第7話・デスゲーム
〜〜有之視点〜〜
「はぁはぁはぁ…」
「……………」
「おっそいぞぉ〜。」
「はぁはぁ、ごめん」
5分オーバーしてしまった。まぁかなり急いだから5分だけで済んだんだけど、急いでなかったらきっと………考えるだけでも鳥肌が立ってくる
「お、手何か繋いじゃって、見せつけてくれるな」
「いや、これは」
「これは何?」
「これは…まぁいいじゃん。帰ろ。」
「怪しい。ま、いいか」
一々説明が面倒い…。
「ねぇあれ何?」
「あー占い屋じゃね?」
占い屋か、来た時あんなんあったかな?
「お金とか取るのかな」
「さあ。聞いてこよっか」
そう言ってライトは占い屋に近付いていった。
「占いかぁ…」
俺は普段占いには全く興味ないけど、この世界の占いはどう言う物なのかちょっと気になった。
「おーいただだってさぁ」
ライトが占い屋の目の前からこっちに向って大声で話してきた
「ただだって、行こチェシャ」
「……………。」
相変らずだんまりだな。まぁ強制的に連れてくけど。
「いらっしゃい」
「この人が占い師だよ」
ライトがそう言って指差した相手は真っ黒のフードに身を包んだ人だった。
「誰を占いましょうか」
「俺を占って下さい。」
「貴方ですね。わかりました。そちらに座って下さい。」
俺は言われるがままに占い師と向き合って座る。
「では占いを始めます」
そう言って占い師は水晶に手を翳したりしだした。
「…貴方がアリス。おかえりなさい。」
いや違うんですけど…
「まず、貴方は女王に狙われてますね。これまでに2度貴方の部分を取りに来てます。」
2度?今日で初めてじゃなかったんだ。
でも1度目は誰が助けてくれたんだ…。
「………そうですか。」
何が!?
「右目、使い道を謝らないで下さい。」
「!?何で右目の事知って」
「あと過去の記憶についてですが、記憶喪失見たいですね」
「はい。自分の名前しかわかりませんでした。」
「…貴方はアリスで間違いありません。記憶を取り戻すには…女王を倒しシロウサギを追いなさい。」
「シロウサギ?」
「…シロウサギの持っている金色の懐中時計を手にしなさい。失われた時間が戻ってきます。」
失われた時間?
「それとチェシャ猫。
貴方の記憶は女王が握ってます。」
「……………。」
「…私にはそれくらいしか言えません。」
占いじゃないじゃん!?
「最後にアリス、オズに会いなさい。オズは必ず貴方の力になります」
「やっと占いっぽい事言った」
「ふふっ。そうですね…でも今の貴方に必要なのは運を知る事じゃなくてこれから何をするかです。」
確かに…。この世界に来てもやる事ないし。
「じゃあありがとうございました」
「……………。」
「はい。頑張って下さい」
俺達は占い屋を出てライトの家へと足を進ませた。
「たっだいまぁ」
「おかえりライト、アリス、チェシャちゃん」
「お邪魔します。」
「ライトチーズ買って来てくれた?」
「おお。ほらよ」
ライトはそう言ってチーズを投げた。
【ぱし】
「ありがと。よし!!!じゃあ久し振りに作るかな。アリス楽しみにしててね」
何を?
マラさんはそう言ってフライパンのような物に油を少量しき、火を通した。
「アリス、チェシャちゃん出来るまでライトと遊んでて〜。」
「ん〜…何して遊ぼっかなぁ……。
よし!!とにかく森を散策するか」
「えー!!」
「よし行こう!!」
ライトに腕を捕まれ強制的に外に連れ出された。チェシャは俺の後ろをついてきた。
「よ〜し、ちょっと待ってろよ〜。
すぅぅぅぅぅ……」
ライトは深く息を吸い込み
【ピィィィィィ!!!】
森全体に響き渡る様な口笛を吹いた。と言ってもうるさい訳じゃなく透き通る様な綺麗な音だった。
【ドドドドドドドド】
暫くしてうるさい足音が何処からともなく聞こえて来た。
「何この足音みたいな音」
「足音だよアリス。」
「誰の?」
「もうすぐ来るよ。」
ライトが言うにはどうやら俺達の所に来るらしい。
「ほら来た」
【ザザっ!!!】
足音が一際大きくなったと思ったら急に消え代わりに草むらが揺れる音がした。
「やっと来たか」
「はぁはぁ…すいません遅れました」
「ったく」
草むらから姿を現したのは……熊!?
「紹介するよアリス。
こいつは熊。あのオオカミと同じ俺のペット。」
「へ、へー。」
「アリス!!!指一本だけでも」
「失礼だろ!!!」
「すいません」
どっかで見た構図だな………。真っ黒の熊は俺に指一本くれって言ってライトに怒られた。
「で、あいつは?」
「そういや…いませんね」
「あいつ?」
「あー…アリスあいつって言うのは」
【ガサガサ】
「すいません遅れまっ」
「遅い!!!!!」
【ドガァァァァ】
「ぎゃぶぅっ!!!」
また草むらから出て来た奴は……何か分からなかったけど、出て来た瞬間にライトに蹴られ飛んでった。(何か分からなかったのはライトが蹴ったせい)
「す、すいません……」
「ったく…まぁいいや。アリス、こいつは虎」
「へい、あっしは虎でやす」
虎は蹴られた腹を押さえつつ2足歩行で戻って来た。っていうか何故2足歩行が出来る!?
「へー、この子がアリス。まぁあっしは肉には興味がありやせんけどね」
良いのか肉食がそれで
「こいつら俺を食べようとして来た奴等なんだぜ。まぁある経緯で俺のペットになったんだが」
わかる…どう言う経緯でペットになったか何故か鮮明に想像出来る。
「あっしは肉なんて喰いませんよ〜。あっしが食べるのは骨です〜」
ここの虎は骨食べるのか?
「あーはいはい。どうでもいいわお前の事何て」
「で、何で俺達を呼んだんですか?」
熊が礼儀正しく聞いた。
「森の散歩に足が必要でな」
「「足?」」
熊と虎がハモる。
「要するに、俺達が疲れない為に乗り物になれ。」
「「え〜!!!!」」
「何か文句でも?」
「「ありません」」
即答かよ!!
「じゃああっしはアリスを」
「じゃあ俺はそこのコートの奴を」
そう言って虎と熊は俺とチェシャに背中に乗るよう首で促した。
「よろしく」
「……………」
俺は一言虎に言ってから背中に乗った。チェシャは無言で乗った。
「よーし、じゃあ探検へゴォーー!!!」
ライトの大きな声で熊と虎は歩きだした…。
「「「・・・・・」」」
何だろ…この木?
「ライト、これなに?」
「さあ?なんだこの木は下僕ども」
ライトが虎と熊に聞いた
「あ〜これは…何日か前に…なぁ。」
「なぁ。」
【げしっ!!】
「ナメてんのかこら!」
2匹で顔を見合わせてあいまいな事を言ってる虎達にちょっとキレて熊の顔を足踏みするライト。
「痛い痛いいたたたたっ!!熊の顔を足踏みするのやめて!!!」
【ぶるぶるっ】
あまりの痛さに叫んでる熊。その隣りでは震えてる虎がいる
「虎、早く話さないと…………」
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!!」
熊の顔をより一層強く、速く足踏みするライト
「あ、ああの木は三日前くらいに急に出て来たんです」
「へー、で?」
「森の動物達によると、ちっちゃい子供がそれを登っていったとか」
登ってった?この木を?この木頂上見えないぞ
「お前嘘つくなよ」
「ううう嘘じゃないですよ!!!あっしは嘘なんかつきません。」
「ふ〜ん…じゃあ…まぁとにかく登って見るか」
「え!?」
「アリス登りたくない?」
「うん」
「即答!?」
「チェシャも登りたくないよな」
「…うん」
「う〜ん…じゃあ登らない事にしよ。」
「「良かったぁ〜」」
虎と熊が安堵の声を漏らした。
「なんかウザいな虎と熊」
「「え!?」」
【ぴちちっ…】
「うわぁぁぁぁ!!!」
「旦那ぁぁぁ勘弁して下さい!!!!」
「うっせぇ!!!」
「「うわぁぁぁぁ」」
………賑やかだな…。
木陰に入りその木にもたれ掛かっている。隣りにはチェシャが相変らずの座り方で座っている。
あと何が賑やかって言うと俺の正面の方で必至に叫びながら逃げる虎と熊と般若の様な形相で追いかけるライトの事だ。さっきから3人?共あの頂上が見えない木の周りを回っているだけだ。
あ、何でこうなったかって?それは虎と熊がちょっとライトの事をバカにしたから。
「逃げるなテメェら!」
「ひいいいいい!!!」
「助けてぇぇぇぇ!!」
『いいぃやああああぁぁぁぁぁぁ!!!!』
「「「!?」」」
皆で和んで?いたらあのでかい木の上の方から凄い叫び声が聞こえた。ライトと虎と熊はびっくりしてその場に止まっている。
「チャアアアンス!!」
「「ぐげああああ!!」」
少したってからライトがそう叫びながら虎と熊に飛び蹴りをした。虎と熊は変な声をあげながら後ろの木に背中をぶつけた。
「気を取られてるからこうなるんだよバーカ」
あんたも取られてただろうが。
『助けてええええ!!』
また聞こえた…今度はさっきよりも大きな声で。
だんだん声の主が近くなって来てるのかな?
『やああああああ!!』
『待てえええええ!』
声が二つ聞こえる様になり俺達は頂上の見えないあの木を見上げた。何も見えない………
『嫌ああああああ!!』
『ごらああああああ』
……………あ。
何か凄いスピードで降りて来てる。え〜と…女の子と…………大男!?
【ずるっ】
『きゃああああああああああ!!!!!!』
女の子が足を滑らせて真っ逆様に落ちて来た。
「危ない!!!!」
「あっしにお任せを!」
そう言って虎が女の子の落下地点に入り落ちて来た女の子を受け止めた。
「……………あれ?私死んでない」
「……痛いいいいい!!!!!!旦那ぁ予想以上に痛いんですけど!!!!!」
「知るか。お前が任せろって言ったんだろが」
まぁそりゃ痛いよ。ていうか痛いじゃ済まないだろ普通。骨とかもうベッキベキに折れる筈だろ。
「に、鶏は!?」
鶏?女の子は上の大男より鶏の方を気にした。ていうか鶏と大男……それに頂上が見えないくらいの木…
「ジャックと豆の木?」
「へ?何で私の名前ジャックって知ってるんですか?」
やっぱり……。
「なぁそんなに落着いてて大丈夫なんか?
大男追って来てんぞ」
「あーそうだったああ!!!どうしよ殺されちゃう!!!」
「………よし、熊あの木を引き千切れ。」
「任せろ。」
引き千切れってあんた………何か怖いよ言い方。
【ギチギチ】
熊が自分の爪やら牙で木を引き千切っていく。
『やぁめろ!!!!』
大男がそれに気付いて降りる速さを一層速くした
「早くしろ熊」
「あわわ〜来ちゃう〜」
【ギチギチ】
「あとちょっと。」
「頑張って熊さん」
【ギチギチ…ズズゥン】
木が音をたてて倒れていく。
『うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
【ドズーン!!!!!】
木と一緒に倒れた大男、大きな砂塵が舞った。
「やったああ!!!
これでお母さんの病気が治る」
ジャックと豆の木って病気を治す為だったかな?
「改めてありがとう。
私はジャックと言います」
木を見ていた女の子は俺達の方を見て自己紹介をした。
女の子は緑色のセミロングで金色の目をしている。身長は俺と同じくらいだ。顔は可愛い方だと思う。
「俺はライト。この2匹は俺の下僕。でこっちの2人はアリスとチェシャちゃん」
ライトは指差しながら紹介をする。
「アリス、貴方がアリス何ですか?」
「いや、俺は有之」
「お母さんがもう1度アリスに会いたいってずっと言ってるんです」
聞いちゃいねぇのかよ。てか人の話聞けよ。
「お願いしますお母さんに会って頂けませんか?」
「良いじゃんアリス。まだ時間あるし会ってあげたら。」
「まぁ良いけど…する事ないし。」
「よし。じゃあ案内して」
「うん!!!」
「お母さん、ただいま」
俺達はジャックに続き家に入った
もちろん熊や虎は外で待たしている。
「お母さん、友達連れて来たよ」
ジャックは部屋に入りそう言った。俺達も部屋に入ってみるとその部屋には寝床に伏せている女の人がいた。
ていうか何時から友達になったんだ?
「ごほごほっ…そう。
何もない家だけどどうか寛いでってね。」
ホントに病気だったんだ
「それにしても…ジャックにも友達いたんだね。」
「何それ酷いよお母さん」
「ジャックはおっちょこちょいだからねぇ。
ジャックの友達さん、私目が悪いから良く見えないんです。もうちょっと近くに来てくれませんか」
「あ、はい」
俺は言われた通り近くにいった。
「!?
貴方……アリス?」
「いや、俺は有っ」
「アリスだよお母さん。助けて貰ったの。」
だから勝手に肯定するのをやめて欲しい。
「まぁアリス!!!!
久し振り、ずっと会いたかったわ。」
「久し振り?」
「あ、そうか…アリスは覚えてないんだったわ。あの悲劇のせいで…」
「悲劇?」
「…『女王の嫉妬』…」
女王の嫉妬?
「何それ?女王が嫉妬したの?」
「そんな生易しいもんじゃないわ…。『女王の嫉妬』……別称『デスゲーム』」
「デスゲーム?」
「そう。対象者はアリス、四年前の貴方よ。」
「は?」
四年前……俺の記憶が無い所だ。前にも言ったと思うけど俺には中1以前の記憶が全くない。この人の話だとホントに俺は四年前この世界にいたみたいだ。
「ごほごほっまぁこんな話はいいわ…。アリス、久し振りに会ったんだからこの世界を楽しんで。この世界に貴方を嫌いな人は殆どいないんだから。」
「いや俺はそんな事よりさっきの話の方が気になっ」
「昔は良く5人で遊びに来たね森に。
ジャック、アリスと遊んで来なさい。ホントは私もアリスと遊びたいけどこの身体じゃあねぇ。」
そう言ってジャックの母親はにっこりと俺に笑いかけた。
「時間大丈夫ライト?」
「ん〜少しなら。」
「じゃあ少しだけしか遊べないけど、遊ぼジャック」
「うん」
駄目だなぁ俺。何か変わって来てる……。
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