表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

桜花爛漫

作者: 球磨川 享楽

ふと、学生は窓を見た。

桜の花が咲き乱れていた。


学生には何もなかった。

いや、少し違う少年の周りには多くの人がいた、親しい友達もいた。

しかしそれは上辺だけということを除けばであるが。

だから正確には学生の心には何もなかった、というのが正しいだろう。


学生には夢も願望もなかった、故に空っぽであった。


学生はその空っぽの心を埋める様に勉学に励んだ。学生の本分は勉学であると親にいわれてたから。

その結果、全国模試で上位の成績を取った。

周りの人は褒めてくれたり尊敬してくれたりした。


しかし、学生の空っぽの心は満たされなかった。


学生は部活動に力を入れた。学生は部活にも力を入れるべきだと教師に言われたからだ。

故に様々な部活に入り、大会で結果を残した。

心は満たされなかった。


学生は何故心が満たされないのかわからなかった。

故に周りの人を観察する様になった。

そうすれば心が満たされない訳がわかると思ったから。


周りの人を見ているうちにその人達と交流することが多くなり、多くの経験をした。

多くを経験していくうちに学生は笑うことが多くなった。

時には深夜徘徊する事もあり、親や教師に怒られる事もあったが学生は気にしなかった。


学生は成績は落とさなかったし部活でも結果を残し続けた。そして犯罪に手を染めなかったため言われる事も少なくなっていった。


ふと、学生は窓を見た。

桜の花が咲き乱れていた。


しかし、あの時よりも美しかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  タイトルの美しさに惹かれて読みはじめました。  「学生」の人生が静かに、そして端的に語られることで、描かれていない部分を自分なりに想像しながら読み進める楽しさがありました。  また、主人…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ