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とある貴族の開拓日誌  作者: かぱぱん
~第一章~ 開拓の始まり
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開拓の始まり。

後書き追加しました。

若干のネタバレを含みますので、嫌な人は読まない事をオススメします。

石畳の道は、とても快適である。

が、旅は快適、とはいかなかった。

ドワーフ達が渓谷のあちこちに建てた鳴竜の塔のおかげである。


フィリップ曰く、でかい笛の様なものらしく、塔のあちこちに穴が開いていて、風が吹くとそこから独特の音が出る。

これが、飛竜の鳴き声にそっくりなのだ。

飛竜は鳴き声で縄張りを主張するらしく、これで寄ってくる飛竜は激減する。

たまに、やんちゃ盛りの若い竜なんかが喧嘩売りに来たりするらしいので、護衛は必須だが、このルートの安全性は格段に増した。


常に飛竜の鳴き声を聞いてなきゃいけないのは、ちょっと辛かったが。


俺達は、飛竜の襲撃を受ける事なく、渓谷を抜けた。


ナヴァレが死んだ丘に、再び立つ。

この丘は、そのまま『ナヴァレの丘』と呼ばれているそうだ。

村側の丘の斜面には、倉庫が林立していて、一帯が2mほどの石垣で囲われている。

中央に石畳の道が続いていて、丘の頂上と麓に一つずつ門がある。


もう、ここからは村が見えなくなっていた。


「凄い数だな。」


キートスに聞くと、倉庫ばかり五百もあるそうだ。

今はうちの物資でパンパンになっているが、いずれは商人達に売るか貸すかして活用するらしい。


「領内の物資は、一度は必ずここを通ります。これでも足りないと思いますよ。」


言って、キートスは自嘲気味に笑った。

足りない分をなんとかするのはキートスの仕事だ。

後々の話しとは言え、頭痛の種になりそうな問題なのだろう。

まぁ、彼はきっとなんとしてくれる。

多分。


村も、随分と様変わりしていた。

まず、幅4mほどの堀で囲まれている。

ドワーフ達の主導で、竜が出なくなって暇になった傭兵達が運河を掘ったそうだ。

中型の船なら行き来でき、船着場まである。

渓谷から流れる河はそれなりの水量があるので、洪水対策にもなってるそうだ。

この河は、西へと流れ、若干蛇行しながらも俺の領地を横断し、海に辿り着く。

船さえ出来れば、かなり輸送が楽になりそうだ。


中に入ると、長屋は姿を消し、村の入り口の近くに石造りの兵舎が建っていた。

一千人収容できるそうだ。

この村の住民になる者達の住居も建てられていて、村と言うよりは小さな町と言った方が良いかも知れない。

まだ、商人の店は一つもないが、ここにやってくるのは時間の問題だろう。


村の中央には、役所のような建物ができている。

この周辺を治める事になる代官の住居兼職場になる予定だそうな。

他にも、大きな建物が二つ、建築中である。

冒険者ギルドと、商人ギルドだ。

この二つのギルドは、現状でも支部を置けば利益の回収が出来ると進出に踏み切った。

特に、冒険者ギルドは是非に、とフィリップに言ってきたそうだ。


「他所でこけなきゃ、ここは大丈夫そうだな。」


「ええ。後二つか三つ、こういった場所を造れば、軌道に乗った、と言ってよいかと。」


珍しく、俺の独り言にフィリップが応えた。

今日は、役所に泊まり、明日には俺達は更に一月、西に進む。

領地の中央からやや北、領内を横断する河の側に、領地の中心、俺が住む町を造る。

この村と、その町の間に、道を、村を、町を造り、それを中心にして生産の拠点を造る。


十年で、それをやる。


計画の、第一段階だ。


「やっと、始まるな。」


石畳の道を、俺と、フィリップとマンシュタイが並んで馬を進める。

後ろにはキートス、ポレス、ラドマン、パウロが続き、その後ろにはサルムート達。


まだ、領民と呼べる者はいない。


これが、俺の領地開拓の始まりだった。

さて、ここで第一章は終わりです。

この章では、開拓の準備、と言う事で人やモノを揃える事、アルマンドが領地の開拓を続けていく理由を書くのに腐心しました。


色々と感想で御意見頂きましたが、僕がこの章で書くと決めたのはこの二点で、その為に必要な事以外は極力省く事にしています。

今後、加筆修正等していくと思いますが、伏線の見直しであったりとか、必要な描写等の添削ぐらいでしょうか。


エリーゼの死は、皆さんにとって衝撃だったようで、ちょっとだけニヤッとしました。

僕は最初から、こいつには死んでもらおう、と決めてましたし、他にも数人そういう人物はいます。

そういう人物は書き始めから、死ぬ場面が浮かんでしまうんです。


今のところ、例外はナヴァレで、彼はフィリップと並び、キートスの上司になる予定でした。

二度目の登場の、最初のシーンを書き始めてから、死ぬ事になりました。

書き続けると、そっちの方がすんなり行けそうな気がして、そのまま死んでもらってます。


この物語は、アルマンドが死ぬ所で終わらせようと思っています。

その死に方も、決めてあり、物語の締めの文も考えてあります。

◯リー・ポッターの作者のように、最後の一冊に、後から書いた全ての物語を繋げていく、と言うような芸当はできませんが、その締めを書きたいが為に頑張っているような気がします。


いや、長編書くのってホント難しい。


次章は、本格的に町を造る事、王国とこの世界について、を書こうと思っています。

世界の話しは書ききれるか不安ですが、ある程度、読者の世界観が固まってくるんじゃないかな、と。


ではでは、稚拙な作品ですが、今後ともお付き合いお願いします。


2013年12月12日 朝

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