私はあなたを小さくしてしまった。
私はあなたの幸せを奪ってしまった。
それなのに・・・どうして?
どうしてあなたは優しいの?
どうして・・・・。
「哀ちゃん・・・?」
ハッと気づいた。
「大丈夫?」
私はいつの間にか寝ていた。
授業中なのに・・・・。
「哀ちゃん・・・うなされてたけど平気?」
「ええ・・・平気よ。」
笑っちゃうわね。
昔は普通に薬作ってたのに
今じゃ小学一年生。
カタカタとパソコンを打つ毎日だったのに
今じゃ黒板とにらめっこ。
「・・・。」
空は青い・・・。
雲ひとつ無い綺麗な空。
私が住んでた世界とは違う。
空なんか見えない。
外の世界すら見えない。
暗い地下で
薬を作り続けていた。
私には縁の無かった世界ね。
*・*・*・*・*・*・
「哀ちゃん、今日変だったよ。」
「そう?」
「なんか・・・つらそう。」
「そんなことないわよ。」
「灰原、道に落ちてるモンでも食ったのか?」
「元太君じゃあるまいし。」
「なんだと、光彦!」
「おいおい・・やめろよ。」
ねぇ、江戸川君。
あなたにとってこれが普通の生活なのね。
毎日楽しくて・・・明るい。
私とは違うわ・・・。
「あっ、バイバイコナン君、哀ちゃん!」
「じゃーなー!」
「また明日学校でー!」
あの子達の心は綺麗ね・・・。
汚れてなんていないもの・・・。
うらやましいわ。
「灰原・・・お前、変なこと考えてるんじゃあ。」
「江戸川君。」
「あん?」
「空が見れるって素敵なことよ。」
「はぁ?」
「外の世界が見れるって幸せなことよ。」
「・・・??」
私は罪人。
本当はこんな所にいてはいけない。
けど、江戸川君・・・言ったわよね。
『自分の運命から逃げんじゃねーぞ。』
あの言葉・・・嬉しかったのよ。
すごく・・・。
私の心を洗い流してくれた・・・
そんな気がした。
「灰原・・・。」
「なによ。」
「組織のこと考えてねーだろーなぁ。」
「・・・そうかもね。」
「お、おい・・。」
「ただ・・・幸せよ。」
私は笑って言った。
「そっか・・・ならいいけどよ。」
「それより、彼女に電話するんでしょ?」
「ああ、じゃあな灰原。」
彼は走っていってしまった。
見えなくなった時
切なくなった・・・。
罪人でも
感情はあると
あらためて実感した。
ダメ・・・。
カレニハカノジョガイル。
ワタシハツミビト。
コンナカンジョウヲモッテハイケナイ。
ワタシニハ、クスリヲツクルトイウシゴトガアルノ。
エドガワクンハトモダチ。
ソレダケヨ・・・・。
「ただいま。」
「おかえり、哀君。」
ワタシハツミビトダケド
カエルバショハアル。
ソレダケデ・・・
シアワセ・・・。
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