「……来たか」
キリュウはヨーハマシティのウェーブロードでそう呟いた。誰が来たというのは、スバルのことだ。もっとも、別にキリュウが戦うわけではない。ただの観戦、という感じだ。キリュウにとっては。
『終わりまで手は出すなよ』
「出す気もない。俺らはただ、見届けるだけだろ」
彼らの目的はただゲイボルグの敗北を見届けるだけ。スバルが敗北するところではない。
『あいつには、聞かなきゃいけないことがあるからな』
「俺はどっちでもいいよ。ってかおまえだけ来ても良かったんだぜ?」
『ロックマンが負けたらどうするんだ?』
「そん時は……そん時だろ」
「……ゲイボルグ」
スバルはその名前を呼んだ。漆黒の槍、漆黒の鎧を身に着けるものに。
『ここが、「ガイア」最後の戦いの場だ』
その言葉と共に虹色のドームがヨーハマシティを包む。
「……これは結界とか言う物じゃないんでしょ」
『何を言っている?』
『しらばっくれてんじゃねえ! これが何なのか俺達は分かってんだぞ!』
『それが分かっているからと言って何になる? ただの保険に過ぎないものに』
このドームは、いわば戦闘可能な場所だ。ここより外に出れば民間人がいるということになる。つまり、外に行けば死人が出る可能性もあるのだ。
「なんで君達は戦うの? なんで今更戦うの?」
『あの方の命令だからだ』
「……言う気はないよね?」
聞くのは倒してからだ。相手も話す気が無いのだから。
「最後に聞かせて。君のリーダーはそこまでするような人なの?」
『当然だろう? あの方は偉大な方だ』
その答えで充分だと、スバルはただ呟く。
「獣化 グレイガ!」
体は、獣のような姿になったスバル。それを見て、ゲイボルグは槍を構えるだけだ。
数秒の静寂の末、両者はただ前に飛び出した。そして、衝突する。
──開幕
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