参、紅の少女 第四幕
――ギルド【ブレス】の本部。鈴は其処へ入って行った。
「リーダー!」
鈴が入ると、中は宴会状態だった。
「リ…リーダー?」
「お〜ぉ、鈴。ワリィなぁ…急に呼び出したりして…」
彼女が入っているギルドのリーダーであるブレスは、酒を飲みながら言った。
良く見ると、彼の両脇には美女二人がおり、お酌をしてたり大きめの団扇で扇いだりしている。
鈴が、
「い…いぇ…」
と言うと、ブレスは彼女に近付いた。
「で?何の用ですか?リーダー」
鈴は、警戒しながら聞く。
すると――
「俺の女になれ」
ブレスは、彼女の顎に手を当て、自分の顔へと向かせながら言った。
「はい?」
ブレスの言葉に、目を点にする鈴。
「如何した?嫌なのか?俺の女になるのが…」
と聞かれると、彼女はキッパリと、
「はい」
と答えた。
「あたしは、貴方を好きでこのギルドに入った訳じゃないわ。ただ…貴方は命の恩人だから、恩返しのつもりで入ったの。其れに――」
「其れに…何だ?」
鈴の言葉に、ブレスは鸚鵡返しの様に聞く。鈴は続ける。
「其れに…あたしは、昔から此処に決めた人が居ます!ですから、リーダーの今の言葉は、お断りします!!」
「オレの誘いを断ったな…?」
「え?」
ブレスの不敵な笑みに、鈴は何が何だか分からず首を傾げる。
「おい…野郎共!」
『へい!』
彼の呼び掛けで、部下達が集まって来た。
「コイツを縛り付けとけ」
『へい!』
其の一言で、部下達は鈴に襲い掛かる。鈴は抵抗するが、彼女に襲い掛かって来たのが男達の為、流石に腕力には勝てずに居た。
「ちょ、ちょっと!?如何する気なのよ!?」
鈴は、部下達に縄に縛られ困惑しながらも、ブレスに目的を聞く。
「テメェの初恋の奴が誰なのかは検討は付いている。コイツだろ?」
ブレスが出した一枚の写真…其れは、三年前に彼女が龍稔と別れる時に撮った写真で、肌身離さず持っていた大切な物…
そして、彼が指を差したのは、紛れも無く龍稔だった。
「リ、リュウは、関係無いでしょ!?其れに、其の写真を何処から!?」
「ほぉ…さっきまで、酒場で仲良く離していたくせに、良く云うぜ…あ、この写真は複製だ。本物は、テメェのポケットの中にある。如何やってやったかは教えねぇけどな」
「居たの!?//彼処――うぐっ!?」
鈴は、更に聞こうとするが、部下の一人に布で口を塞がれ、何も言えなくなってしまった。 |