Master of Secret―神々の理―(23/50)PDFで表示縦書き表示RDF


Master of Secret―神々の理―
作:Yayoi Kazuha



参、紅の少女 第七幕


「何で、入って来たんだよ!?あれ程、中へは入ってくるなと云ったのに!」

 あれから…龍稔達は、ブレス達が気を失うまで殴っておいた。何故なら、彼等ギルド【ブレス】の基本的なやり方は、魔術だったからである。
 そして、傭兵達が到着するまで見張っていると――龍稔は、ルークに問い質したのだ。何故、あの時に現れたのかと…

「ケイアス…君は、ブレスが犯した重罪の内、一つは何なのか知っているかな?」

 すると、ルークは、問い返した。ブレスの犯した重罪を幾つ知っているのかと…

「そりゃあ…炎族を滅ぼした事だろ?」
「全く…其れだけしか知らないのか…其処だけは、まだまだ半人前だな」
「な…!?」

 龍稔が反論しようとすると、

「光来、話してくれ」

と、ルークは光来へと振った。

「ん?」

と、首を傾げる龍稔に、光来は話し始めた。

[知っての通り、炎族を初め――俺達みたいな特殊な能力を持つ種族は、普通の人間なんかに滅ぼせれる一族なんかじゃねぇ…勿論、下級の魔術でもな。この中で滅んだとされる炎族は、奴――ブレスが異世界から呼び出したある者によって、滅ぼされたんだ…そう、魔族によってな…]
「!?」

 龍稔は絶句し、少し離れた所に居る鈴の方へと顔を向けた。
 鈴は、龍稔達の話を聞いていない様で、テラスで小鳥達と戯れていた。

「ア…アイツ…其れを見て、記憶が失くなってっしまったのか…?じゃあ、手掛かりを奴から聞き出せば――」
[無理だな…]
「な、何で!?」

 父の言葉に、龍稔は聞く。
 すると、光来は――

[奴とは、八年前に一度会ってんだ…そうだな…確か、フレア・シティが崩壊して間もない頃だ]

 そう言い、昔の話をし始めた。



「光来の兄貴〜ぃ!」

 光来が、一人で剣の修行をしていると、ブレスが遠い所から彼を呼びながら飛んで来た。
 当時、ブレスはギルドを始めたばかりの時だったが、其の頃光来の下で剣術の修行をしていた。

「おいおい…俺は、お前の師匠だぞ?少しは、俺の事を【師匠】と呼べよ…」

 実は、ブレスは光来の弟子でもあったのだ。つまり、雷鳴の弟弟子にあたるのだ。

「良いじゃねぇですか。オレ達、年が近いんですし」
「お…お前な〜ぁ…」

 ブレスの呑気さは、何時もの事だった。だが、ある事を境に彼の人生は激変する事になる。

「あ…そうだ…オレ、ヤバイ事しちゃったんですよ…!」
「ヤバイ事?」

 そう…この失敗が無ければ…

「オ、オレ…禁断とされてた高位の召喚術…使っちゃったんですよ!」
「んで?其れが如何したんだ?」

 光来は、真剣な顔で話すブレスの話を聞いた。

「其れが、召喚した魔物を戻す術が全く通用しなくって、其のまま逃げて来ちゃったんです…」
「バ…」
「光来の兄貴〜ぃ!助けて下さいよ〜ぉ!!」
「バッカヤロウ!」

 泣きながら助けを求めるブレスに対し、光来は何処にそんな大きな物をしまい込んでいたのか、刀と同じくらいの長さがあるハリセンを取り出し、彼を思いっ切りフルスイングし空へと叩き上げた。







ネット小説ランキング>異世界FTコミカル部門>「Master of Secret(改正版)」に投票
ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)





ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう