なぜだろう。
自分は確かに負けたはずだ。
けれど今現在僕は生きている。
何故だろう。
僕が倒したわけでもないのに
世界は僕が倒したという。
みんなもそういう。
泣きじゃくった顔でそんなに嬉しがられても
僕は何もしていない。
僕は、無力に敗北しただけだ。
ただ、銀色の閃光に
助けられただけだ
『スバル、考えても仕方が無いぞ~』
そういうスターキャリアーからのウォーロックの声も元気が無い。当然だ。何故か自分達はラ・ムーに負けて気絶していたのに、生きていた。
そして、周りからは誉められた。それが、妙に悲しかった。自分ではないのに勝手に自分だと言われるこれが、妙に自分の胸を抉った。
『結果的に世界は救われたんだ、それでいいじゃねえか』
「……よくないよ、だったら僕のほかに世界を救ってくれた人が救ってくれたってみんなに言わなきゃ」
ふてくされてベッドに寝ても、心は休まらない。
「僕達、なんでみんなに誉められてるんだろう」
『…………』
自分達は世界を救ったヒーローではない。自分達は惨めな負け犬だった。
かすかに見えたあの銀色、あれは誰だったのだろうか? けれど新学期が始まっても詳細はつかめなかった。
「僕達、どうすればいいんだろう」
今現在、事件などは無い。無いかもしれないが、ある可能性も否定できない。
次は、本当に大切な人を救えるのだろうか?
「はぁー……」
でてくるのは溜め息しかない。自分達は、ラッキーでしか生きていない。次はラッキーがあるとは限らない。
『どうするもこうするも、とにかく宿題終わらせたらどうだ?』
最もらしいこといわれ少しドキリとした。けれど、それも今考えていることに霞んでいく。
「…………」
自分は何をすればいいんだろう、自分はこれからどう生きていけばいいんだろう?
「今を頑張って生きよう、かな?」
ふいにそんなことばが口から出た。
そうだ、それしかない。考えていても、仕方が無い。ただ、頑張って生きていけば、何か見えてくるはずだ。
「よし! 宿題頑張ろう!」
『うわっ! いきなりどうしたスバル!?』
とにかく前向きに生きていこう。それが、いつか実を結ぶと思うから。いや、結ばせるのだから。
もし、あの銀色の閃光に会ったら、面と向かってこう言おう。自分は君に救われた命で、頑張って生きている、と。
そして、この少年は数ヵ月後にメテオGと呼ばれる隕石を止めることとなる。
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