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  資料 作者:神威 遙樹
やっと始まりますよ… どんだけかかったんでしょうね…
NO,4:『入学儀礼《イニシエーション》』
 そういえば、アレンもミュウさんもセイラも、何故か自分と話す時は日本語だ。何で喋れるんだ?
アレンに聞こうかと思ったが、まだミュウさんと話している。

「えっと、何で皆日本語喋れるの?」

 取り敢えずセイラに聞く事にした。
なんとなく、彼女なら答えてくれそう。

「あっ、えっと……日本は世界有数の魔術大国ですから、日本語を覚える人が結構いるんです」

 やっぱり律儀に答えてくれた。いい人だ。それはともかく

「魔術大国?」

 経済大国みたいなものだろうか?

「はい、日本には神道や陰陽道、修験道、道術なんかの独自の魔術が多いですから」
「そうなんだ……」

 全然わかんないが、律儀に説明してくれたセイラの為に、取り敢えず頷く。

「悠輝さん、全然解って無いですね」
「えっ!? いや、何の事かな?」

……バレた、一瞬で。

「仕方ないですよね。初めてですよね、魔術」
「っ!?」

 どういう事だ? その事はまだアレン以外に話していない、アレンとセイラが話していた事も無い筈。

「あっ! えっと……その、ごめんなさい、そんなに身構えないで下さい。握手した時にわかったんです」

びっくりしたのか、セイラはおどおどしながら言い始めた。

「えっと……握手した時に感じた『精気アトス』でわかったんです」
「アトス?」

 また知らない単語が出てきた。絶対に全部覚えられない。

「はい、呪力には二種類あって、『精気アトス』とは生き物の体に宿っている呪力を言います」

 所謂、『気』みたいな物だろうか?

「んじゃさ、もう一つは?」
「『魔気マギ』といい、自然のものです。これが暴走した時に起こる現象を一般に、呪力災害と言います」

 さっきアレンが言っていた『科学ではどうにもならない現象』だろう。

「でもさ、何で俺の事わかったの?」

 今の話じゃ理由にならない。今のは魔術の根源の話。

「アトスの流れは、魔術師と一般人では違いますので」
「じゃあ、ミュウさんにもバレたかな?」
「多分、無いと思います。私が得意なだけです」

 バレて無い、という事か。そっちの方が良かったのかな?

「じゃあさ、どうしたら良いと思う? 俺は一般人、魔術師じゃ無い」

 班分けをしたという事は、合格の合否も班単位という事だろう。一般人がいたら不利でしかない。

「……何か魔術的な物は持たされてませんか?」

 よくわからないが、言う通りに札が入ってパンパンになった封筒を渡した。

「屈んで下さい」

 言われた通りに屈む。
するとセイラは封筒から札を一枚取り出して、俺の額に張り付けた。

「――っ!?」

 視界がボヤけ、フラッとなる。

「いいかの……この札をこうやっての――」

 夢でも見ているのだろうか? 視界が戻った先には、幼い俺とじいちゃんがいた。じいちゃんは札を持ち、俺に何かをさせている。
俺はそれを必死に真似ている。

「おぉ、そうじゃ、そんな感じじゃ。流石我が孫」

 そんな事を言いながら、じいちゃんは嬉しいそうに、更に何かを教えている。

 次第に視界がまたボヤけていき、まるで夢から覚める様に、セイラの顔が見えてきた。

「……今のは?」

 はっきりと目が覚めた時には、さっきと同じで、自分が少し屈んでいて、目の前にはセイラがいる。

「悠輝さんは、記憶を封印されていたんです。理由は解りませんが」

 頭の中を探る感じで、記憶の糸を手繰る。
すると、さっきまで無かった記憶、じいちゃんに教わった術の事、練習風景などが頭に浮かぶ。

「あの……迷惑でしたか?」

 ふと、前を見ると、申し訳なさそうなセイラの顔。今にも泣いて謝りそうだ。

「迷惑じゃないよ、寧ろ助かった。これでセイラ達にかかる迷惑は、少しはましになったでしょ?」
「でも、いきなりでしたし、無理矢理でした……」

 俺はさっきの夢を見ていた時、うなされていたのだろうか?

「いやいや、別に迷惑してないからね、さっきも言ったけど」

 そう言ってセイラの頭に手を乗せて、撫でる。
ちなみに無意識。
気付いてたらしてた。自分が一番びっくりしたよ……背が小さいからかな?
人の事言えないけど。本人も顔は赤いが、嫌がってはいない。

「えっと……そういえばさ、何で封印されてた事解ったの?」

 撫でるのを止めて聞く。

「……」
「あれ!? オーイ!」

まさか……実は撫でられたの嫌だった?
怒ってる?

「ふぅえ!? あっ! えっと……何ですか?」

 ボーッとしてたらしい。雰囲気的に怒っては無い、良かった……

「えっと……何で封印されてた事解ったの?」

 もう一回聞いてみる。

「それは、悠輝さんのアトスの流れが一般人と魔術師の間の様な感じでしたので」

 次はしっかり答えてくれた。


「あれ? お二人さん、いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

 アレン、いきなり登場。何故か頬が腫れている。
何を言ったんだろうか?

「あぁそうだ、俺はアレン・グレンジャー、よろしくな」

 まだセイラには自己紹介をしてなかったらしい。

「あっ! えっと、セイラです」

 セイラの反応は同じ。

「これで皆自己紹介すんだかしら? そうだ、ユーキはオンミョージなんだってね。アレンがはぐらかすから殴って聞いたわ」

 だから腫れてたんだ……アレンを見るとすまなさそうにこっちを見ている。
まだ俺が思い出した事を知らないからだろうね。


「四人組を作れたな?では今から『入学儀礼』の説明をする」

 その一言で場の空気が変わる。忘れがちだが、これは入試だ。

「ルールは簡単。この城の中にある封筒を持ってきた組が合格。封筒の数は班の数ある。他の四人組から奪うのは無し、奪った時点で失格とする。バレないと思うなよ? 中は職員が見張ってるからな。制限時間は24時間」

 という事は、合格者の最多は全員、最低がゼロ。
今は朝9時半だから明日の朝9時半迄。……24時間?

「シンプルで良いわね」
「まぁ大丈夫だろ」
「頑張ります……」

 発言に性格がよく出てるね、三人とも。

「では、これより開始する。全員、中に入ったら探しに行け! 最後にアドバイスだ、死ぬなよ?」

 ……なんか不吉な事言われた。
神威です。始まったと言っても、実はまだ微妙なライン。というより、今から始まります。 やっと魔術出てくる…長かった… まだまだ表現など下手ですが、よろしくお願いします。 アドバイスなど頂けたら嬉しいです。


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