ファンタジーショートショート:魔王と勇者のせいで世界が滅びそう
勇者が聖剣によって選ばれた時、世界はこれで世界が平和になると安心したものである。もう間も無く魔王を打ち倒し人間の世なると思われていた。しかしこの勇者戦闘になると途端に戦う事にしか目が行かなくなり、回りに甚大な被害を及ぼしていた。
それでも実際に魔物は倒されておりしっかり実績は上げている。これならば仕方ないと人々も黙認していた。何よりその勇者は真面目そのものであったのだ。
そしてその倒すべき相手の魔王であるが、彼も勇者に輪をかけて戦闘になると回りに目が行かなくなるたちであった。ある国との戦闘において魔王が放った攻撃で味方も巻き込み生き残ったのは魔王だけと言う事もあった。
それでも配下達は王に従うしかなく、しかも着々と領土を広げていっている分反論などできるはずが無かった。
各地で戦闘による多大な被害を出しながら勇者はどうにか魔王城までやってきた。城内での戦闘は被害関係無しとばかりに暴れに暴れた。城も半壊状態となったころようやく魔王との戦闘になった。
お互いに戦闘になると周りが見えなくなるもの同士の戦いはより酷いものになってしまった。
半壊状態の魔王城はついに全壊。それどころか跡地にクレーターができてしまった。しかもこの2人の戦闘はあちこち常に移動してみたり、広範囲を巻き込む攻撃を乱発してみたり、人間と魔物両方に凄まじい被害が出てしまった。このままでは滅んでしまうと危機感を抱かせてしまうほどに。
勇者と魔王が戦闘になった約1ヶ月経った。魔王は自前の体力で、勇者は聖剣の加護で長期間戦い続けていられたのだ。勇者と魔王が鍔迫り合いをしているとそこへ1本の矢が飛んできた。魔王と勇者がそれに気が付くと、矢や魔法による攻撃が雨あられと飛んできた。いきなりの攻撃に驚く2人。そしてよく見ると、それは人間の魔物の混成軍であった。
「最早2人が雌雄を決する前に我々が滅んでしまう!」
人間と魔物は口々にそう叫んだ。
混乱している2人をチャンスとばかりに混成軍が一気に攻め込んだ。そしてあっと言う間に魔王と勇者は討たれてしまった。皮肉な事にこれがきっかけで人間と魔物は手を繋ぎ、平和へのきっかけとなったのであった。