出会いは夢の中の初体験−3−
女の子が顔を上げた。
眼が合った。
女の子はちょっと恥ずかしそうに笑って、
「やっと見つけました。私の運命」
そういった。
俺の頭のどこかでその言葉が反芻された。胸の奥のどこかに落ちた。
それから、改めて疑問。
運命って何だ?ていうか、この子誰だろう?
「あの、きみ誰?」
とりあえず口に出した。
「わたしは…」
女の子はちょっと迷う素振りを見せてから、
「ゆうか。深宮ゆうか。あなたは?」
「……矢上…矢上裕人」
答えながらどうも何かが引っかかる。
ゆうかと名乗った女の子が目を輝かした。
「そう、矢上裕人さん……初めまして」
そうか!
やっぱり初めてなんだ。納得した。て、状況は全然わからんが……
「えっと、あの、ゆうかさんとやら、俺になんか用?というか、結構恥ずかしいんだけど……」
ここまで、二人、夜の公園で抱き合ってることになる。
改めて口に出すと心臓のどきどきが大きくなってきた。
それでも女の子は腕を離さず、うふふて感じでほほえんだ。
「わたしは、恥ずかしくありません。なぜなら、あなたのことをずーっと捜してきたから。やっと会うことができたから。だから、今とてもうれしいんです。だから、今夜はあなたを離しません」
はあ?
なんか今、大変なことを言われた気がするが、いや、それ以上に全く理解できん。
この子が俺を捜していた?何で?いつから?
「えっと、ごめん。全然わかんな……」
といいかけたとき、女の子の右手の人差し指が俺のくちびるに触れた。
これは!
古今東西で声を封じる合図か。
それから、女の子の人差し指が眼の前を離れていき、俺の左手と合わさった。
柔らかい手だなと、よけいな感想を持ったとき、合わさった手の間から光が漏れてきた。
光は見る見る強くなり、まぶしくて目を背けた。
ところがどっちを向いても光っている。
まぶしくて仕方なく女の子の方を見ると、ゆうかと名乗った女の子は光の中で俺を見つめながらちょっとほほえんで、それから涙が頬を伝った。
だめだ。
よくわからんが、心の蔵を何かに貫かれた気がして、あいている右手でゆうかを引き寄せた。
その時、光が顔まで上がってきて、目の前が真っ白に染まった。
俺は、いつの間にか意識が白くなっていった。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。