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「鉱物の女王」metal queen の呪縛  「ルーネンベルク」「石の花」「ファルンの鉱山」  研究序説

ロマン派のメルヘンのテーマとして、、

鉱物の女王という普遍のテーゼがある。


ドイツロマン派の重鎮ティークには「ルーネンベルク」

そしてドイツロマン派のカルト的な?伝道者?のホフマンの「ファルンの鉱山」

ロシアの童話作家のバジョーフの「石の花」

などすべてが「鉱物の女王」テーマのmarchenである。


まず、、ティークの「ルーネンベルク」であるが、、、

主人公の青年クリスチャンはある日、、父母を捨てて森へさまよいこんでいく。

そこでたどり着いた洞窟の割れ目から、ルーネンベルクの世界を垣間見てとりこになってしまう。

ルーネンベルクの世界とは、、金属や鉱物や石の楽園であり、まばゆい万華鏡の無機質のユートピアだ。

しかし、われに返った、クリスチャンは村へと舞い戻り、やがて、、

そこで出会った村娘のエリザベートと所帯を持って平凡に暮らす。

だが、どうしてもルーネンベルクの至高の世界が忘れられないクリスチャンは妻を捨てて再び山へと入っていってしまう。

「いいかい。山にはね。素晴らしい宝石や水晶がいっぱいあるんだ。僕はそれを取ってきて

愛の証としてエリザベートよ、、、君にあげたいんだよ」

しかし、、、

それっきり彼は何年たっても戻ってこない。

そして時は流れ誰もがクリスチャンのことを忘れ去ってしまったころ、

髪を茫々に生やした奇怪なじつはクリスチャンが村に現れる。

そして妻のエリザベートの元へ立ち寄り、「これはすばらしい宝石だ」、といって妻に、

どう見てもただの石にしか見えない小石を渡して再び、妻を振り切って、、狂気の様で山へと去っていく。

そしてそれ以来、今度こそは、、2度とクリスチャンは村には戻ってはこなかったのだった。



ルーネンベルグの図式   L・ティーク作

         鉱物の女王ルーネンベルク無機質な
           ↑
        〇クリスチャン          両界の仲介者  神秘なドイツの森
           ↓
        エリザベート人間の娘、血の通った生身の、、




ここには鉱物の世界と血の通った現実世界とに引き裂かれた、主人公が登場する。

そして結果として鉱物界に転生して?自らもまた無機質化してしまった

主人公の破滅が描かれるのである。

「ファルンの鉱山」ではそれは金属の女王と鉱山主の娘ウラであり、

「石の花」では、石の女王とこいびとの村娘カーチャである。

では?

こうした無機質な女王っていったい何の暗示?シンボル?なんだろう?



たとえば、、、

ロシアの童話作家バジョーフの「石の花」では、主人公ダニールシコは孤児であり肉親の愛を知らない。

手先の器用さを買われ、石細工職人の下へ徒弟としてつかえる。

そこで孔雀石の飾壷を貴族から注文される。

一流画家の書いた下図が添えられていてそのとおり作ればいいのに、

ダニールシコはなぜか納得がいかない、

ここをこうすればもっとよいのに、

そうだ伝説の、石の女王が蛇山に居るという、尋ねにいけばいいのだ。

かくして蛇山にたどりついたダニールシコは

突然岩が割れて石の女王の宮殿へと転がり落ちてしまう。

そこでかれは石の本当の美を知らされてとりこになってしまい。もう2度と

ふもと(現実世界)へ帰りたいとは思わなくなってしまうのだった。

しかし、恋人カーチャは石細工の工房を守りながら、ある日ダニールシコを取り戻しに

蛇山へと向かう。

そしてその愛の力でダニルシコを石の女王から取り戻すことができたのだった。

ダニールシコは再び村での平穏な生活に戻った。

しかし、うつろな目で遠くを見つめ、時々ぼおーっとしていることがあったという。

カーチャにはそれがなんだかわかっていた。

この結末は象徴的だ。説明の必要もあるまい。

「石の花」stone flower1946年ロシアでカラー映画化されています。

原作の風合いをよく映像化した名作ですね。

この映画も原作同様私は好きです。

http://www.youtube.com/watch?v=k6QNtZRtsjM







この石の花と似たテーマは

たとえばアンデルセンの「雪の女王」にもリプリント?されていますね?



さてホフマンの「ファルンの鉱山」では、、


ふさぎ屋で物思いにふけりがちなエリスフレーボムは、生身の肉身の唯一の存在である

母の死という唯一の現界の血の通った存在の死という事態によって

現実世界での絆を断ち切られて、、そのため、、船乗りをやめて、

トールベルンの夢のお告げによって?鉱夫になります。

ダニールシコもエリスも孤児でありこの世に誰一人血の通った肉身がいないという共通点は重要でしょう

ファルンに赴いたエリスが見たものは?

深い地下のトンネルを泥だらけになって這いまわる地虫のような工夫たち、、

「こんな真っ暗な地底でこれから一生過ごすなんてまっぴらだ」

エリスは正直、そう思うのです。

しかし、、伝説の鉱夫。トールベルンによって、地底の美や、壮麗な水晶宮の豊麗さを教えられます。

その世界を支配する「鉱物の女王」の存在も知りとりこになります、、。
さらには鉱山主の娘のウラと婚約もして
いざ結婚式も控えたある日、

エリスは突然取りつかれたように坑道の奥深くにに一人で入っていくのです。
「ウラ、いいかい僕は結婚式の素晴らしい宝石を

これから取りに行ってくるからね」

しかし一線を踏み越えた?エリスは現実界と鉱物宮の、背反の割れ目に陥落して?

よって身の破滅を招いてしまうのです。

つまり、、、突然、大陥没が起こってエリスは地底深く閉じ込められてしまうのです。

助け出すことなど不可能です。


ウラは花嫁になる直前にエリスを失ってしまったのです。

そして、、、この事件も風化しかけた

数十年後、ある日。偶然できた陥没の先の古い坑道の先から、、ある工夫が

地下の300エレの地下の緑礬水のなかにまるで生きたように化石している、エリスを発見するのだった。
この偶然によって、、知らせを聞いて駆け付けた、老いた、ウラは

地底の生きたようなエリスのミイラ?と対面するしかなかったのだった。

それは鉱物の女王に魅入られて

堅く結晶して、、自らも鉱物化?し果てた

エリスの姿であったのだった。


ファルンの鉱山の図式  ホフマン作

          山の女王  水晶宮の女王、無機質な

            ↑
          〇エリスフレーボム         両界の仲介者。トールベルン
            ↓
          人間の娘ウラダールスイユ、、生身の血の通った、




さて?

鉱物の女王とは

石の女王とは

一体何の暗喩?

なのか?

何のシンボルなのか?


それは私がこうだと断言すべきことではなく


あなた方がそれぞれ自分なりに

感じ取ることなのでしょうね?





たとえば、、余計なお世話ですが、

さしずめ現代に当てはめるならば、、

ネットゲームにのめり込み
いわゆる「ネトゲ廃人」となってしまった
ヲタク?の暗喩とも、取れるでしょうね?

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