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【クロスオーバー注意】 新たなる仲間――その名はマリエ!

※注意


この話は、自分の作品に登場するキャラが作品を超えて関わります。


希望者向け、宣伝用に書いたものになります。


世界観を大事にされる方、こういったクロスオーバー物が嫌いな方は「戻る」で読まないことをお勧めします。


 そこは特別な部屋だった。


 豪華な部屋には暖炉があり、薪が燃える音が聞こえてくる。


 暖炉の明かりや蝋燭の明かりもあるが、室内は薄暗かった。


 そんな場所で――ライエルは涙が止まらなかった。


 ハンカチで目元を何度も拭っている。


 その横ではアレイストが両手で口を押さえて涙目になっている。


「みんなお金持ちの時はよかったの。でも、貧乏になったのに、買い物をするときも普通に昔の感覚で、高い物を平気な顔で買うの。こっちは食費を切り詰めて貧しい食事を出したら「お、珍しい食べ物だな」って喜んじゃって」


 お金持ちとの価値観の違いについて相談するのはマリエだった。


 逆ハーレムを目指して頑張った転生者である。


 見た目は幼く、胸は絶壁。


 可愛らしい感じの外見をしている。


「どいつもこいつも、駄目男の台詞を口にするのよ。イケメンだからまだ許されるけど、みんな自分が無職だって理解していないの! 兄貴に土下座してお金を作って貰ったのに、それを私の像を造るからって使っちゃうの!」


 昔付き合っていた、夢ばかり追いかけるヒモ男と同じ台詞を言うと泣き出すマリエだった。


「こんなの詐欺よ! 王子様やお金持ちの貴族と結婚して、贅沢な暮らしが出来ると思ったのに!」


 悉く失敗しているマリエを前にして、ライエルは嗚咽を漏らしていた。


「辛かったな。頑張ったな、マリエちゃん」


 アレイストも、マリエの彼氏たちにドン引きしていた。


「そもそも逆ハーレムを目指したこの子も悪いけど、やっぱりみんな目指せるなら目指すよね。けど、野郎が酷すぎて可哀想に見えてくるよ」


 好き勝手にやって自滅した馬鹿な女とも言えるが、それにしては笑えないレベルでマリエの逆ハーレム要員が酷かった。


「あんな奴らだと分かっていたら付き合わなかったわよ! けど……けど、見捨てることも出来ないのよぉぉぉ!」


 愛に生きた結果、地位や財産を捨てた男たち。


 彼らに残ったのは、その外見と優秀な能力――ただし、稼ぐ能力は皆無だった。


 ライエルが同情する。


「少し頑張れば生きていけるくらいの稼ぎは得られそうだけどね」


 マリエがすぐに否定する。


「無理! 根っからのお坊ちゃんたちよ。日給二万円の清掃作業で文句を言う連中よ! 私、もうこの仕事だけで食べていきたいと思ったのに、みんなブツブツ文句を言うのよ!」


 アレイストがすぐに反応する。


「日給二万円!」


「労働上限なんかホワイトよ。むしろ、裏があるんじゃないかって疑うくらいに真っ白よ! それなのに文句を言う奴らよ! 黙って働いてよ!」


 とても酷い元王子に元貴族の跡取りたち。


 ライエルはマリエに同情する。


「最初は逆ハーレムを目指した糞女とか思ったけど、酷い野郎を囲んで養っているお前は立派だよ。あの裏切り者の糞野郎より立派だよ」


 裏切り者の糞野郎――リオンの事だった。


 マリエがリオンの事を思い出し、ポケットから手紙を出す。


「あ、これ兄貴からの手紙ね」


 ライエルが受け取り開いてみると……。


『ヒドインじゃないヒロインと婚約しました。ごめんね~』


 ――ライエルは手紙を握りつぶす。


「あの野郎だけは絶対に許さない。絶対にだ!」


 アレイストがライエルを見る。


「なんですか、先輩?」


「いや、君の場合は、周りは結構いいヒロインだよね? 僕やマリエちゃんよりマシだよね?」


「はぁ? あいつらがヒロイン? おいおい、あんたの目は節穴か? 書籍版で「お、結構ヒロインしているじゃない」って思った口か? あいつらが酷くなるのはこれからだ! まだ序の口なんだ!」


 アレイストは内心で「こいつ本当に苛々するな」と思っていると、マリエがアレイスト宛てのリオンの手紙を差し出してくる。


 受け取って広げると、


『いや~、二人も優しい将来の嫁が出来てしまいました。俺の手に余りそうで困っています。三桁余裕のハーレムを築いた先輩に色々と教えて貰いたいっす』


 調子に乗ったリオンの手紙をアレイストは丸めて暖炉に投げ捨てた。


「あの野郎ぉぉぉ!」


 息が荒くなったアレイストを、ライエルが嬉しそうに慰めていた。


「先輩ガンバ」


「お前にも苛々するよ」


 マリエは部屋の隅で体育座りをして壁を見ていた。


「……誰か私を養ってよ。もう養うのは嫌よ」


 そんなマリエを見て、ライエルもアレイストも新しい仲間の登場に複雑な気分だった。


「俺、この子の逆ハーレムは許せる。だって少しも羨ましくないもん」


「男が逆ハーレムを羨ましく思う状況って何さ?」


マリエ(つд⊂)ウエーン(つд・ )チラ「私も登場する【乙女ゲーはモブに厳しい世界です 一巻】は、五月三十日発売です。活動報告に私の可愛い姿も掲載されているからチェックしてね」


ライエルヽ(*´∇`)ノ「セブンスは六巻まで発売中です!」


アレイスト(゜ロ゜;ノ)ノ「え、宣伝? ……ドラグーン~竜騎士への道~は、全四巻が発売中です」

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