FILE.11追い詰められ・・・
放課後・・・5時
屋上へ行くと、もう敵は待ち構えていた。
空を見上げて。
やがて自分に気がつくと、微笑み言った。
「ふうん・・・。もう来たんだ。」
「あったりまえや無いか。・・・で目的はなんなんや?」
風上はふっと息を飲み込み、声を静かにあげて笑った。
「へぇ?何の目的かい?」
「何の目的って・・・お前が和葉に言い寄ってるっちゅう噂を自分で流したことや!和葉に何するつもりや・・・。」
風上は、それを聞いて声を高らかに大きな声で冷笑した。
突然の行動に戸惑う。
「ん?何がおかしいんねん。」
「いや?君もただの幼なじみの和葉ちゃんに対して、こんなにも敏感なんて思いもしなかったからねぇ。」
「たっただの幼なじみとちゃ・・・」
言い終わるか言い終わらないかの間に、風上秀樹は切りつけるような声で言った。
「へえ?違うのかい?君たちはお互いただの幼なじみ。君は他に初恋の人がいるんだろ?」
「なっなんでそこまで知ってるんや・・・。」
「悪いけど少し調べさせてもらったから・・・父は警察官なんだ。だから調べるのは得意さ。
和葉ちゃんだって君には関心が無いわけだし・・・。」
「なっ・・・・・」
心の中をズバッと切りつけられた感覚が、自分を襲う。
立っていられないくらい、強い痛みだ。
必死で足を踏みなおす。
君には関心が無いわけだし・・・
関心が無いわけだし・・・
カンシンガナイ・・・
「ふざけんなや!!和葉が俺のことを・・・そんなふうに見とるはずなんてあるわけが無いやろ!」
「へぇじゃあどんなふうに思ってるのかな?」
「・・・っ・・・」
どんなふうに思っていると言ったって・・・
考えられようが無かった。
ただの幼なじみ。
小さいころから一緒にいた幼なじみ。
喧嘩を繰り返した幼なじみ・・・。
幼なじみ。
そういうふうに思ってるとしか、考えられない。
他にどのような選択肢があるというのだ。
それよりこの男。
風上秀樹。
こんなに強く、激しく追いつめられたのは生まれて初めてだった。
恐ろしかった。
単純にそう感じた。
自分が今までに見つけてきた犯人も、いつもこんなふうに追いつめられてるのだ。
辛いやろうな・・・。
『犯人を推理で追いつめて、みすみす自殺させちまう探偵は・・・殺人者とかわんねーよ・・・。』
頭の中に工藤新一・・・いや江戸川コナンの言葉が流れ込んでいく。
ああ、せやろな工藤。
言葉一つで、こんなまでに心が痛むんや。
和葉が聞いたら・・・たまらんこっちゃ。
ふっと息をはいてみる。
風上は足を一歩前にして、口をあけた。
「それに僕はこの前、和葉ちゃんに告白したんだ。考えてくれるってさ。」
「なっなんやと!!」
汗がにじみ出ていく。
頭の中にあいつの姿がよぎった。
嘘やろ・・・。
そう考えたかった。 |