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虐げられた救世主の俺は異世界を見捨てて元の世界で気ままに生きることにした 作者:三木なずな

第一章

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04.熊との戦い

 高速の上、俺は手に入れたばかりのエグゼクティブ1を駆って、北に向かっていた。
 この世界でもスキルポイントをゲットするためには狩り場が必要、その狩り場をいろんなキーワードを使ってグーグル先生に聞いたみた。

 パッと思いつくキーワードで、ちょっと意外な結果が出た。
 俺はそこにエグゼクティブ1を向かった。

 数時間かっ飛ばした結果、東北の岩手県に入った。
 岩手県、年間のクマ目撃数で、二位以下をダブルスコアでぶっちぎる県だ。
 クマと言えば北海道ってイメージだった俺にはかなり意外な結果だ。

 とは言え、岩手県の公式ウェブサイトにも「熊被害」のページがしっかり存在している、目撃情報がでてどこそこの小学校が遠足延期って情報もある。
 そういうのがある以上、熊がかなり出るところなのは間違いないだろう。

 岩手県内に入って、高速を降りてエグゼクティブ1を人気の少ない、適当な駐車場に止めた。
 そして乗り換える、エグゼクティブ1に搭載した――ついでに買っといたもう一台の車を。

 巨大キャンピングカーに搭載してきた普通の乗用車に乗って、ナビの案内で目的の山に向かって行く。
 気分は空母から出撃する戦闘機な感じだ。

 そういえば、とふと思った。

 空母と戦闘機の関係。
 空母は「(ふね)」だから、搭載してる戦闘機は「艦載機」っていう。
 じゃあ、エグゼクティブ1というキャンピングカーに搭載してるこの乗用車は?

 ……車載車?

 なんか変な造語になってしまった。
 格好悪いので今の言葉は忘れることにした。

 しばらく運転して、目的の山にやってきた。
 車から降りて山に入る。

 すぐに看板が見えた。
 熊出没につき注意――普通ならびびるところだが俺はやったーとおもった。

 山に入る、人気の無いところに向かって進んで行く。
 すると、すぐに熊を遭遇した。

「こんなに簡単に遭遇していいのか」

 と思わなくもなかったが、だからこその年間目撃数ナンバーワンなんだろうな。

 熊もこっちの存在を認識した、まっすぐこっちをみている。
 俺はスタスタと近づいていった。
 これが狙いでここまで来たんだ、ためらう理由は何もない。

 無造作に歩いて近づくと、熊の眉間に全力のパンチを叩き込んだ。

「ぐおおおおお!」

 熊は横に一回転して地面に突っ込んだ。
 巨体を吹っ飛ばすほどの一撃だが致命傷には至らず、すぐに起き上がって咆吼する。

「いいぞ、来い!」

 熊は血走った目で、ガバーを両腕を開いて覆い被さる様に襲ってきた。

 俺の姿が地面ごと影で覆われる、視界がほとんど熊に覆われる。
 馬鹿正直に当たってやれん、抱きつくように交錯する熊の両腕を屈んでかわし、腹にパンチを突き刺す。

 ざっと人間の倍以上はある熊、体が「く」の字に折れ曲がって、そのまま吹っ飛んでいった。

「のがさん! スキルポイントを置いていけ」

 拳を握って追撃する、二連続の痛撃でさしもの熊も大ダメージを受けたようで、悶絶してすぐには起き上がれなくなった。
 片腕を掴んで起こし、そのまま背後に回り込んで首を絞めた。

 そのまま力を込めると――ゴキッ。

 熊の首をへし折って一瞬でケリをつけた。

 ――スキルポイントを20獲得しました。

 ゲットしたスキルポイントは結構美味しかった。
 元が10で、獲得二倍の効果が効いて20になった。
 チンピラ二十人分のポイントだ。

 その熊を置いて更に山に入る――と思ったらまた熊に遭遇した。
 今度は最初から怒り狂ってる、目が血走ってる熊だ。

 多分……この熊の旦那か嫁かって所だろう。

「悪いな、お前も倒れてもらう」

 怒り狂ってる熊に向かって行く。
 怒ってる熊と真っ向から向き合うのを避けた。

 透明人間レベル2、発動。
 体がスゥと消えた。
 怒り狂ってる熊はビクンってなって、きょろきょろと周りを見回して俺の姿を探す。

 俺は透明になってる20秒を活かして、背後に回って無防備の状態で裸絞めをして、一撃で首をへし折る。

 ――スキルポイントを20獲得しました。

 また二十ポイントゲットだ。
 ここに来て正解だった。

 チンピラとやり合うよりは前置きも後始末もなくていい。時間はかかったけど、ここに来たのは正解だと思った。
 俺は山の中を歩いて周って、日が暮れるまでに更に三体の熊を狩って。
 この日、合計でスキルポイントを100ポイント手に入れた。

-----スキル-----
スキルポイント:111/999

取得スキル(6/10)
近接戦闘LV5
攻撃力アップ(回避)LV1
透明人間LV2
必要ポイント減少(80%)
スキルポイント増加(200%)
完全翻訳
-------------

 再び3桁に戻ってきたポイントを見て、そろそろ次の段階に進むか、と思った。

 さすがに夜の山は危ないし、山を下りてエグゼクティブ1に戻ろうとした。
 すると熊に出会った。

 すっかり暗くなってしまった山の中でもはっきりと見える、巨大な熊。


「こ、こないで!!!!」

 その熊から逃げてる一人の女の人がいた。
 道は坂道、女は必死に逃げて、熊はそれを追っている。
 あきらかに獲物として認識して、それを追っている目と動き。

 速度はダンチ、数秒もしないうちに追いつかれる。

「くっ!」

 とっさに駆け出した、助ける為に割って入ろうとした。
 が、どう考えても間に合わない。
 異世界をクリアしてきた経験が俺に告げている、このままじゃ到底間に合わない。

 離れている距離、俺の突進力、熊のスピード、女のスピード。
 全てを合わせた結果、俺が辿り着く前に女は熊に追いつかれてしまうという結末がありありと見える。

 状況は更に悪化する。
 女の足がもつれてすっころび、起き上がることも出来なくて熊の方を向いて、尻餅ついた状態で後ずさりした。
 その状態で追いつかれたら死――

 迷ってる暇はない。

 近接戦闘レベル6――まだ足りない、レベル7!
 それぞれ48と56のスキルポイントを使って、合計104ポイントでレベル7まであげた。
 近接戦闘は格闘戦のパワーとスピードだけじゃない、それに飛び込んでいくための突進力も上がる。

 レベル7の近接戦闘、更に上がった突進力で突っ込んでいく。

「ぶ――」

 それでもぎりぎり、タイミングはぎりぎり。
 余計な事をする余裕はなく、俺は、駆け抜ける勢いで拳を熊の顔面に叩き込んだ。

「――とべえええええ!」

 顔面に突き刺さるパンチ。
 女に向かって突進する熊、横合いからいきなり飛んできたパンチ。
 熊はものすごい勢いでぶっとび、山道から外れて木をなぎ倒していった。

「す、すごい……」

 尻餅をついたまま、目を丸くして、信じられないって顔をする女。

 目の前で悲劇が起こらなかったことに、俺はホッとしたのだった。
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