--------------------------------------

 メイたちがラムダたちに遅れて火の館を出た後、火龍は水の館へ向かっていた。さすがに町中なので龍の姿に戻って移動はできないが、それ以外の移動方法は用意してあった。

 炎の渦を作り、それに乗って移動する、炎蛇という、元々は先代の水龍のもとにいた奇妙な男が話していた話をもとに龍たちが編み出した魔法だ。空を飛ぶよりは遅いが、走っていくよりはましなのだ。



 水の館についた火龍は、その目に飛び込んできた光景を見て唖然としていた。

 館には一切傷がついていないが、見事だった庭はぼろぼろになっていた。オブジェはそのほとんどが全壊、ましなものでも半壊だった。


「水龍、セバス! いないのか!」


 火龍の声が庭に響き渡り、館の入り口からセバスが出てきた。


「火龍様、いやはや、お見苦しい様を見せてしまいまして申し訳ありません」


 セバスは普段着ているようなきちんとした執事服ではなく、ぼろぼろになった執事服を着ていた。それどころか、体のあちこちに傷がついている。


「それはいい。しかし、すでに遅かったか……」


「火龍様のもとにもあの腐龍(・・)が来たのですか?」


「腐龍だと?」


「正確には腐龍ではなく、成龍クラスの龍の体を使ったドラゴンゾンビといったところでしょう。しかし、ドラゴンゾンビと言っても、モンスターとして出てくるようなものではなく、しっかりとした理性を保ち、知性を持った存在でした。どうやらある程度行動を制限されていたようですが、そこそこ苦戦してしまいました」


「あたしのところとは手口が違うわけか。水龍はどうした?」


「館のコアの様子を調べに行っています。あそこになにか起こってしまったら町の結界に支障をきたしますから」


「わかった。水龍に、あたしは土龍のもとへ向かうと伝えろ。おそらく土龍と風龍のところにも何者かが向かっているはずだ。風龍はともかく、土龍は危ない」


「ええ。土龍様に万が一のことがあったら……」


「違う。土龍自身には何の心配もいらない。しかし、土龍の館には風龍の娘がいる。土龍が暴れれば彼女が危ないのだ。あいつは周りの被害など気にせずに暴れようとする。それだけは避けんといかんからな。ではあたし土の館へ行く」


 火龍はセバスの見送りを受けて土の館へ向かった。




 土の館では、すでに戦闘が終了していた。

 体の一部が腐っていたり、なかったりしながらもまだ動こうとする哀れな龍が3体、土の館の庭で杭に全身を貫かれている。そして、肝心の土龍は入り口のところでいつもの抱き枕を抱いて横になっていた。どうやらそれほど暴れなかったようだ。


「大丈夫か土龍?」


「……少し疲れた」


「そうか、今ラムダたち数人で足止めをしてもらっている。しかし、あとでまた動いてもらうことになるだろう。それまでは休め」


「うん」


 土龍は抱き枕をそれまでよりも強く抱きしめ、眠りについた。


「あとは風龍のところか」


 火龍は風の館へ向かった。




「私のところは問題ありませんでしたな。体が大きいだけのでくの坊しか来ませんでしたし」


 風の館では、成龍の中でもそれなりのサイズの龍が一体首を落とされた状態で転がっていた。一撃で首を落とされたらしく、他の部位に、傷らしい傷はない。しいて言うならば、その龍が死んだときについたのであろう穴が1か所空いているだけだ。


「こいつも死体を使われていたのだな」


「ひどいことをしますな、ほんと。しかし、あなたが来たということは他の龍は無事なのですね?」


「ああ。娘も無事だと思うよ」


「それはよかった。土龍のところに預けた甲斐があるというものですな。では、私も準備をしますかな。火龍、すでに手はうっているのでしょう?」


「ラムダを含めた数人に足止めに行かせた。あたしもこれから向かうよ」


「では、頼みましたぞ」


「わかった」


 火龍は、再び炎蛇で山の方角へ向かった。




 残された風龍は、ゆっくりと死体となった龍のもとに近づき、死体に向かって話しかけた。


「いつまで隠れているつもりなのですかな? 出てきなさい」


 すると、死体の切り口のところから一人の女が出てきた。


「あーあ。ばれてないと思ったんだけどな。さすがはご年配は違うってわけか」


 そいつは、頭についた龍の肉片をがりがりとかきながら落として、ぼさぼさの髪をかき上げた。


「親父をよみがえらせるにはあんたらの誰かの体がいるんだ。悪いが、死んでくれよ」


 女の右手にどす黒い光が宿り、体が龍人(ドラゴニュート)のそれに変貌していく。


「少し遊んであげましょうか。他が楽をできるように」


 風龍はモノクルを外して、女と対峙した。






どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv98/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv13/??

 狙撃主 Lv54/70

 獣人  Lv19/20

 狂人  Lv33/50

 魔術師 Lv52/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv9/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 』

ネット小説大賞は残念ながら落選してました。

ですが、これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。


ではまた次回

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