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第一話、現実はいつも残酷
 俺の名前はジェイル・フォン・ルーデル、伯爵家の長男だ。俺は6歳の誕生日まで普通に生活していたが、突然前世の記憶を思い出したんだ。
 父の名前はルーエンス、母の名前はシルヴィアでゲルマニア貴族なんだ。ウィンドボナからルーデル領は遠く離れていて、商人も来ない土地だ。
 ルーデル領は4つの森に囲まれた土地でそれぞれ火、水、土、風の幻獣が森に存在していて危険な土地なため、初代領主が掘ったトンネルしか通り道がないんだ。
 町は常に幻獣の戦場となるため、殆どが地下に存在していて、地上はハンターと呼ばれる人間たちのギルドや要塞くらいしかない。そのせいか、ハルケギニアには珍しく科学が発達しているんだ。
 今の俺は努力の結果風のトライアングルにまで成長した。でもこの土地ではスクウェアでないと森で生きて行けないらしい。もちろん父は土のスクウェア、母は水のスクウェアだ。俺も早くスクウェアになりたい。
 ちなみにこの森には主がいる。火の森の主『アカムトルム』、風の森の主『クシャルダオラ』、土の森の主『ラージャン』、水の森の主『ウカムルバス』だ。ウカムルバスは初代領主の使い魔だそうで、水の森は特別に領民の出入りが許可されている。
「ジェイル来なさい。」
「何でしょう父様。」
「火の森でイーオスが暴れているそうだ、お前はここにいなさい。」
「分かりました。」
「では行ってくる。」
 もう皆分かっているだろう、そう幻獣とはこいつらなのだ。だからトライアングルでは生き残れないのだ。だから早く強くなりたい!

 あの後無事に父は帰ってきた。でも弱い俺は外に出たことがない。だから毎日魔法の練習をしている。その後は今やっている領の経営だ。
 なぜ俺がそんなことをしているかというと、母は医者として忙しく、父は町の防衛で忙しいからだ。だから外の商人と話しをしたり、町の運営は俺の仕事なのだ。
「お久しぶりですジェイル様。」
「久しぶりだね、今日は何を持ってきたんだい?」
「はい、風石が馬車1つ、火石が馬車一つ、生活用品や食料などが馬車2つ持ってきました。お買いになりますか?」
「風石と火石は全て、食料は野菜を買おう。代金はどうする?」
「いつもと同じポポのタンやホワイトレバー、ドラゴンの皮でいいですよ。」
「交渉成立だ、いつもすまないな。」
「いえいえ、私達も貴重な商品が手に入り満足しております。今後ともよろしくお願いします。ジェイル様。」
「ああ、よろしく頼む。」
 ここでは武器や生活するのにたくさん風石や火石を使う。特に火石はガンランスという新しい武器のエネルギーに使われているため、すぐに必要になるのだ。そのかわり、ここでしか手に入らない食材や材料を売ってお金にしているのだ。
「しかし、アルビオンでは黒い噂が絶えないらしい、戦争が近いか。」
 俺は今年で10歳になる、そのため父は俺に騎士団をプレゼントにくれた。だが、メイドも兼ねているため全員女だ。
 服装はどこかで見た黒いゴスロリ服で、双剣かガンランスかボウガンを装備して戦うが、竜騎士でもあるためかなりの実力者だ。ちなみにここの幻獣から作られる防具は対魔法防具になるため、高値で取引されているが、非常に重いため騎士団が装備する防具としては採用されていないのが現状だ。
「俺の騎士団ヴァルキリーズに所属している幻獣はリオレウス×10、グラビモス×2、ディアブロス×4、ヒプノック×2、オオナズチ×2、合計20匹で騎士も20人。それもドラゴンばかりとは、母様の溺愛も凄いな。」
 ハルケギニアで最強の騎士団といえば王軍の騎士団だが、例外としてルーデル家のギルドナイトが最強と言われているのだ。理由は簡単で、魔法が効きにくい特殊なドラゴンを使った竜騎士が存在し、使い魔にするのは不可能と言われているのにしているからだ。そのためクルデンホルス大公国のような存在になっているのだ。
 だが、ゲルマニアは良く思っていないようで、戦争になると父様は考えており、戦争に備えて領を囲んでいる高い壁を開ける準備をしているのだ。
 理由は、壁は幻獣を外に出さないためのものであり、それを開けて周りの国を危険にして独立しようと考えているのだ。
「失礼します、騎士団長のマリエルです。」
「ああ、入ってくれ。」
「何か問題でもありましたか?ジェイル様。」
「現在戦争に備えて食料などの備蓄を行っているが、終了した。父様はクシャルダオラとアカムトルムにお願いして領地の対空防衛と首都への攻撃を協力してもらえるよう頼んだそうだ。」
「なるほど、では開戦も近いのですね?」
「ああ、そこで我々はトリステインのラ・ヴァリエール公爵家が攻めてきたとき戦うことが決定した。」
「では敵はカリーヌ・デジレ、烈風のカリンで有名な?」
「ああ、だから対風魔法防御の武装で出撃することになるが、オオナズチの騎士二人は姿を隠してカトレアという女性を人質として誘拐してもらいたい。」
「誰ですかその女性は?」
「ラ・ヴァリエール公爵の娘で持病があってまともに戦えないんだ。だから彼女には悪いが誘拐させてもらう。」
「分かりました、ジェイル様はどうするのですか?」
「俺はまだ戦えるほど力がない、だから司令官として戦場に出ることが決定した。機龍から他の騎士団にも命令を出す権限を頂いているからな。」
「機龍とはなんですか?」
「ああ、まだ説明してなかったな。古龍種の強さは知っているだろうが、我々は長年の研究により、人工的な古龍を作り出すことに成功したんだ。大砲やドラゴンのブレスも効かない飛行戦艦だ。」
「なるほど、分かりました。お任せください、ジェイル様。」
「ああ、これがうまくいけばラ・ヴァリエール家は戦わなくなるだろうし、そうすれば戦争も速く終わるだろう。」
「話によると、ラ・ヴァリエール公爵は娘に甘いらしいですからね。」
「ああ、できれば死人を増やしたくない。ルーデルの騎士は強いからな・・・・・」
「では失礼します。」
「ああ、頼んだぞ。」
 ルーデルの騎士は陸上でも強い。防御を鎧に任せて接近戦をするのが主な戦闘方法なのだが、鎧は対魔法防御だけでなく、斬れないくらいの防御力をもっているんだ。そのため、安い剣では折れてしまい戦闘にならないのだ。
 また、それに加えて魔法も特殊なため魔法効果が予測できず、戦闘で有利に戦えるので、敵対したら逃げていくメイジも多いのだ。
「この戦争、技術力が上であるルーデル伯爵家が勝利するだろう。ドラゴンと戦い続けた歴史はそれだけ力になるからな。」
 ハンターの戦闘能力を知らない者は皆亜人と思うだろう。魔法を使わずドラゴンを倒す人間がいるなんて知らないだろうからな。

あれから数日がたち、ゲルマニアから召喚状を持った騎士達がやってきたが、父様はそれを拒否し開戦となった。
「父様、ジェイルです!状況はどうなっているのですか?」
「ゲルマニアは戦艦50隻と竜騎士200騎、歩兵約5万が近づいてきている。それとトリステインは活発な動きを見せている。お前は旧市街ドンドルマで待機し、攻めてきたら滅ぼしてかまわない。部隊は戦艦10隻、機龍×1、リオレウス隊×10、ティガレックス隊×10、グラビモス隊×10、歩兵部隊×100与えよう。」
「は!必ずお守りします!」
「頼んだぞ、我が息子よ。」
ドンドルマ旧市街、まだドラゴンが少なかった時代に生活拠点として使われていたラ・ヴァリエール領に近い街である。今では古龍種と戦うための戦場として使われているため、軍事拠点となっている。
「ジェイル様、拠点の設営を完了しました。」
「ああ、おそらく攻めてくるのは南の広場かもしくは西の空港跡地だろうな。我々の拠点は北にある、ティガレックスとグラビモス隊は全部隊広場前で待機、リオレウス隊は上空を交代で警戒してくれ。戦艦は西に3隻、南に3隻、北に4隻と機龍、歩兵は西に20部隊、南に40部隊、北に40部隊頼む。」
「ヴァルキリーズはどうしますか?」
「地下をラ・ヴァリエール領までディアブロスで掘り進んでくれ。出口は掘るなよ。」
「了解しました。」
 ドンドルマ防衛戦は準備が整いつつあった。

〈領地境界線〉
 境界線にある壁は装置で開け閉めが可能になっている。そのため、ウィンドボナへの空爆を行うために開けにきたのだ。
「ルーエンス様、開放準備整いました!」
「主には説明が済んでいる、外に出るのは下級の幻獣だけだから問題ない。開放しろ!」
「了解!開放―!!」
 凄まじい音をたてながら壁が地面に沈んでいき、完全に開放された。するとイーオスなどが大量に外へ出始めた。数にして数十万になるだろう。
「下級とはいえドットの攻撃は通用しない。攻撃力はラインメイジクラス、その恐ろしさ知るが良い。」
 弱くても数の暴力をゲルマニア貴族は知ることになるだろう。

〈ゲルマニア艦隊〉
 ゲルマニア艦隊司令官のヨハンは、今回の戦争に反対であった。相手は対ドラゴン戦闘を得意としており、鎧もドラゴン相手に戦える装備なのだ。メイジの魔法で鎧を貫くのは難しいだろうと考えている。
 そもそも相手は未知のドラゴンや武器を使うのだ、どんな戦術を使ってくるのか分からないので、先を考えた戦闘が難しいのだ。
「!?偵察隊より報告!敵は壁を開けたくさんの幻獣を解放したとの報告です、最終到達地点は首都ウィンドボナ!」
「なんだと!?直ちに歩兵に攻撃させろ!」
「ドットクラス魔法が効きません!敵攻撃力ラインクラス、このままだと全滅すると予想できます!」
「竜騎士20騎で支援しろ!艦隊は砲撃開始!」
「了解!総員戦闘配置につけ、支援砲撃をするぞ!!」
(最初から消耗戦とはな、こうなるとは思っていたが先が辛いな。)
 少しでも効果があればと思っていたが、ほとんどの攻撃をジャンプして回避され接近戦でメイジや傭兵が次々と殺されている。だがこれだけではなかった。
 突然大地が揺れ始めたと思うと、角が現れて串刺しにされた。そう、モノブロスとディアブロスによる奇襲攻撃である。
「!?角龍による奇襲攻撃か、歩兵を下がらせろ。上空から攻撃開始!」
「了解、合図を送れ!下がらせた後、魔法攻撃開始!」
 だが角龍は地面に潜り、歩兵の後を追いかけて攻撃をし続ける。すでに5万もいた歩兵が3万にまで減らされてしまい、多くの幻獣はウィンドボナにむかって進んでいる。明らかに初戦は敗北だろう。
「歩兵を支援しながら後退する!合図を送れ!」
「了解、撤退の合図を送れ!」
(だから嫌だったのだ、戦術が通用しないと言ったのに。)
 ヨハンの苦労はこれで終わりではない、ここから始まったのである。

〈火山地帯・ルーエンス拠点〉
 敵が境界線を越えると火の森を越えなければならない。そこで待ち構えるのが火山地帯である。ここはリオレウスの巣があるので、簡単に上空を越えられないのだ。
 だが、それ以前に境界線付近にグラビモス部隊が待ち構えていたのだ。結局撤退したため意味がなかったが、ヘキサゴンクラスのブレスで歩兵を殲滅しようと考えていたのだ。そもそもドラゴンに平均的なメイジが、相手が務まるほどやさしいくはないのだ。
「ルーエンス様、ゲルマニア軍が一時撤退しました。」
「そうか、どれくらい減った?」
「歩兵が残り3万にまで減りましたが、こちらが不利な状況は変わりません。」
「確かにな、しかしこちらには自然という大きな味方がある。負けはしない。」
「はい、守りに入れば負けることはないでしょう。」
「一応油断しないように伝えろ。」
「了解しました。」
(ウィンドボナへの本格的な攻撃準備を急がせねばな。)
 壁の開放によって手に入れた時間で更なる戦果を広げようと考えているのであった。

〈トリステイン〉
 現在王女を中心にルーデル領攻撃をするべきかどうか話し合いをしていた。ルーデル領がどのような土地か詳しく知らないトリステイン貴族は、田舎としか考えていない者が多く、戦争をしようという意見が多く出ていた。
「姫様、トリステインは今まで多くの領土をゲルマニアとガリアに奪われてきました。今こそ取り返すチャンスですぞ!」
「そうです!貴族の誇りにかけて戦うべきです!」
「落ち着きなさい!マザリーニ枢機卿はどう思いますか?」
「私は反対です。対ドラゴン戦闘を得意とし、ルーデル領にしかいない幻獣も多く、どのような攻撃をしてくるか予想できません。」
「臆病者!姫様、このままではゲルマニアに滅ぼされてしまいますぞ!チャンスが少しでもあるうちに戦うべきです!」
「そうです、命令を!」
「姫様!」
「・・・・・分かりました、直ちにラ・ヴァリエール領に拠点を設営し監視体制を整えなさい。情報しだいで攻め込みます。」
「は!姫様の英断に必ずや応えてみせましょうぞ!」
「お任せください姫様!」
こうしてトリステインは国として致命的なダメージを受けに参るのであった。
はじめまして!初投稿をしました。初心者なのでアドバイスお願いします。


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