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冬の終わりに僕は
作:星待夜宵


 季節を支配する時の神様から
「春」を盗んできてしまいました。
 皆さんごきげんよう。僕です。
 今、僕は追い掛けられている真っ最中です。
 すごく怒っている時神様に捕まったら何をされるか解りません。
 全力で逃げるんですが給油できるポイントまで保つかどうか微妙です。
 もう少し仲間が居れば……と、考えずにいられません。今更、手遅れなんですけどね。
 僕の仲間ときたら呑気で、もうすぐ自分達が邪魔者扱いされて仕舞われちゃう日が来るっていうのに、ちっとも危機感が無いんです。
 もう既に数名は用済みの烙印を押されて、最後に燃料が空になるまで働かされた挙げ句、物置の隅っこに追いやられてしまいました。
 人間なんて勝手なもので。
 ついこの間まで僕達が居ない生活なんて考えられないと言ってたくせに。
 今では早く厄介払いをしたくて仕方ないと態度で表してきます。

 でも、それというのも春が悪いんだ。
 今がまだ冬だったら、僕達、まだまだ頼りにしてもらえたのにな……。
 一足先に物置入りしてしまった仲間の最後の言葉が思い出されます。

 これで良いんだよ。
 今冬も一生懸命、働いたじゃないか。
 これはね、お払い箱なんかじゃない。
 ご褒美にくれるお休みさ。
 今までありがとうって。
 来冬もよろしくねって。
 そう言ってくれてるのさ。

 ……。

 皆さんこんばんは。僕です。
 いつの間にか、立ち止まってしまっていました。
 僕の肩は今、時神様に捉まれています。
 怒られるとばかり思っていたけど、時神様は優しく僕の頭を撫でてくれました。
 ごめんね。春をお返しします。
 そして僕も眠りに就く。

 皆さんお休みなさい。ストーブです。
 僕達がまた必要になったら、きっと起こしてくださいね?


読んでくださってありがとうございます! 貴方は冬が春に変わる時は嬉しいですか? それとも寂しいですか? スキーが好きな知人は少し寂しそうにしてました。今年の冬が、また巡ってきたら、その時は物置にいる彼のこと、よろしくお願いします。













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