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紹介です



 下に降りていくと、マナたちはリビングにあるソファでくつろいでいた。

 最初に入ってきたときには、あまりよく見ずに、すぐ気になる所を見にいったために気が付かなかったが、ここの部屋にはけっこうよさそうな家具がそろっていた。

 このリビングだけでもその傾向はみられ、窓際にはソファが4つもあるし、大人数で囲めるような机が2つ、それから壁際には椅子が20~30くらいは積まれているし、カーテンもついていて、それからちょっとした押し入れのような場所もある。俺は家具を新しく買わなくてもいいだろう。


「メイここすごいね。お風呂最高!」


「まだ入ってはないけどすぐにでも入りたいくらいだったよ。水もきれいだったし魔力消費もそれほどでもないから毎日入りたいな。メイと」


「長年使われていなかったと聞いていたので掃除をしようと思ったのですが、埃1つない様子でした。ご主人様が掃除したのですか?」


「いや、俺じゃない。というかあんな短時間でこの広い屋敷掃除しきるとか無理に決まってるって」


「ですが、ご主人様なら……」


「お前の期待が重たいよ……。今はここにはいないが、ここの掃除をしてたのは精霊たちだ。さっき精霊たちの親みたいな幽霊と話をしてきた。後で精霊たちの紹介をするよ」


「メイ、頭は大丈――」


「おかしくなったとかじゃないからな? その幽霊は俺たちと同じ世界から来ていた4代目勇者の死霊使いだ。その話も彼らを紹介してからな」


「4代目勇者ですか?」


「ああ。一千年以上前の人だと本人は言っていた」


「その方の話なら色々と文献が残っているはずです。死すら超越した女性だとか」


 死を超越したというか死んでからも生きていたと言った方があっている気がする。


「一時間くらいしたら彼らがいる屋根裏部屋に行こう。それまでは呪いの話でもしてようぜ」


「あー、やっぱり()だったんだね。そんな魔道具なかったんでしょ?」


「マナは気づいてたか。屋敷を見て調べたのか?」


「メイの魔力を感じたからね。魔力を探ってみたの。何か死体があったんじゃない?」


 そんなことまでわかるのか。マナのすごさを改めて思い知った気がする。


「半分正解だな。効果は違うが魔道具自体はあったんだよ。ここの2階の一番奥に他よりも大きい部屋があるだろ? そこに死体と、おそらくその死体から出る威圧をおさえる目的で置かれてた魔道具があったんだ」


「その死体はアイテムボックスの中?」


「いや、喰らった。どうもヒメに関係があるモンスターだったらしくてな」


 俺はそこまで言うとヒメを召喚した。現れた瞬間に俺から距離を取ろうとしたが、その前に捕まえた。今回ばかりは少しお仕置きが必要だ。

 ヒメは俺の腕の中で、『許してくれるよね?』とでも言わんばかりに瞳をうるうるさせて見上げてきた。


「許さないからな」


 お仕置き(くすぐり)を始めた。


「そもそもお前自由過ぎるだろ。俺が食らったモンスターから従魔を作るとか意味がわからん。せめて一言俺に伝えてからしろって。今回だってそうだ。いきなりエンシェントキングアントを素材に使うとか心配するだろ? まだ何か俺に伝えてないことあるだろ? ほれ、言ってみ?」


「かう! かうかぁあう!? かぁう!?」


 なに言ってるのかわからないぞーと言う代わりにくすぐりを続ける。はっはっは。笑い悶えるがいい。


「メイ、何してるの? 私にもやらせて」


「マナ、そこは止めてあげようよ。メイもそれくらいにしなって。さ、こっちに渡して」


 ヒメがすがるような表情でヒツギを見る。でもな、すごい笑ってるぞ。


 俺はしぶしぶといったようにヒメを解放する。ヒメは一目散にヒツギの胸に飛び込んだ。


「私の番だね」


「かぁぁう!?」


 そこからしばらくヒツギはヒメをなで続けていた。







 ヒツギが満足して、ヒメを解放すると、ヒメはふらふらしながらソファーに座る俺のそばに来て、足を枕にして寝始めてしまった。疲れたんだろう。俺としてはかなり満足だ。あとでハニーベアの肉をあげよう。


「で、なんでメイはヒメを出したの?」


「死体の話に戻るんだが、そこにあったのはドン・ガルーダというモンスターの死体だったんだ。それを喰らった途端にヒメがそいつとエンシェントキングアントを使ってガルーダロードっていうモンスターを従魔として構築し始めたんだよ」


「ドン・ガルーダもガルーダロードも私のいた時代でランクエラーのモンスターだったと思うんだけど」


「今もランクエラーですよ、ヒツギ様。その姿を見たものはいないって言われているモンスターです」


 900年前からずっとランクすら決められないモンスターのままなのか。白虎もそうなんだろう。


「そうなのか。俺の従魔どうなってんだろ……」


「白虎、ゴールデンオーガコングロード、オーガエンペラー、アンセスタークイーンアント、ガルーダロード。名前すら聞いたことないモンスターかランクエラーのモンスターしかいないですよね」


「ヒメの努力の結果だな。ガルーダロードももう構築が終わってるみたいだし召喚してみるか」


 特になにも考えずにガルーダロードを召喚した。2m近い魔法陣が部屋の中に浮かぶ。これは……ミスったな。


「マナ、すぐ結界! 悪い外でやるべきだった」


 マナが俺の声に答えるように連続で結界をはる。物理結界と魔法結界。耐えきれるか?


 魔法陣から風を纏う球体が出てきて宙に浮かぶ。大きさは魔法陣より少し大きいくらいだ。俺もすぐにそれを押さえ込む準備をした。いつでもこい。


「くわぁああ!!!」


 風が徐々に収縮していき、そしてガルーダロードが姿を現した。

 大きさはヒメと同じくらい。目は大きく真ん丸で、体は人のようだが、その背中には鳥である証明とも言える背丈と同じくらいの1対の羽があり、嘴があることが影響してか、顔は鷲に似ていた。


『がるーだろーど(ちょーおーえつしゅ)

 びこう:こども』


 ガルーダロードはいきなり宙に出たこともあり、机に顔から落ちた。あ、起き上がった。しかし、瞳には涙を滲ませていた。


「……なんかごめんな」


 ガルーダロードの頭を数度撫でてから帰還させた。これから強くなる……よな? ドン・ガルーダとガルーダロードでは種族が若干違い、ガルーダロードは『ちょーおーえつしゅ』となっていた。たぶん鳥王越種と書くのだろう。しかもこどもとなっていたし大丈夫。大丈夫だ。


「「「「うにー?」」」」


 ガルーダロードを帰還させてすぐに部屋の奥から独特の高い声が聞こえた。もう泣き止んだのか。


「なにこの子たち! かわいい!」


「かわいいです!」


「もしかしてメイが言ってた精霊?」


「ああ。ブラウニーっていう種だ。この屋敷の掃除をしてくれてる。これからもこいつらに頼むつもりだ」


「「「うにー!!」」」


 それぞれが手に掃除道具を抱えて元気よく返事をした。いい子たちだ。

 俺が撫でようとすると、再び全身をはむつかれた。お腹がすいたのだろう。目一杯食べるといい。



 お腹いっぱいになったのか、次第にぴょんと俺の体から離れるブラウニーが出始め、そいつらは通路に消えていった。掃除に行ったのだろう。


「とまあ、こんな感じで魔力を吸われることはあるが微々たる量だからあげちゃってくれ」


「ご主人様」


 キャラビーが真剣な顔でこちらに近づいてきた。何事だ?


「失礼します。……はむ」


 キャラビーが俺の手にはむついた。いや、なんで?


「あー!! 私もする!」


「じゃあ私はメイの下半身を」


 そこから全力で逃げ出した俺を責められる者はいないだろう。俺は夜が更けるまで森の中に潜んで家に戻った。さて、明日からもがんばろう。





どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv88/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv21/50

 魔術師 Lv37/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40 

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 』


前回はスキル紹介でしたが、今回は物語に戻ってきました。

まだ屋敷の中ですが。

次回あたりから迷宮に移れるかな? 予定ですが。


ではまた次回

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