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1章ー出会いは夢の中の初体験−1−
 もう日はとっぷりと暮れている。
 クラブ帰りの疲れた足を引きずり気味に俺は、団地の脇の公園を通り抜け近道しようとしていた。
 公園の真ん中は小高い小山になっている。
 芝生が敷かれたその丘は、この季節、昼間なら昼寝するのにちょうどいい。
 だが、今は夜だ。疲れた俺が安易に寝っころがりでもしたら、そのまま朝まで爆睡しそうだ。
 

 丘の脇の道をうつむきながら歩いていると、なにやら頭上がちらちらと明るくなったような……
「うん?」
 顔を上げてちょっとキョロキョロ。何の明かりか見てみようとした。
「あれ?」
 確かさっきまで誰もいなかった小山の上にうずくまった人影らしき物が見える。
 まあ、反対側から誰か上ってきたのだと思えばそれはいい。
 ただ不思議なのは、その人影がまるで背後からライトで照らされているように、輪郭がくっきりと光っていることだ。
 反対に、体は闇の中に沈んでいてまるで黒いシルエットそのものに見えた。
 えーと、この公園にサーチライトなんてあったっけ?
 とか、ぼんやり考えながら眺めていると、人影が立ち上がった。

「女の子かな?」
 明らかにスカートと思われるシルエットからすらりとした長い足が立ち上がった。
 それと共にモノクロだったシルエットが次第に色づいてきた。
 白いワンピースに淡い水色のサマーセーター。
 膝上丈のチェックのスカートが目にまぶしい。
 あれ?今は夜だよな。何でまぶしいんだ?
 それまで暗くてよく見えなかった顔が、不意にはっきり見えた。
 横顔にかかる髪は、緩やかにウェーブしながら肩に届いている。
 やさしい印象の横顔は、これまで俺が会ったことのある誰よりも美人に見えた。
 同い年ぐらいかな?
 少なくとも高校生ぐらい。というのがその時の印象だ。

 不意に、暗くなった。
 様な気がした。
 辺りを見回すと公園のライトが薄暗く照らしている。
 でも、これが普通だよな。
 と、気が付いて小山の上を振り返った。
 少女は……いた。
 ごく普通の明かりの中で、さっきまでまぶしかった服も夜の色に見える。
 少女は、顔を少し左右に振って……
「なにかさがしてるかな?」
 俺は、とりあえず疲れていて、さっきの出来事はちょっと不思議だけど、
 まあそんなこともあるのかなぐらいの気持ちでいた。
 ただ、足は止まっていた。


 その時、少女の顔が俺の方をむいた。
 その目がちょっと開かれたような気がした。
 あ、まずかったかな。見ない方が良かったかも。
 目をそらそうとしたその時、少女の顔に笑顔が浮かんだ。
 


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