雲ひとつないコダマタウン
いつもと変わらない空。いつもと変わらない町並み。そしていつもと変わらない────
「うわっ、ウォーロック! なんで起こしてくれないんだよ、もう8時だよ!」
日常である。
『あぁ? だって起こしても起きなかったぜ?』
「だってじゃないよ! 遅刻しちゃうじゃないか! 遅刻したらウォーロックのせいだからね!」
自分が悪いのに人のせいにするスバルを尻目に、時間は刻々と過ぎていく。
いそいで服を着替えて、ハンターVGを持って、リビングに行く。
「おはよう、母さん」
「おはよう、スバル。今日も寝坊ね」
フフフと、あかねは笑う。
「そういえば、もう1年ね~。あなたが学校に通い始めたの」
1年前のスバルは、父親の大悟が事故でいなくなってしまったのがきっかけで、学校に行かなくなってし
まったのだ。そんなスバルは、今ではすっかり学校が好きになったようだ。それは母にとって嬉しいことこの上ない。
「そういえばスバル。前に聞いた質問の答えを聞いてなかったわね」
ふと、思い出したようにあかねが聞く。トーストを口に挟んだままスバルは硬直した。
「そろそろお母さんも知りたいんだけどな~。スバルの────」
「い、行ってきま~す」
さっきまでトーストを半分しか食べていなかったのに、一気に食べたらしい。よく喉に詰まらなかったものだ。
「そんなに知られたくなかったのね」
まあ年頃の男の子だから仕方がないか。
「帰ってきたら聞き出そう♪」
イタズラっぽくあかねは笑った。
ドアを勢いよく開ける。
「ご、ごめん、寝坊した」
「寝坊したじゃない! 今何分だと思っているの!」
朝からいきなり怒鳴られて、スバルは少し動揺したが、すぐさま時間を確認する。ハンターVGの時計を見てみると、8時15分だった。
「え、こんなに時間経ってたっけ?」
「スバル、俺でも今日は寝坊しなかったんだからよ~」
「勘弁してくださいよ」
ゴンタ、キザマロの順で言われる。あの遅刻魔のゴンタでさえ寝坊しなかったのだ。まあスバルも遅刻魔なのだが。
「いいから行くわよ! ほら、ダッシュ!」
そして4人は学校への道を走っていった。いつもと変わらない日常だ。
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