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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

世界は先ほど作り直されました ~one of seven~

作者:井ノ夢
 世界中の人々が魔法を使える世界での出来事のお話。~one of seven~は1999年、「魔王が降臨する」と言わる少し前のクリスマスのお話。主人公は流れ星にお願い事をするのが好きな七つ子の長女デマとそのお父さん。デマの願い事は叶うのか・・・。

※本編では長女とお父さん以外の魔法の設定は示唆してませんが、ちゃんとみんなそれぞれ魔法は使えます!
1999年12月
 大陸の真ん中「トデスク王国」のとある冬の日。永遠の中立を誓ったこのトデスク王国の王都郊外に幸せそうな家族が住んでいた。その国でも有数の技術を持つ医者の父親とその七人の子供達、五男二女の七つ子である。母親はこの子達を産んだ時に亡くなってしまった。
 この七つ子の中で一番年上の女の子、デマはまだ12才と幼いにも関わらず王国でも屈指の魔法使いであった。彼女は特に戦闘向きな魔法でもないがただただ大きな魔力を持った、場をにぎやかで朗らかな雰囲気にするような不思議な少女であった。彼女は流れ星を探していつも夜空を見上げていた。
 「家族全員、なにがあっても助け合ってずっと仲良くいられますように」
そう、流れ星に願っていた。


 1998年12月25日
 雪の降る日であった。トデスク王国の少女デマは嬉しそうだった。
 「ねぇ、みんな空を見て!今夜は流れ星がたくさん!」
他の六人の兄弟とともに願い事を口々にした。
 「お父さんが今日中に帰ってきますように」

 その頃七つ子達の父親はその日最後の患者のカルテを書き終えていた。
「・・・痛っ!」
手を切ってしまったようだ。真っ白な白衣に血が少しついてしまっている。
さぁ、急いで帰らないと日が変わってしまう。生まれてこの方魔法など使えたことのない男は雪道を早歩きで進み始めた。


 12月25日、クリスマスも後二時間というところで七つ子の五番目の男の子がつぶやいた。
 「あの流れ星、落ちる」
流れ星は地球には基本落ちない。大気圏で燃え尽きてしまうためだ。しかし、「雪の下から見える流れ星」は違った。
 「・・・!」
七つ子の長女デマは魔力を炸裂させる。他の兄弟たちを守るように。みんな一緒にいるために。

 父親は歩いていて中立を誓ったこのトデスク王国ではありえない景色を目にした。空から地面に刺さった閃光。響く爆発音、上がる火柱。その方角は・・・家のほうだ。
 「・・・!」
 父親は持っている荷物などすべて放りだして走った。雪をける。宙をける。彼を取り巻く異常な胸騒ぎは彼を空へと飛びだたせた。生まれて初めて使う魔法への感動などない。むしろ不安を掻き立てる。雪の上にもかかわらず眩い光を放つ火柱に向かって彼は物理法則にすら逆らう速さで飛んだ。
 歩いて一時間はかかる道のりを五分で飛ぶ父親。その表情は焦りと不安でくしゃくしゃになっている。


 燃え盛る場所からはしばらく離れたところに彼の家はあった。正確には家のかけらが転がっていた。無事とは思えない状態の七人の子供と共に。駆け寄る父親。唯一意識のある長女は声を失いながら泣いていた。医者である父親は家のあった場所から探し出した大きな白い袋に、自分の子供たちを静かに収め飛んだ。数時間前まで自分がいた病院へ。子供たちの血で体中赤に染めながら。大切な自分の子供たちを生かすために・・・。


 幾分としないうちに病院のある所とに到着した。いや、病院のあった王都であった場所に。病院の中からまだ使える刃物をかき集めた父親は子供たちの収まる白い袋を開け赤く染まった服を脱ぎ棄てながら言った。
「オペを開始する」
 雪と流れ星の落ちる空の下、オペは始められた。誰の助けもない。彼を支えるのは人生で初めて使う魔法のみ。そんな父親の名は・・・サンタ。

12月26日0時
 トデスク王国の王都であった場所には一人の人間が立っていた。流れ星は未だにトデスク王国に降り注ぐ。わずかな軍事施設も破壊され、強力な魔法師たちも数には勝てない。トデスク王国が滅ぶ数秒前というとき、流れ星は空中ですべて消え去った。流れ星を落とす飛行機も全て。
 王国の空には一人の魔法師。この場にいる誰も動けなくなるような力強い魔力が王国を覆った。

12月27日
 「大国、一日で滅ぶ」世界中の新聞の一面にはこのような題名が書かれた。その大国は、トデスク王国の隣に位置する国で、先日トデスク王国に流れ星を降らした張本人であった。そして、12月26日早朝無数のミサイルによって機能を失った。新聞には写真が一枚、人型の飛行物が映っていた。そしてそれはとても寂しそうに見えたという。


先日世界を賑わせた人型の飛行物体。それは、途切れることなく無数のミサイルを打ち続ける「無限の武器庫」と呼ばれて得体のしれない魔法師として存在を残した。



「全員一緒だね」
世界最強の魔法師の一人として名を連ねることになる男はつぶやいた。

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