FILE.3志保との会話
赤みがかかった茶髪にショートボブ。
大きいコートに白いストール。
黒いベルトがいくぶん際立って見えた。
・・この女は・・
「ちっこい姉ちゃんか。」
「あら・・覚えててくれたのね。でも今は別に小さくないわ。
宮野志保と読んでくれるとありがたいのだけど。」
彼女は江戸川コナンが組織を壊滅させた後、APTX4869の解毒剤を作った。
データは損傷しかけていたらしいが、何とか復元でき成功したらしい。
江戸川コナンは工藤新一へ、灰原愛は宮野志保へ−・・。
大人に戻った彼女はどこかへ一人暮らしをはじめたようだが・・
「なっなんで大阪におるんや?」
「あら・・大阪は情報がたくさん手に入るし、空港も近いから便利だから・・
ところであなたは何をしているのかしら?」
「・・ちょっと学校帰りにブラブラしていただけや」
「あらそうなの」
彼女の顔がちょっとかすむ。
うそをつくのは苦手だ。
つじつまが合わなくなりそうで嫌になる。
「ま、いいわ・・でもちょっと聞きたい事があるからつきあってくれる?」
「えっええけど・・」
振り向いた彼女に少し圧倒される。
ちがう。
何かが違う。
灰原哀のときだった彼女とは明らかに何かが違った。
あの切れ長の瞳や口調は・・そのままの灰原哀だけど・・
何が違うのか
それはおそらく・・自分にはないもの・・
「じゃ、ここね」
そこはいかにも志保らしい、落ち着いたふいんきのレストランだった
「はぁっ?何でこんなところではなすんや。悪いけど俺、持ち合わせなんかないで」
「いいわよ私が負担してあげる。」
席に座ると志保はひとつため息をついて言った
「ごめんなさいね。いきなり誘っちゃって」
「いや別に、俺もちょうど暇やったし。」
空気が流れる。
BGMがバラードに変わった。
「それで・・いきなりだけどこのごろあった事件の中で薬物を使った事件ある?」
「は?何言っとる?まさか姉ちゃん刑事になるつもりやないやろうな」
一呼吸おいて志保は言った
「厳密に言えば鑑識課ね。いま警察学校へ行ってるけど・・悪かったかしら?」
「いや・・別に・・」
口の端をあげて志保は少し笑った
「ウソよ。私、医者になるつもりなの」
以外だった。
あれだけの頭脳を持っていれば研究者の道は容易い。
「なんで研究者の道へ行かんのか?姉ちゃんなら楽やろ」
「・・もう忘れたかったのよ。組織の事や・・父や母を殺した科学をね」
平次から目をそらす。
机に置いた手の指がトントンと単調なリズムで動く。
「え?」
ドクンドクン
平次の心臓が、志保の指のリズムと共に波を打つ
「何でや・・」
平次は志保に聞いた
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