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異世界に転生したら村八分にされた 作者:狐谷まどか

第7章 戦場でお会いしましょう

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245 バジル大作戦 夜襲(中)


 すさまじい炸裂音は、きっと魔法の攻撃によるものではないだろうか。
 揺れを伴うその衝撃を考えれば、敵の中に魔法使いがひとりやふたり参加しているという事なのかもしれない。
 しかし問題は重なるその爆裂が多すぎる事だ。

「ギュイイイ!」
「しゅ、シューターさま!」
「マリアちゃんこちらへ」

 俺は便所の仕切りカーテンを押しのけて、ひもぱんが半分ずれたまま飛び出して来たツンデレのマリアちゃんを抱き留める。
 そうしておいて足元のバジルに視線を送って話しかけた。

「いいかあかちゃん。すぐにもッヨイさまのところに行って、絶対にそばを離れるなよ。ある程度は敵を引き付けるまでは夜泣きは禁止だ」
「キュビー!」
「敵を懐内まで深く引きつけておかなければ、相手が勘のいい敵であれば逃げられてしまう事になる。バジルの出番はそこでだぞ」
「キュッキュッ!」

 本当に伝わっているかどうかはわからないが、何となくそういう風に話しかけるのがあかちゃんに対する習い性になっていたからな。
 俺がバジルの尻をポンと叩いてやると、すぐさま来た廊下を勢いよくトテトテと駆け出していく姿を見届ける。

 もういち度、ドカンと大きな衝撃音が閃光を伴ってもたらされた。

「これは魔法どころの衝撃じゃない。行きましょうマリアちゃん、ここにいたら危ない!」
「お、お待ちになってください。おパンツが……」

 俺があわててマリアツンデレジアの頭を押さえて引っ張ろうとしたところ、マリアちゃんはもたついて嫌々をしてみせた。
 どうやらひもぱんの片紐がまだ外れたままであったらしい。
 これはしょうがない。
 そうしているうちに周囲の警戒を怠らない様にしながら、俺は自分のブリガンダイン鎧を脱ぐと、ようやくドレスをまくし上げてパンツを正常化してみせた彼女にそれを被せてやった。

「あ、あのこれは、シューターさまの大切な鎧では」
「ボロボロで傷だらけのモノだけれど、何もないよりはマシというものだ」
「それではシューターさまを守るものがありませんのよ……」
「俺は全裸になったって必ず勝ち残って来た辺境不敗の男だぜ? 安心してくださいよ」

 俺は気取って笑って見せたが、もちろんそれは強がりだ。
 すぐにも彼女の腰を低くさせると、尻を押しながら廊下を素早く駆け抜けた。
 その頃には領主館の中も蜂の巣をつつく様な有様になって、就寝していた盟主連合軍の参謀たちや護衛の武官たちも飛び出して来ていた。
 外でも似たような有様で、

「敵は何処から攻撃して来た?!」
「森の中だ、発光点はふたつしかないぞ! その他は弓だッ」

 と言う様な激しいやり取りが衝撃とともにもたらされてくるのである。
 発光点がふたつしかないという事は、敵の魔法使いはふたりしか存在していないと考えるのがいいのだろうか。
 しかしそれはどういう事だ、この揺さぶるような衝撃と炸裂音を聞いた限りでは魔法は多数同時に射ち込まれているような感触だ。

 そんな事を考えながら駆け寄って来るふたりの人影を俺は見やった。
 ランタンを持ったひとりが領主館の本来の主であるラメエお嬢さまで、もうひとりはリンドル宮殿で顔を見た事がある巨躯の美人女性である。名前は確かケイシータチバックさんだったかな?

「軍監さま、軍監さまはおられますか、ようじょ軍師さまがお呼びです!!」
「わかったすぐ行く!」

 兵士の叫び声に答えた後、向き直った俺は、

「全裸卿、今外の状況を確認するためにじいが確認に向かっているわ」
「了解だぜ。この村ででもっとも安全な場所へ、総指揮官さまをお連れしてくれるか
「わかったわ、それならこの領主館よりも村の倉庫の方が安全だと思う」
「石塔は駄目か? 倉庫だと最終防衛戦より敵に近いんじゃないか」
「それはらめよ、だってあそこは一番に狙われそうじゃない。まさか総指揮官が倉庫に隠れているとは思わないはずよ」
「そうかわかった、なら倉庫だ。ケイシーさんは側にいてマリアちゃんをお守りしろ」
「イエス・マイ・ヌード!」

 互いに顔を見合わせて確認したところで俺は外に向かおうとしたのだが、無口な巨人メイドさんのお返事から、何かおかしな違和感があって聞き返してしまった。

「は、何? 今何と言った?!」
「軍監さまお急ぎください!!!」

 そしてそれでころではないらしく、兵士が大声で俺を呼んでいるではないか。
 言葉を訂正させる機会を奪われてしまった。
 一瞬だけ名残惜し気に振り返ると、とりあえずケイシータチバックは手に持っていた空の鍋を不格好でもいいからとマリアちゃんの頭に被せている姿が見えた。
 さようなら御台さま、無事でいてください……

     ◆

「ッヨイさま、敵の攻勢はどうなっていますか?!」
「ナワメの森の一番飛び出した場所から、弓と魔法による制圧射撃が繰り返されているのです! その援護を受けながら兵士のひとが防御陣地に組み付いているょ!!」

 どうやら敵は魔法攻撃と弓によるやたらめった射ちの制圧射撃の中を潜り抜けて、防御陣地のもっとも守備の弱い「スキ」の部分から侵入を開始している様子だった。
 俺がョイさまと揃って頭をかがめながら、陣地の木盾から顔を出して観察した限りでは、狙いはともかく適当でいいので、統制射撃を行っている弓の攻撃がここから見て取れる事が出来た。

「敵の魔法使いの数は? かなり大規模な爆発が確認されましたけど、あれはマドゥーシャの使う大火力魔法並にヤバイ。こんな遣い手がこのファンタジー世界にはゴロゴロいるんですかねぇ?!」
「そんなはずはないのです。魔法使いはただでさえ数が少ないのです。あれは魔法じゃなくて、魔法と何かの爆発を……! 両方上手く使った合わせ技なのです!!」

 会話の途中でヒュンと飛んできた弓を見た俺は、あわててようじょを抱きしめながら引き倒した。
 なおもその状態でようじょは会話を続けると、頭上を走り抜けて三重目にある馬防柵に刺さったそれを引っこ抜こうとした。
 ようじょゴブリンの体力でそれを抜く事は出来ない、あわてて暗がりの中、俺が代わってそれを引っこ抜く。
 矢の先端に小袋が縫い付けられていて、中を引き千切ると何かの粉末が撒き散らされたのである。

「硫黄だコレ?!」
「そうなのです、だから大火力魔法並に激しい爆発が連発しているのです!」
「つまり魔法使いの数はいてふたり、場合によってはファイアボールだけ使える人間が敵の側にいるという事ですかッ」
「そういう事になると思います!」

 ようじょは立ち上がると、右手をかざしながら魔導書を片手にファイアボールを射出した。
 すぐにもあわてて頭を下げると、こちらを見上げてくる。

「外縁を警備していた歩哨のみなさんは、暗闇に紛れて殺されてしまったのです。ブルカの夜襲部隊はほとんど歩兵のひとです! 馬防柵を見て陣地突破は不可能だと踏んだ様なのです!」
「そこを付いて少人数が襲撃を駆けたところで、あの制圧射撃ですか」
「とにかく、敵を内側の陣地まで引き付けるまでは、ここでふんばるしかないのです! フィジカル・マジカル・どっかーん!」

 また立ち上がったようじょが、ファイアボールを発火点と思われる場所に向かってぶち込んでいせる。
 バジリスク戦や触滅隊掃討戦で見せた時の様な力押しの連撃というわけではない。どちらかというとオーガ戦をした時の様に大人数の相手と戦うために、射出する魔法は出来るだけ緩急を付けて使い分けをし、魔力の温存を図っている様子が見て取れる。
 俺もその辺の味方兵士の死体から拝借した短弓を取って、暗闇の中に向かって射ち掛けてみるけれど、ほどんど命中は期待できなかっただろう。

「くそう、敵が第二陣地まで侵入したぞ! 後退だ、後退しろ!」
「村人たちを石塔と教会堂に誘導しろ、民を傷付けてはけてはならないわよっ」
「お嬢さま、わたくしめがお守りします!」

 撃剣の響きに混じって盟主連合軍兵士の、そしてオホオ主従の声も聞こえてくる。

「ドワーフ隊前へ、敵を第三陣地で押しとどめるぞよ!!」
「総員抜剣、盾兵前へ! 槍は近接手戦闘では不利だ。接争用意ッ」

 ドワーフ隊が最終防衛戦を創ろうとしているらしい。
 悲壮感の漂う声を聴きながら、俺は改めてようじょを見やった。

「ッヨイさまはここから援護してください!」
「どれぇはどうするのですか?」
「いくらこのまま敵を中に引き入れて、友軍とサンドイッチ作戦をするったって、総崩れになったら問題だ。前線に出ます!」

 ドワーフ隊は隣国の岩窟都市からやってきた援軍だ。自分たち辺境の盟主連合軍が前に出て戦わない様では、恥ずかしすぎるぜ。
 俺は短弓をその辺に放り出すと、自分の長剣ではなくて死体から剣を拝借した。
 このファンタジー世界の刃広の剣は耐久力に優れているとはいっても、出来るだけ長く持たせる必要があるし、折れる可能性もある。
 可能なら保させておきたいと考えるのが人情だ。

「すまんな兄さん。俺があんたの分も敵を倒すよ」
「どれぇ、ぶうんちょうきゅうを!」
「ッヨイさまもどうかご無事で!」

 またどこからかドカンと魔法がぶち込まれた瞬間に、敵の第二列が盾を前面に押し立てて駆け込んでくる姿が見えた。
 わずかの間ようじょを見やるとと、フリフリのワンピースのお股に世界地図があるのを見てしまった。
 ようじょも怖いのだ。
 俺だって当然怖いけれども、そこは大人としてそんな素振りを見せるべきではない。
 少々荒々しく頭をなでて差し上げたところで、腰を低くしながら前線に向かって俺は飛び出していった。

「やあやあ! 全裸を貴ぶ部族の戦士とは俺の事だ。吉田修太、推参!!」

 何を言っているのかわからないが俺もわからない。
 理解不能な大声を張り裂けんばかりの勢いで叫びながら柵を右に左に避け、稲妻の様に駆け抜ける。
 叫ぶ事で注意を自分に引き付ける事が出来ればそれでいい。
 そう思ったのだが、すぐにも俺は後悔した。

「全裸を貴ぶ部族だと?! 敵の全裸将軍が出たぞ、あれはサルワタの売女の片腕と聞く、誰ぞ討ち取れ!」
「全裸将軍だ、全裸将軍を討ち取った者は勲功第一に違いない!」
「辺境不敗の聖使徒だそうだが、まがい物に違いない。首を落とせば守護聖人じゃなかった事を証明できるぜ!!」

 怒声があちこち森の闇から聞こえてくるではないか。

「ヒイイイ、全員こっちに向かってくるんですけど?!」

 あえて作ったスキに敵が集中し過ぎない様にと思ったのだが、あべこべに別の場所から飛び出した俺に集中だ。
 だがもう来たものはしょうがないので、覚悟を決めて自分の愛剣も引き抜くことにした。
 久々の二刀流で行く事になるが、格好よく構えを決めようとしたところに敵の弓矢が統制射撃で飛んでくる。

 まさか三国志の漫画に出てくる武将じゃないんだから!
 剣をひと振り矢をはたき落し、その足で突撃して相手をバッタバッタと斬り伏せるなんて出来ない。
 命の危険を感じながら前転受け身を取りつつバラついて飛んできた矢をやり過ごした。
 一本はどこか背中を掠った感触があったけれど、大丈夫だアドレナリンは俺に痛みを教えてくれない。

「奴隷如きが全裸聖使徒など名乗って恥ずかしくないのか! 殺してやるっ」
「冗談じゃねえ、俺は服を着ているぞ」

 防御柵に取りついていた兵士たちが、歩兵槍を俺めがけて押し込んで来た。
 馬鹿め、こんな遮蔽物がいくらもある場所で槍を振るとは愚か者だ。
 飛び出した敵を剣のひと振りで斬り落としたところ、別のひとりふたりが槍を突き出して来た。
 穂を跳ね上げて、もう片方の剣で斬り伏せる。
 片手で長剣を扱うのでは無駄に重く感じてしまうはずなのに、思ったよりも体はしっかりと剣の振り抜きをしっかり支えてくれた。
 しかし別の剣を持った甲冑男が飛び出して来て、俺の斬撃をあべこべに弾き飛ばしてしまったではないか。

「大多数でかかれば全裸将軍と言えども倒せぬ相手ではない! 無敵の男など存在しないのグハァ!」

 叫びきらないうちに目の前の甲冑男の体に焦げ目がついた。
 どうやらようじょが背後からの援護射撃をしてくれた様である。
 そのスキに飛ばされてしまった右手の剣は諦めて、両手持ちに構えつつ他の兵士を斬り伏せる。
 頭上で山をきって剣を構えなおそうとしたところで、おコゲの甲冑男が死力の体当たりをかまして来たではないか。
 俺のもう一本の剣も宙を舞い、俺も押し倒される格好になりかけた。

「まだまだぁ!」

 ここで負けたら死を意味する。倒された勢いで巴投げの失敗した様な形になりながらも男を投げ飛ばす。
 すぐさま短剣を引き抜いて甲冑マンの首に刺し込んだ。
 さようなら、お前の形見に剣をもらっていくからね。
 しかし甲冑男の鎧に俺の服が引っかかってしまったのか、投げ飛ばした時には上衣が引きちぎられて半裸になってしまったのだ。
 このままじゃいけない、文字通り全裸を貴ぶ男になってしまいますっ。
 それはいけない。

「全裸を囲め! 総員槍突撃!!」
「うるせぇ、まだ半裸だぞっ」

 立ち上がった時には、森の中から第三列が槍を突き立てて駆け出してくる姿が見えた。
 お前たちは軍隊蟻かよ!
 どうしてそうもわらわらとこちらに駆けつけてくるんだよ。敵は他にもいっぱいいるだろ!?

 不満をデカい声で叫びたい気分になったけれど、そんな体力の無駄な事はしない。
 俺はあわてて背中を見せると逃げ出した。
 前面に槍を突き立てて俺を追いかけてくる敵を、時折振り返りながら確認する。

「くそ、まともな武器が欲しい」

 無人になったすぐ近くの開拓村特有の拝み小屋に眼を付ける。
 庭先に、シーツか何かが取り込まれるのも忘れてなびいているのを目撃すると、俺は気が付いた。
 物干し竿をだ。
 物干し竿を天秤棒代わりに使うんだ。
 俺はシーツを引きはがすと、十尺以上の長さ(たぶん三メートルを軽く超える)があるそれを手に取って、背後から襲ってくる槍歩兵の方向に振り回した。

「おら喰らえよ」
「ギャー!」

 ブンという大きく風を叩く音がしたと思うと、ただの一撃で四、五人をなぎ倒す事が出来た。
 強いぜ長物。やっぱり武器はこうじゃなくちゃな!
 そのまま迫る敵をぐいんぐいんと物干し竿を振り回すだけで、敵はあわてて距離を取ろうとしてきた。
 むかしモノの本で読んだところでは、戦国時代の足軽槍はひたすら伸びる方向に進化したと言う。
 最終的には一〇メートルにも伸びた意味不明な歩兵突撃用の槍まであったそうだが、してみるとこのファンタジー世界の槍は短い。
 機動力を重視して、敵の魔法攻撃を回避する必要があるから、歩兵の密集戦闘は不向きなところがあるのだ。

「どうした怖気付いたのか、ええ?」

 だから面白い様に相手の槍兵を相手に暴れ回ってやった。
 飛び出した敵は足をかけて引き倒し、逃げるヤツには上からたたきつけて頭蓋を木っ端みじんだ。
 横に振るだけでも相手を引き付けない事が出来るし、接近を許してしまった時には柄を短く持って振り回してやった。

「弓だ、弓を使え!」
「弓隊は敵守勢の正面を制圧するために振り向けられています」
「では魔法使いどのを呼んでくるのだ!!」

 あわてた敵を見ていると、もしかして俺は強かったりするのだろうか?
 人生で生まれてはじめて万能感を手に入れた様に、肌がピリピリと打ち震えた。
 大混乱の敵の中にふたたび物干し竿を持って飛び込んだ瞬間に、ついに敵は相打ち覚悟を決めて密集した槍衾を作り上げていくではないか。
 この世界では魔法を警戒して、普通は珍しい陣形だ。
 おれを、俺のために敵はわざわざやるのだ。

「どれぇ!
「ッヨイさま。出て来ては危ないですよ?!」
「伏せてください。あの敵はあぶないです、大魔法を使うなら今なのです。今夜一番のマジカルいきます!」

「フィジカル・マジカル・ナイトフィーバー!!!!」

 ようじょは右手を天にかざして見せると、カッと夜空に稲妻が駆け抜けた。
 そのまま目の前に隊列を組んで前進しようとしていた夜襲部隊の歩兵めがけてサンダーボルトがドッカーンである。

「うぎゃああ!」
「撤退、一時撤退だ!!」

 アッハッハ。
 年端も行かないようじょと全裸の男に負けて、お前たちは恥ずかしくないのか!
 俺は恥ずかしい。全裸だからな……
 気が付けばズボンはずり落ちていた。パンツ丸出しではないですかヤダー。
 あわててズボンの裾を掴んだものの、残念ながら上等な生地を使ったズボンはただのボロ布になり果てていたのだ。

「どれぇ。そのズボンはお股から下がなくなっているのです……」
「そうですねえ。これじゃただの腰巻き以下ですよ」

 腰巻にしたらちょっと丈が足らないかな。
 だがまだ俺は全裸じゃない。ヒモパンがあるからまだ全裸じゃない!
 と思って息子をいじったところ、彼はいつの間にか解放されていた。

「やはり全裸になるとどれぇは強いのです」
「…………」

   ◆

 攻守入り乱れた戦いは混戦を極めていた。
 ブルカ同盟軍の夜襲部隊は、どうやら一部にブルカ領軍の援軍が混じっていることが確認できたのだが、彼らは攻勢前衛に黄色いマントを靡かせながら、ドワーフ隊の最前列と殴り合いかというほどの近接戦闘を仕掛けていた。
 そしてものの数にも役立たなかったリンドル隊の兵士のみなさんは、何とか村人のうちこの集落に住まうひとびとを教会堂や石塔の中に招き入れて、少しでも被害を減らそうと避難誘導にあたっていたらしい。
 それでも戦士としての自覚がある一部のリンドル隊は、戦争経験の無い武官たちに率いられながら玉砕するつもりで斬り込みを実施して、文字通り散っていった。

「ッヨイさま。敵の主攻勢にあたっている場所でドワーフ隊が苦戦しています。あそこを抜かれると教会堂までの広場に敵が全部流れ込んできます」

 その時である。

「逆賊の総指揮官を捕縛したぞ! このままの勢いで防御陣地ごと揉み潰してしまえッ」
「後方より敵の新手があらわれました、森の中から騎兵の集団が突撃をかけてきています!」

 ほとんど同時に敵の勢力からそんな声が重なった。
 ひとつはマリアツンデレジアが敵の手に落ちたと言うもの。
 そしてもうひとつは、どうやら深く俺たちの守るオホオの陣地に入り込んだ事を見届けて、男色戦隊が敵のケツ目がけて突貫をしてきたという事だった。


イエス・マイ・ヌード!
+注意+
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