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とある貴族の開拓日誌  作者: かぱぱん
~第一章~ 開拓の始まり
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宴が始まりました。

俺はフィリップのもとに、シュナの手の者を走らせた。

フィリップは、俺の親父代りみたいなもんだ。

エリーゼの妊娠を、誰よりもまずフィリップに知らせたかったのだ。


フィリップは、シュナの手の者を走らせてから四日で屋敷に戻ってきた。

王都の近くにいた訳でもないだろうに、随分と早い。

八頭立ての馬車から降りてきたフィリップを、エリーゼと共に出迎えたが、任務に就く前より、はっきりわかるほどに老けていた。

満面の笑みだが、笑うと皺が際立つ。

その顔に、胸を衝かれるものがあった。

しかし、家中の皆が、どこかで無理をしている現状、仕方ないと思い直す。


「アルマンド様、おめでとうございます。知らせを受けとった時は、心臓がはち切れるかと思いましたよ。」


そりゃ、な。

フィリップにしてみれば、孫みたいなもんだろうし。


「実は、まだ他の家臣達には知らせてないんだ。皆を集めてくれるか?」


言うと、フィリップは笑顔のまま頷き、みんなを呼びに行った。


「なぁ、エリーゼ。」


屋敷に入っていくフィリップの背中を見送りながら、エリーゼの手をとった。

フィリップの背中は、老いた男のそれだ。


「なぁに?」


「君と結婚して良かったよ。」


「あら、どうしたの。急にそんな事言っちゃって。」


わからない。

フィリップの背中を見て、ふと思ったのだ。

俺は答えず、屋敷に入っていった。



家臣達に、エリーゼの妊娠を知らせると、宴会の準備が始まった。

そういえば、ここのところ忙しかったからか、こういう事は一切やってない。

と言うか、考えもしなかった。

息抜きもたまには必要だな、と生き生きとし始めた使用人や家臣達を見て思う。


特にパウロのはしゃぎ様は子供のようで、護衛達を連れて、近くの森に入り、猪と鳥っぽい魔物を仕留めて帰ってきた。

今は庭で護衛達と解体中である。


いつも執務室に篭っているキートスも、今日は仕事を切り上げて宴会の準備を手伝っている。

買い出ししかできないんだけどな。


ハリーは宴会の準備を差配している。

彼の指示に従って、使用人達がテーブルだの皿だの飾り付けだのをテキパキ用意していく。


フィリップは自室で休んでいた。

やはり、結構無理して帰ってきたようだ。

歳を考えてから無茶はしてほしいもんだ。


シュナも珍しく姿を見せている。

相変わらずの特徴がない顔に、いるんだかいないんだかわかんない存在感だが。


「ねぇ。アル。」


そんな家臣達を見て回りながら、エリーゼが話しかけてきた。


「なんだい?」


「あなたと結婚して良かった。」


それは、さっき俺が言ったよ。


ん、いや、違うな。


エリーゼはお喋りだが、無駄な事は言わない。


これは、サインだ。


「俺もだよ。愛してるよ。エリーゼ。」


ちょっと臭かったか。


まぁいいや。


エリーゼは喜んでるみたいだし。




さて、パウロが獲ってきた肉の解体が終わり、宴会が始まった。

最初の乾杯から、ドンチャン騒ぎである。

当家の宴会部長であるパウロが何故かスピーチし始め、みんなはそれを無視しながらお喋りし、ハリーがキレたパウロにブランデーの瓶を口に突っ込まれ、それを笑ったキートスはワインの瓶を突っ込まれていた。

どうやら、パウロは一足先に、肉の解体をしながら飲んでたらしい。

どうりで臓物系がない筈だ。あいつら、生レバー独り占めしやがったな。

俺の好物なのに。

後で折檻してやらねばなるまい。



「すまん、遅れた。」


と、オーガスタ神のご来訪だ。

シュナが気を利かせて呼んだらしい。


「ご無沙汰しております。ラフィット卿。」


俺が挨拶すると、オーガスタは顔を顰めた。


「やめてくれ。そんな他人行儀な。甥と叔父の仲だろう。爵位は追い抜かれたがね。」


やはり神の心は海より広い。

俺には真似しようにもできない境地にいらっしゃる。


「ともあれ、おめでとう。アルマンド。それに、エリーゼ。元気な子を産んでくれよ。」


そう言って神は、挨拶もそこそこに宴会会場に飛び込んでいった。

なんだかんだで、神は庶民派で祭り好きである。

貴族としては珍しく、商業で発展したラフィット家の家風でもあるらしい。

まぁしかしなんだ。


他所んちの家臣と飲み比べする子爵ってどうなんだろ。


まぁ良いんだけどね。

臨場感と起伏がない、との感想を頂きましたので、ちょっとだけ意識してみました。

いかがでしょうか?個人的には50点ぐらいかな、と思ってます。


ポロポロと書かなきゃいけない事が抜けてたりしますが、作者の実力不足です。

いずれ加筆します。すいません。

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