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00話 プロローグ
「俺、魔王やめるわ……」
 一言。
 目の前に集まっていた、元・配下の動きがいっせいに止まる。
 ついでに、物音一つなくなる。
 表すなら、シ~ン……、だ。



 ……。
 さてさて、なんでこんなことになったか説明しよう。
 ……。
 この世界は天界、人間界、魔界の三つからなっている。
 そして現在は天界+人間界VS魔界の構図で戦争をしているのだ。
 この中で最も強く規模がでかいのが魔界だ。
 戦力的に言うなら天界が三、人間界が二、魔界六だ。
 戦力から見ると、魔界が有利に見える。
 実際に天界と人間界の一部は魔界によって占領されている。
 天界の神や天使達、人間界の勇者達、幾人もが魔王軍によって殺された。
 ……。

 しかし、最近の魔王軍は戦争に対して消極的だ。
 これ以上戦線を押し上げようとしないし、天界や人間界に対して侵略もしない。
 なぜかって?
 ……。
 それは、実に簡単。
 先代魔王をぬっ殺して、俺が魔界の頂点になったからさ、HAHAHA!

 俺の名前はルシファー。
 この完全実力至上主義がまかり通る魔界で、先代魔王を殺して魔王になった男だ。
 ……。
 正直、俺は戦争になんて欠片も興味がない。
 魔王になったのも働かなくても食っていけるからだし。
 魔王だったら、美女や美少女を侍らせて、酒池肉林をできると思ったからだ(笑)。

 俺は、生まれつき魔力が強大で、魔術の才能も天才的だった。
 ついでに言うなら、武術も武神を軽々倒せるぐらいだし、俺固有の能力もあった。
 俺、無敵じゃね?
 とか、思って先代魔王に挑んだら……。
 ……なんか、勝っちまった。

 ……。
 先代魔王さんは、信じられない物を見る目で俺を見ていたなー……。
 まぁ、そんな感じで元・ニートの俺は、職業・魔王をやることになったんだ。
 が。
 どうにも、いつまでたっても天界や人間界に戦争を仕掛けず、遊んでばっかりの俺に業を煮やしたのか。
 副王の悪魔・サタンに革命を起こされてしまった。
 サタンとしては、才能も能力もあるのに女と遊ぶか寝てばっかりの俺にはっぱをかけるつもりだったらしい。

 俺の前に来て。
「魔王様、どうか我らを率いて、天界の神々や人間界を蹂躙してください!」
 と宣言しやがった。
 実際、天界や人間界なら俺一人でもどうにかできる自信がある。
 さらに。
「今のままでは、われら全魔族、魔王様に弓を引きかねませんぞ!」
 ……。
 あー。
 戦争?
 くだらねぇ。
 戦争に行くぐらいだったら女を侍らせた方が千倍ましだぜ。

 しかし。
「このままが続けば魔王の座も危なくなりますぞ!」
 魔王ねー……。
 正直、働かなくても食っていけるのは嬉しい。
 美女や美少女でハーレムを作れるのもいい。
 しかし、そのためだけに他の世界に戦争をしかけるのもなー……。
 ついでに、サタンの親父のお小言もうるせぇし……。
 どうすっかなー……

 !
 閃いた。
 実は、魔王をやっている間に魔王城の宝物庫から魔宝具を全てくすねていたのだ。
 ついでに、予算会議で魔王の強権を発動し、戦争資金も全部懐に入れておいた。
 今は、俺が構築した異空間の中にしまってある。
 これらを考えて。
 ……先、二万年は働かなくてもいいな。
 よし!
「俺、魔王やめるわ……」
 宣言した。



 時間は戻り、現在。
「は?…………魔王を、やめる?」
「ああ、なんかめんどくせぇしな。今更戦争なんて、はやらねぇよ」
「…………ふ、ふざけないで下さい!貴方は魔王、ここ魔界に存在する全魔族の長であり、神々や天使、人間たちに絶望や恐怖を与える者。それを、軽々しくやめる、ですと」
「ぶっちゃけ、めんどくせーしな。俺は自由気ままに生きるさ」
 よっこいしょ、と座っていた玉座から立ち上がる
「おれは、戦争なんて興味ねーし、絶望や恐怖を与えることにも興味ねー」

 そばにいた、お気に入りの女奴隷を抱き寄せる。
 あー、柔らけー、それにいい匂い。
 この俺がわざわざ天界の奥深く、主神が住まう神殿まで行って攫ってきた女天使だ。
 名を、ラファエル。
 元は天使たちの長の一人である。
 尤も、今は俺の奴隷兼侍女兼参謀兼秘書兼夜伽役だが。
「魔王の座は、あんたにやるよサタン。後は、好き勝手にしろや」
 ドゴォォンッ!
 手を振って、真横の壁に大穴を開ける。

「じゃあな、ついでにこれも退職金代わりにもらってくわ」
 背に携えていた、漆黒の大剣を示す。
 これは本来、代々の魔王に伝わる魔宝具だ。

「んじゃ、行くか」
「はい、ご主人様」
 そうして、俺とラファエルは魔界の大空に飛び立った。
 後でサタンがなんか喚いていたが気にしなーい。

 目指せ、フリーダム・ライフ!
電波を受信したので書いてみた(笑)


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