挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界に転生したら村八分にされた 作者:狐谷まどか

第5章 俺たちは辺境諸侯を歴訪します

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

152/564

126 俺は無事に無罪放免となりました


 むくっ、起きました!

 山すそにある交易中継の街というだけあって夏と言えど冷え込むものだから、俺とニシカさんは毛布の中で図らずとも抱き合いながら寝ていたわけだけれども。
 ニシカさんは相変わらずこういう事には平気なタチらしい。
 彼女が性的意識を発露するのは、基本的に俺がジロジロと見たり体の一部を元気にした時だけである。
 だから目覚めた時に朝の生理現象で息子がご盛んになっているのに気が付いたら、ニシカさんが目覚める前に必死で心を落ち着かせようと焦ったぜ。

 そうこうしているうちに陽の光が板窓から差し込んでくる。
 俺たちは簡単な調書の作成に協力した後、無事に無罪放免となって牢屋を追い出された。
 いや、追い出されたというのには語弊があった。
 ニシカさん曰く「オレたちゃお貴族さまか?」と呆れかえる様なお見送りである。
 牢屋にやってきた妖精剣士隊の褐色の騎士さまが、わざわざ教会堂から取り寄せたのであろう俺の服を運んできてくれて、着替えて事務所にやってくれば、妖精剣士のみなさまがずらっと整列していたのだからな。

「サルワタ領大使閣下におかれましては、ご機嫌うるわしゅう」

 待ち構えていた妖精剣士隊の隊長さまが、俺たちを見るや否や背筋をピンと伸ばしてそう言った。

「ご機嫌うるわしいわきゃねえだろ、オレたちゃ牢屋にぶち込まれてたんだぞ!」
「大変失礼な事をしてしまい、申し訳ございませんっ」
「申し訳ないで済んだら王様はいらねぇんだよ。ぶち殺してやろうか手前ぇ」

 まあまあニシカさん、と怒り狂う黄色い蛮族をなだめすかして、昨夜何があったかを軽くお話ししたところで俺たちは解放されたわけである。
 聞けばすでにスリの男があらましは自白した後らしく、パンストライク本人は否認をしているものの部下たちはあっさりと白状していたらしい。
 改めて俺が現場でまき散らした遺留品(服の残骸を含む)とニシカさんの所持品を返してもらうと、俺はここからオサラバする事になった。

 妖精剣士隊の施設の前にはオープンカータイプの馬車まで用意されていて、さすがのニシカさんも口をあんぐりさせていた。

「シューターさん、お勤めご苦労さまでした」
「え、あ、うん。お疲れさん」

 表には清楚な簡易ドレス姿のカサンドラを筆頭に、雁木マリとようじょにけもみみ、カラメルネーゼさんたちが待機しているではないか。お見送りとばかりずらり整列した妖精剣士隊の姿まである。

「まったく。あたしたちが眼を放したスキに、あなたは何をやっているのよ」
「じょ、情報収集かな?」
「体中包帯だらけじゃない。ちゃんと手当はしてもらってるの?」
「ここのキノコ頭の兵隊さんがやってくれたけど……」
「化膿したらたいへんなので、あいぼーに後で診てもらった方がいいのです」
「そうね、宿泊所にもどったらしっかり消毒とポーションをキめましょう」

 不機嫌そうな顔をしながらも、近づいて俺の体をぺたぺたとさわるようじょの言葉に返事をした。
 その隣にやってきたカサンドラが、無言で微笑を浮かべながら紫色の外套みたいなのををかけてくれた。
 こんなものは我が家にはないはずだが、どこで調達してくれたのだろうか?

 何だか色々と迷惑をかけたので、奥さんや婚約者のひとにはたいへん申し訳ない気分である、そういう申し訳ない事実がそうさせているのか、カサンドラはとても嫌そうな顔をして俺の顔を睨み付けていた。
 な、何だ。やっぱり俺が牢屋にぶち込まれたことが気に入らないのかな?
 勝手に暴力沙汰を起こしてスイマセン。
 するとニッコリ笑ったカサンドラが、俺にこう言い放つ。

「ゆうべはお楽しみだったようですね?」
「え? えっと……」

 口元は笑っているのに眼はまるで笑っていない。
 何ということでしょう。
 俺が戸惑って奥さんたちを見回していると、サッとけもみみが視線を外した。
 間違いない。これはエルパコが面会の後も妖精剣士隊の事務所を離れず、たぶんだが牢屋のすぐ近くで俺たちの事を監視していたのだろう。ニシカさんは酒が入っていた上に暴れて酔いが回っていたのか、その事にまるで気付かなかったと見える。
 もしかすると、面会の前から密かに牢屋の板窓のすぐ近くで俺たちの事を見張っていたのかもしれんね。

「はっ話したのか」
「ぼくは見てないよ……」

 見ていたんじゃない、聞いていたんだ。違う、聞いてしまったという事だな。
 けもみみを責めてもしょうがないし自業自得なので頭をなでてやると、しゅんとしたけもみみがぴこぴこと動いた。

「婿殿、あまり羽目を外していると痛い目にあいますわよ?」
「本当よ。ただでさえ運がない男だというのに、あたしたちまでそれに巻き込まないでちょうだいよ」
「まあ殿方ですから、英雄色を好むとも言いますわよね」
「?」

 カラメルネーゼさんが氷の微笑を浮かべて意味深な事を言った。するとそれに被せる様に雁木マリも口添えするけれども、どうやら会話がかみ合っていない。ようじょに至っては小首をかしげるばかりである。
 たぶんカラメルネーゼさんは昨夜の事を知っていて、雁木マリの方はその事を知らないのだろう。
 だからふたりの会話は微妙にずれていたのだけれども、そんなふたりをいつまでも観察している場合ではない。

「ンだよお前ぇたち怖い顔をして」
「わたくしたちはニシカさんの貞操を心配していたのですわ」
「貞操だと? オレがどうして貞操を気にしなくちゃいけねえんだ」
「それはニシカさんが、殿方とふたりきりで一夜をお過ごしになったからですわ。何か間違いがあってはいけないでしょう」
「殿方って全裸を貴ぶ戦士の事か? ばっか考えすぎだよ、こいつ嫁さん何人もいるだろ」

 よくわかっていないニシカさんは笑って考えすぎだと口にした。
 それを見たカサンドラが「酔っていたのですね?」と言って、エルパコが「うん」と答えているのが視界の端に映りこんでいた。
 ニシカさんはもともと細かい事は気にしない性格だが、呑んで暴れて牢屋にぶち込まれた後の事はあまり覚えてはいなかったらしい。
 股間を一撃された事もすっかり忘れて、ひとりだけスッキリした顔をしているのがいただけない。
 俺はスッキリしたくてもモッコリして一夜を過ごしたというのに……

 カサンドラはもういち度俺の方を向き直ると、オープン馬車を指示してニッコリした。

「そういうわけですからシューターさん。お疲れのところを申し訳ないのですが、セレスタご領主さまのところにこれから向かいます」
「領主さまがお待ちなのか」
「はい。お待ちしていますので、さっそくいきましょう。今回の件では旦那さまに謝罪をしたいと」

 どういうわけかわからないけれど、ここで逆らったら行いけない気が俺はした。
 俺は愛妻家で世間さまに通っている男だ、妻の命令は大人しく聞いておくことにする。

「わかった。結局俺が大使だってバレちゃったのかな?」
「はい。でもご領主さまのオコネイル男爵さまは、たいへん恐縮されてしまいました」
「かえって迷惑をかけてしまったかな」

 まあでも、ぶん殴られたぶんおあいこかな?
 そんな事を考えていると、向かい合ったオープン馬車の後席に俺とカサンドラ、その向こうにようじょが腰を落ち着け、前席に雁木マリとニシカさん、エルパコが座る。
 ニシカさんは興味深そうにピンク色のオープン馬車をしげしげと見やっていたけれど、馬車が動き出すとすぐにも青白い顔をした。きっと昨夜の酒がまだ消化しきれていないのだろう。
 カラメルネーゼさんが騎乗して馬車に並走する姿を見やりながら、おれは正妻に質問した。

「怒ってる?」
「何でそう思うんです? 怒ってるように見えますか?」

 質問に質問で返してきたカサンドラはとても嫌そうな顔をした。

「うんそう見える」
「はい、わたし怒っています」

 大体において、とても嫌そうな顔をしている時のカサンドラは、拗ねているか妬いているかのどちらかである。
 近頃はますます正妻然として家中の差配に気を使っているカサンドラは、俺が愚考するところによると自分の見えない場所で俺が何か秘め事めいた状況になるのをひどく危惧していた。
 それがちゃんと相談したり、話し合っていた時にはあまり嫌そうな顔をしないのである。
 してみると、正妻の知らないところでニシカさんと全裸で抱き合っていたことが嫌だったのかもしれないね。
 エルパコが何を報告したかは知れないが、間違いはなかったのだ。ちょっとエッチなイベントがあっただけなのだ。
 カサンドラの表情を見やりながら言い訳をするのは見苦しい様な気がしていると、ようやく正妻は上目遣いで俺の事を許した様に口を開いた。

「わたしは旦那さまのなさる事にお口出しをするつもりはありません。シューターさんはお優しい方ですから、ニシカさんも何れは奥さんになる日も来るでしょう」
「ンなわきゃねえッ。ばっかお前ぇカサンドラ、何を言い出すんだよ! オレがシューターとなんてそんなのありえねえ。うっぷ気分悪ぃ……」

 え、そうなの?
 正妻カサンドラの中ではニシカさんが俺の奥さんになる未来を想像しているらしい……
 ニシカさんは奥さん筆頭の言葉に目を白黒させた後、あわてて「ガンギマリー水をおくれよ」と助けを求めていた。

「けれども、わたしが怒っているのはそういう事じゃないんですよ。こんなに傷だらけになって、また危ない事をなさって……」

 上目遣いのままカサンドラは頬を膨らませてとても嫌そうな顔をした。
 俺の奥さん筆頭は俺の事を心配してくれているのだ。それが証拠に

「もうシューターさんは、旦那さまおひとりの体じゃないという事をしっかりご理解ください。村長さまもおられますし、ガンギマリーさんはまだご婚約なさったばかっかりなのですよ。ご結婚されて初めての夜も迎えないうちに、聖少女さまを後家になさるおつもりなのですか?」
「そうなのですどれぇ」
「スイマセン……」

 女たちの視線に責められて、俺は言葉を無くしてしまった。
 いや、最初は五人ぐらい何とかなるかなと思っていたのは事実だ。それが気が付けば十人になっていたものだから苦戦しちゃったんだよね……

「これからは、ちゃんとご自身の安全の事も考えてご自重くださいね」
「ハイ」

 俺がうな垂れると、すっと身を寄せながら「エルパコちゃんも不安なのです」と手を当てながら耳打ちしてきた。
 そうしながらチラリと向かい合ったけもみみに視線を送っている。

「エルパコちゃんは旦那さまと結婚したばかりですし、彼女もまだ初めての夜をお迎えしていないのですから。とても不安なのです」
「た、確かにそうだ……」
「昨夜はエルパコちゃんにその心づもりでいる様に身支度もしっかりさせたのですけれども、こういう事になってあの子も切ないのですよ」

 なるほど、いかにも女の子然とした格好で情報収集に現れたエルパコだが、確かにカサンドラが服を用意してくれたのだと言っていた。
 カサンドラはその辺りの事まで配慮して、色々とやってくれていたのか……
 もうカサンドラには何と言って感謝をしていいのかわからない。俺は心の中で正妻に感謝の言葉を口にした。
 ありがとうございます、ありがとうございます。
 いや駄目だ。ちゃんとこういう事は口にしなくちゃな。

「わかった、心にしっかりと留め置いておく。それから、」
「はい?」
「いつもありがとうございます」

 肩を引き寄せてカサンドラに小さくお礼を言うと、はにかんだ彼女が「はい」と返事をした。
 そして、小さな街の中を走っていたオープン馬車はほどなくしてピンクに塗装されたレンガの領主館に到着したのである。

     ◆

 緊張した顔の俺の前に姿を現したのは、スキンヘッドの褐色男だった。
 黒人か? と一瞬だけ驚いた俺だけれど、よく見ればニシカさんと同じ様に長耳をしている。
 してみると彼は長耳の部族なのだろう。彼と彼の部下の多くは褐色エルフとでも言うべき存在かな?
 エルフと言えばこれまでニシカさんの様な黄色い長耳が身近な存在だったが、ダークエルフもこのファンタジー世界にはいるらしい。

「アナタがシューター卿かしらぁ?」
「そっそうです……」
「そうなのね! この度はサルワタの守護聖人にして大使閣下に、アタシの部下が大変なご無礼を働いたことを深くお詫びもうしあげるわぁ」

 片膝を付いて高貴な身の上に対する礼儀の様なものをするセレスタの領主さまである。
 コバルトブルーのアイシャドウにつけまつ毛でも着けている様なぱっちりとした眼で謝罪されると、ちょっと怖い。
 しかもちょっとオネエっぽい口調のご領主さまに俺は圧倒された。
 困惑した表情でカサンドラと雁木マリを交互に見やっていると、口々に助け舟を出して耳打ちくれた。

「紹介するわ、セレスタ男爵のオコネイル卿よ。ドロシア卿やそちらのカラメルネーゼ卿とは、貴族軍人時代の同期だったそうね」
「オコネイルさまは二年前にセレスタの領地にご着任されたそうです。たいへんオシャレに気を使っておられる方で、この外套もオコネイルさまがご用意してくださったのですよ」

 雁木マリに続いてカサンドラが教えてくれる。なるほど見慣れない外套だと思ったら、このオネエ言葉男爵の趣味だったのか。
 俺はふたりにうなずき返すと、セレスタの領主の前に近づいて手を取った。
 男爵さまに手をつかれてしまうなんて、逆に俺が恐縮してペコペコしてしまうぜ。

「顔を上げてください。俺なんて村の下男から今の立場まで成り上がったような奴隷上がりの男ですから、気を遣って頂かなくても結構ですよ」
「あら、さすがドロシアちゃんが惚れる様な相手だから、気持ちのいい男っぷりねぇ。アタシ惚れちゃったらどうしましょ!」

 あんたは気持ちの悪い男だ。
 俺はこのお貴族さまを以後、男色男爵と呼ぶ事にした。
 男色男爵は俺の手を取って立ち上がると、改めて親愛の情を示してくれた。ハグである。

「昨日の夜、アタシの部下が街でパンストライクの一味が乱闘騒ぎを起こしているから直轄の剣士隊を送り出すと言ってきたのよぉ。まさか大使閣下のシューター卿がお忍びで歓楽街を視察しているなんてしらなかったから。てっきり内部抗争でもおっぱじめたのかと思ったの。許してちょうだいなぁ」
「こちらこそ配慮が足りず申し訳ございません」
「嬉しい言葉! でもそれじゃあアタシの気持ちが収まらないわぁ。現場の指揮をしていた部下はここに引き立てて来たから、煮るなり焼くなり好きにしてちょうだい!!」

 抱きしめる力を緩めると、男色男爵は身を翻して部下に命じた。

「アンタたち、ベローチュを呼んで来てちょうだい!」
「かしこまりました」

 アフロヘアの褐色エルフは、男色男爵の命令で走り出すと応接室の外で待機していたらしいその部下とやらを引き立てて来た。
 果たしてその部下というのは、す巻きにされた褐色エルフのお姉さんだった。
 何というのだろう、男装の麗人と言えばいいのだろうか。女ばかりの劇団で男役が務まる様なアッシュグレーのベリーショートである。
 武骨な女冒険者エレクトラに比べれば、優雅でエレガントなベローチュさんである。
 現場ではこんなエルフのお姉さんは見た覚えがないけれど、きっと褐色だから暗闇に溶け込んでいたんだろう。
 モノの本によれば映画や時代劇で忍者は真っ黒の忍び装束を着ているものだが、実際の彼らは灰色や小豆色の忍び装束だったのだと読んだ記憶がある。
 してみると、この褐色エルフのお姉さんはちょうどいい頃合いの褐色具合である。
 ベローチュは腕が不自由なままで膝を折ると、必死で俺に土下座した。

「さ、サルワタ大使閣下シューター卿におかれましては、自分の不手際で大変なご不興を買われました事、この通り深くお詫び申し上げます! この上は自分の命に代えましても、お詫びいたします所存でございます! 愛人でも奴隷でも何でもしますから……!」

 いや。あんたかあんたの部下には確かに殴られて気絶させられたけれど。そこまでやらなくていいからね……

「この女は自らの意志で、アタシにシューター卿へその身をもってお詫びをさせてほしいと言ってきたわぁ。本人も、愛人でも奴隷でも命じられればその通りにしたいと言っているの。どうかしら、ここはひとつアタシの顔に免じてこの女の命だけは助けてやってくれないかしらぁ?」
「高貴な身の上のシューター卿を殴り飛ばした罪、万死に値します。これはすべて自分の責任ですので、どうぞ部下の事はお許しください!」

 いやいやいや。
 男色男爵も恐縮した顔で頭を一緒に垂れているけれど、恐縮しているのは俺たちサルワタ外交団も一緒である。というか恐縮を通り越してドン引きだ。
 カサンドラも当惑した顔で「シューターさん」とつぶやいているし、雁木マリも「どうするのよこれ」とか非難めいたことを言っている。
 ニシカさんだけが後ろでニヤニヤしているらしく「シューターよぉ。奴隷にするぐらいならこいつオレの部下にくれよ」とか空気を読めない発言をしているじゃないか。
 話がややこしくなるからあんたは黙ってなさい!

「どれぇ、こういう場合はしっかりと先方の謝罪を受け入れておくのがマナーなのです。このおんなのひとを奴隷としてもらいましょう」

 え、もらっちゃうの? と俺は困惑して褐色エルフのお姉さんを見たら、お姉さんはコクリとうなずいた。
 マジかよ。元奴隷が、奴隷とかもらっちゃうのかよ!

「そうね。仮にも大使閣下たるシューターを入獄させた罪は確かに重いわ。本来ならばそっ首斬り落としてもいいぐらいだけれども、責任の所在はしっかりしておくべきね」
「なあシューター、オレの部下にくれよ。こいつオレの顔をぶん殴ったんだからな」

 恐ろしい事をしれっと口にする雁木マリに比べたらニシカさんの提案は優しいものだ。

「いくらなんでも首チョンパなんてしないよッ」
「それを決めるのはシューターだから。奴隷堕ちでいいなら彼女にとっても安いものよ」
「婿殿、わたくしの実家は奴隷商でございますわ。必要な手続きと書類一式はいつでも持ち歩いておりましてよ?」
「……シューターさん、どうするのですか?」

 当惑するカサンドラはともかく、婚約者やようじょや蛸足姫がノリノリなので助けを求めてけもみみを見たら、何それ美味しいの? という顔でぼけーっと口を開けていた。

「と、とにかくその件は保留にして。そうだ聞きたい事が色々あったんですよ、この先の街道で出没する盗賊団の話! この先の情報を色々とお聞かせくださいっ」

 俺はあわてて唾を飛ばしながら、しどろもどろに話を切り出した。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ