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虐げられた救世主の俺は異世界を見捨てて元の世界で気ままに生きることにした 作者:三木なずな

第一章

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14.マスコミ退治

 次の朝、エグゼクティブ1の中。

 俺が朝食を食べてる横で、志穂がニヤニヤしながらスマホを見つめていた。

「えへ、えへへへ……」

 見てるのは連絡先。
 昨日の一件の後、何かがおきてもいい様に、近藤瑞希と連絡先を交換した。
 俺がしてもよかったんだけど、志穂にやらせた。

 その連絡先を志穂はずっと見てニヤニヤいる。
 よっぽど嬉しいんだろうな、憧れの歌手のプライベートのアドレス。
 分からんでもない。

 そんな志穂、浮かれてるだけって事はなかった。
 今日の朝ご飯は結構美味かった。
 総大理石張りのエグゼクティブ1のキャビンにはちょっと似つかわしくないが、前に俺が注文したみそ汁と白いご飯、それに焼いた鮭の切れ身といった、純和風の朝食は出来映えが素晴しかった。

 ニヤニヤしてて舞い上がってても、仕事はちゃんとする志穂の評価が俺の中でウナギ登りだ。

 ニヤニヤしてるので会話は出来ないと考えて、俺はテレビをつけた。
 新聞を何枚も並べて、それにコメンテーターがコメントをつけていく番組が流れた。

『こちらがネット上で公開されている動画です』

 キャスターの言葉の後、見覚えのある光景が流れた。

「これ……昨日の?」

 志穂がニヤニヤから戻ってきた。
 それもそのはず、流れてる動画は昨日俺が生放送で公開したもの、志穂の憧れの人――瑞希を助けるため、つきまとっていた金田を追い込んだ動画だ。
 生放送はアーカイブされていつでも見れる動画になって、それをテレビが放送した。

 動画が一通り再生されて、画面はスタジオに戻った。

『どう思いますか山本さん』
『これはいけませんね。まず何がいけないのかというと、盗撮でしょこれ』

「ええ?」

 志穂が声を漏らす、上ずった声はあきらかな不満が含まれていた。

『どう見ても盗撮、その証拠に金田さん途中まで気づいてなかったでしょ。こういう人はいけないよね、勘違いした正義感を振りかざして、何をしてもいいって思ってるような人って』
『そうですね』
『この手の人は絶対色々違法行為をしてますよ』
『そうなんですか!? それはやっぱり元刑事の勘で?』
『そう。まあ証拠はありませんが、99%やってるって思ってまず間違いないでしょうな』

 刑事の勘って。
 証拠がないのに99%間違いなくやってるって……そんな刑事怖いわ。
 こういう輩がえん罪とか生み出してるんだろうな、あと自白強要。

『いやしかし山本さん、この投稿者がいなければ取り返しのつかない事件に発展してたかもしれないのも事実で――』
『斎藤さんにちょっと違う意見があるようですね――ここでいったんCM入ります』

 動画――俺の擁護が入ったそばから、司会者が話を遮って無理矢理CMをいれた。

「なんですかあれ! 偏向報道にも程があります!」
「そんなもんだ、マスコミなんてのは」
「しかし――」
「きにするな……むぅ?」
「どうしたんですか風間さん」
「動画が……凍結されてる」

 スマホを持ってつぶやく俺。
 マスコミがああなのは知ってるけど、一般人はどんな反応なのかをチェックしようと、例の動画をスマホで見たら凍結されてるって表示がでた。

「この動画は権利者申し立てのため視聴できません?」
「風間さんそんな事をしたんですか?」
「いやしてないけど……ああそういうことか」
「どういう事ですか?」
「今テレビで放送されただろ? 俺の動画」
「ええ」
「それでこの動画は『テレビ放送の一部』になったんだよ。それでテレビ局の申し立てで凍結されたって訳だ」
「そんな! おかしいですよそれ!」

 ますます憤慨してしまう志穂。

「気にするな、連中が腐ってるのは今日に始まったことじゃない」
「でも……」
「俺の事はいい、問題は近藤瑞希だ。この動画が凍結されたって事は金田のやった事はうやむやにされかねんってことだ」
「あっ……」
「それは……ああ大丈夫だ、早速転載があがった。うん、これなら後はネットで勝手に拡散してくれる。もう大丈夫だ。一応念の為、俺のアカウントでこの動画にコメントいれとくか」

 俺はそう言って、スマホでコメントを入力した。
 凍結したのは俺じゃない、俺はこの動画を世の中のみんなに見て欲しい。

 そうだけ打ち込んだ。
 これであとは勝手に拡散していくだろう。

「ひどい話ですよ……」

 志穂は最後まで不満だったみたいだ。
 ちなみにCMから戻ったあと、俺擁護のコメンテーターはいなくなっていた。

 外されたんだろうな……。

     ☆

 俺は一人で車にのって東京の街中を走っていた。
 運転しながら、スキルの確認。

-----スキル-----
スキルポイント:21/999

取得スキル(9/10)
近接戦闘LV7
攻撃力アップ(回避)LV1
透明人間LV2
カウンター
必要ポイント減少(80%)
スキルポイント増加(200%)
完全翻訳
自由訪問
金銭ドロップ
-------------

 昨日、飛び乗った「車」をとめた事で20ポイントゲットしてポイントは少し増えたけど、その前のスキルをとったことでスキル枠がほぼ埋まってしまった。
 初期枠の10がそろそろ埋まるし、次はスキル枠所持無限化を取らないとな。

 そのためにもスキルポイントを稼がないといけない。
 どこかにいい狩り場がないかな……。

「うん?」

 俺は車をとめた。
 少し先になにやら人が集まってるのが見えた。
 ハザードを出して、車を降りて向かって行く。

 野次馬の前にやってくると、その向こうにマスコミがみえた。
 たくさんの報道陣、そしてその向こうには病院がある。
 病院の上空にヘリが何台も飛んでいる。

 何か事件でも起きたのか?

 野次馬に混じって、耳を澄ませる。

「緊急搬送された女優の三咲静さんは今でも意識が戻っておらず――」

 一番近くのレポーター、カメラの前で喋った内容を聞いて大体分かった。
 有名な女優が収録中で事故を起こして救急車で運ばれて、その女優の知名度に群がって報道陣がつめかけてきたってことだ。

 しかしこれは……。

「迷惑だよな、こういうの」
「ああ、特にヘリ。うるさくてたまらないよ」
「夜になるとあのヘリからハイビームみたいなの出るんだぜ」
「うげえ……」

 後ろを二人の男が通り過ぎていった。
 二人とも病人着で、一人は点滴スタンドを押している。
 二人はものすごく迷惑そうな顔で近くのコンビニに入っていった。

 話を聞くと、一般の入院患者達は迷惑してるみたいだな。

 そりゃそうだ、あんな風にドうるさいヘリを上空で飛ばしたらな。

「……よし」

 スキルをとった、遠距離攻撃レベル1を8使って取った。
 1しかとれなかったけど、どうにかなるだろ。

 野次馬と報道から距離を取って、人気の無い近くの空き地に来た。
 地面から小石を拾って、親指と中指の間に引っかける。
 ぐぐぐ……と力を溜めて、照準をつける。

 中指を弾く、小石を打ち出す。

 スキル・遠距離攻撃。

 その名の通り遠距離攻撃の攻撃力と命中をあげるもの。
 俺の指から弾かれた小石は一直線に飛んでいき、ヘリに命中した。

 ヘリはバランスを崩して、ふらつきだした。
 安定した飛行が出来なくなったのか、当てられたヘリはゆっくりと現場から離脱していく。

 よし、命中面は問題ないな。
 俺は更に小石を拾って、残ったヘリ――全局のヘリを次々と撃っていった。
 もちろん落とさない、落としたら大惨事になる。

 うって、安定飛行出来ないけど帰還は出来る程度のダメージを与えて追い払った。
 ついでに見えたカメラもこれ以上撮れないように撃ち抜いておいた。

 地上の生中継してるアナウンサーは大慌てでスタジオに状況を報告していたが、来ている取材車も全部小石で撃ち抜いて、通信できなくした。

 程なくしてマスコミ各社は一斉に撤退し、病院の前につかの間の静けさが戻った。

「ちょっとお灸を据える必要があるな……」

 遭遇した現場で、俺はちょっと腹がたって、何かをしようとあれこれ考え出した。
おかげさまで日間総合一位になれました、ありがとうございます!
明日も頑張って更新します!
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