四、偽りの薔薇 序幕
「な、何だって!?」
突然、龍稔は声を上げる。
此処は、ラリアス・シティの中心部にあるラリアス城内にある国王の書斎。
龍稔達が城の中に入ると、ルークの執事兼世話係であるアルベルトが直々に出迎えてくれた。そして、鈴は客室へ…龍稔は彼の書斎へと招かれたのだ。
龍稔は、アルから神族の長について話を聞いていた。すると…彼からとんでも無い(?)一言があり、
「お、俺の誕生日に、長になる為の儀式をやるだと!?」
と、驚きの声を上げたのだった…
「もう、決まった事です…」
一方、アルの方は、至って冷静で紅茶を注ぎながら話す。流石は、執事である。
「おいおい…マジかよ…」
「あ…そうそう…」
「ん?」
「あれを渡す様に、ミカエル様から云われていました。紅茶を飲みながら、少し待っていて下さい。今、持って参りますから」
アルは、何かを思い出すかの様に、書斎から出て行った。
其の姿を見送ると、龍稔は、一人紅茶を寂しく頂く。
紅茶をゆっくり頂いていると、
「お待たせ致しました!」
と、アルがアッと言う間に箱を持って戻って来た。
其の瞬間、龍稔は軽く紅茶を吹いた。
(は、早っ!)
「如何かしましたか?」
「いや…何でも無い…」
不思議そうに聞くアルに、龍稔は口をハンカチで拭きながら答えた。
「で?何を持って来たんだ?」
「勿論、ケイアス様に渡す物ですよ」
「俺に?」
「はい。受け取って下さい」
アルはそう言うと、先程持って来た大と小の箱二つをテーブルの上に置いた。
「長四角の大きいのと、四角の小さいの?何だよ…此れ?」
「良いですから…開けてみて下さい」
龍稔は、彼に言われるままに、二つの箱を恐る恐る開けてみた。
大きな長四角の箱には、弓と細い剣が…小さい四角の箱には、白くて長い布が入っていた。
「こ…此れって…?」
龍稔は、其れ等が何なのか分かったが、念の為に聞いた。
「そうですね…説明しませんとね…」
アルは、弓を取り、
「先ずは、この弓。名を【陰陽弓】と云い、時にあらゆる力を秘めた矢を自由自在に操り、時に魔を無へと還すという特集能力を備えた神具です」
と…
そして、次に細い剣を取り、
「次に、この細剣。名を【虚無の剣】と云い、異空間への入口である歪を作ったり、修正したりする能力以外に、何と云いましょう…?何故か、嘘を見抜ける不思議な能力があります。まあ…『切れ味の良い特殊な剣』とお思い下さい」
と…
最後に、白くて長い布を取り、
「最後に、この純白の布です。名を【光衣】と云い、時には【陰陽弓】の矢となり魔を無へ還し…時にはあらゆる攻撃から身を守り…時には怪我を癒し…そして、時には呪いを解く…万能的な能力が備わった最強の神具です」
と説明していった。 |