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俺とプリン。

作者:はむち
俺シリーズとして、短編暇つぶしシリーズを書くことにしました。
今回はプリン物語。
一週間耐えた。
仕事でも何でも耐えた。
今日、この日の為に。
辛い苦難を幾重にも重なる困難を乗り越えてきた。

ゆっくりとした時間が過ぎる。
いつもとは違う電車の風景。
楽しみのある生活がたまらない。
昨日まではこの満員電車も苦痛でしかなかった。
そんな満員電車も今日は違う。
ピンヒールで踏まれた痛みすら快感に変わる。
けしてそういう趣味があるわけでは勿論ない。

大勢が押し寄せる乗り換え。
いつもなら早く帰りたくてこの中に揉まれている。
しかし今日は違う。
早く帰らなくても待っている物がある。焦る必要はない。

金曜日の夜、残業こそあれどそのまま帰宅する。
酒臭いサラリーマンが騒ぐ。明日休みなのだろう。
自分もそうだ。だけど今日は全ての飲み会を断った。
家にはご褒美が待っている。
今日という日はどうしても外せないのだ。

乗り換え待ちの酔っぱらいをよそ目に、電車を待つ。
急いで帰るよりも確実に着実に帰ることによりより満足感が増す。
自分はそれを知っている。

口の中いっぱいに広がる甘い味。
柔らかく甘い中にある卵の柔らかさ。
そしてそれと交えて一層の甘さを際立たせるカラメル。
喉から手が出るほど食べたくて、先週並んだ有名プリン店。
購入まで2時間も待つとは思わなかった。
だけど、家に帰って食べた一口が思いの外絶品で2つ目には手を出さなかった。
妻にも伝えた。プリンを食べるなと。
合計4つ購入したプリン。
2つは妻と共に残して週末食べると決めたのだ。

今日はそんな週末。賞味期限も今日まで。今日は必ず食べると決めているのだ。

電車を降りて、バスに乗り込む。
この揺れは今日に限らず眠くなる。
なぜだろう。バスに乗って椅子に座ると振動が心地よい。
でも寝てはダメだ。流石にそういうミスで遅くなるのは問題がある。
必ず起きて家まで帰るのだ。

最寄りのバス停に到着する。
ここから家まで100mもない。
後少し、あと少し。あとすこしがまんすればごくじょうのあじがまっている。

マンションでエレベーターを待つ。
逸る気持ちを抑えて、エレベーターを待つ。
いっそ階段で登ってしまったほうが早いのではないかと思ってしまう。
しかしここは抑えてエレベーターを待つ。

そして、ようやく家へたどり着いた。
長い日々だった。
出来るならば今日食して明日また買いに行きたい位だ。

「ただいま」
「おかえりー。プリンないよー。」

…。え?聞き間違いだろうか。

「何がないって?」
「だからプリンないよ。」

何を言っているんだコイツは。ないわけがないだろ。

「え?え?何が?」
「今日、お義母さんが来て出すものがなかったから出したのよ。」

意味がわからない。
なぜ、プリンを出すのか。買ってきて何か出せばいい。
そもそもお茶うけにプリンを出す意味がわからない。
ってよりお袋は何しに来たんだ。

冗談ではない。冷蔵庫を空け中を見てみたらプリンのあったその場所にはアジの干物があった。

無常にも食べられたプリンのカップが流しに捨てられている事を発見する。

そう、無常にも半分も捨てられたプリンの残骸が…
内容はどうしょうもないですが、こういう話もありかと。
今後、こういった短編をちょくちょく書きたいと思います。

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