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精霊樹リアとダンジョンクリエイター 作者:ヴィヴィ
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38クリエイター戦争③

 


 アイディリア



 命じられた通り、生命の居なくなった獣王国近辺にある魔獣の森へと私は精霊達を率いてやって来た。

「ここですね」
「にゃあ」

 目の前にはそびえ立つ禍々しいお城。そのまま全軍で突入し、一気に攻略を行う。侵入と同時に無数の吸血鬼化した敵が襲いかかってくる。だけれども、私の敵ではない。
 私が作り出した光の魔剣達が吸血鬼を貫いて、駆逐するからだ。

「別働隊は制圧を行ってください」
「「「はい」」」

 私と同じ進化を遂げた剣精霊達に光の魔剣を与えて、各自で突き進む。彼女達は一つの属性剣しか作れない。でも、私が与えた魔剣は使いこなせる。
 速度重視での攻略を行っている為、アイテムなどは無視して進んでいる。そして、奥へ進むと、玉座の間に到着した。玉座の背後にはダンジョンコアが存在し、その前には守護者たる巨大な銀色の狼が存在した。

「にゃあ。アレの相手は私がする。アイディリアはダンジョンコア、最優先」
「はい」

 クロネは多数に分裂しながら銀狼へと突撃する。銀狼は咆哮をあげて衝撃波を放つが、クロネは影に潜って隠れる。私は衝撃波を斬り裂いて、そのまま上空に飛び出す。浮遊させた魔剣で援護しながら、光の屈折を利用した光学迷彩で隠れて進む。

「にゃにゃっ!!」

 銀狼の周りに現れては攻撃し、猛毒を持つ爪で攻撃する。しかし、銀狼も尻尾や前足を振り回してクロネの分身を破壊する。他の精霊達も到着してきて、容赦無い攻撃を放ってダメージを与えていく。
 その間に迂回してダンジョンコアに到達した私はタイミングを見計らって、入れ替わる。





 激しい空間戦闘が行われ、正に血で血を洗う戦いだ。主に殺されているのは魔神だが。七つの大罪の再召喚は契約者の魔力と、7体が全て死亡して一定時間経つ事が条件だ。この一定時間は魔力量で代用も可能な為、高級な回復薬をガバ飲みしてやられたそばから再召喚している。普通にえげつない。

「うりゃりゃりゃりゃっ!!」
「1対8は反則だよ!」
「どこが1対8だ!」
「そうだそうだ!」

 実際は銀狼が召喚されている為、そこまで差は広くない。むしろ、七つの大罪を銀狼と協力して片手間に軽く殺していく相手の方がおかしい。

「って、ダンジョンが攻撃されてる!?」

 驚いた瞬間に溜めていた攻撃を放つ。

「狙い撃つぜ!」
「っ!?」

 やっぱり、反応した。だが、矢にも反応したが、これは問題無い。何故なら目的は別にあるからな。

「行ってこい」
「任せてよね!」

 リアが転移する。

「させないよ!」

 リアの転移に少女も転移しようとするが、それは防がせてもらう。

「なんで飛べないの!?」
「はっはっは、ここは聖別結界の中だぜ。ちゃんと外への転移は封じているさ」
「くっ、でもそれならこっちはクリエイターを狙えばいいだけだよ! さっきの子が居ないんなら、平気!」
「残念ながらそうはならない」

 リアの代わりに現れたアイディリアが虹色の魔剣をこちらに向かってくる少女に背中から突き刺す。少女はそのまま力の奔流に飲まれて爆散する。だが、瞬時に別の場所で再生する。

「厄介ですね、真祖とは……」
「ほぼ死なないからな」

 アイディリアが無数の魔剣を呼び出して追撃するも、全て血の刃で防がれる。半精霊達を連れてきていれば、もっときつい戦いになるだろうが、今回は精霊達とゴーレム系だけだ。問題は無い。精霊の血は相手にとって猛毒だしな。

「くっ、このままじゃ負けちゃう」

 高速で飛翔し、空間転移も使いながら俺を狙いに来る。俺は転移先を予測して狙撃を行いつつ、妨害に走るアイディリアを援護する。
 銀髪の少女が振るう血で作られた命の結晶たる真紅の大剣とアイディリアが振るう虹色の双剣がぶつかり合う。どちらも衝撃波を散らし、大地を抉りながら戦う。飛び交う魔剣と魔法はどちらも戦略級兵器ほどの威力を持ち、確実に大地を削る。

「ああ、もう……時間が無いのにっ!! どいてよ!」
「父様の所には行かせませんよ!」

 少女が武器を大剣からデスサイズへと変えてこちらに投擲する。それは即座にキリル達に迎撃されて落とされる。だが、その間に少女は転移して上空に逃れ、巨大なハンマーを作り、叩き落としてくる。半径1キロはありそうな真紅の巨大ハンマーから逃れる術は簡単だ。

「転移」
「「「にゃあ」」」

 ニャンコ達に指示して全員が移動する。その間にアイディリアが無数の魔剣を振り下ろして動けない少女に突き刺す。

「舐めるなっ!!」

 振り下ろしている最中から、強引に軌道を変えて転移先のこちらへと向けてくる。これはまずいと思ったが、平気だった。何故なら、同じような事をした子達が居たから。先ずはハクアが土の防壁を展開し、キリルが風で防ぐ。シズク達が水流で威力を落とす。

「貴方にできる事が私にできないはずが有りません」

 そして何より、アイディリアが作った数キロに渡る巨大な大型魔剣がハンマーの1擊を大地に突き刺さって防いでいた。

「くそ~っ!!」
「どうやら、タイムアウトのようじゃな」
「くすくす、こちらの勝ちですの」

 無数の水が降り注ぎ、周りを瞬時に隙間なく円形の防壁が防ぐ。聖水に漬けられてしまえば転移なんて高度な魔法は使え無い。出る事は出来ても、かなり時間がかかる。

「2人共、警戒は続けて」
「そうですわね。中で激しく暴れまわっているのですし、必要ですの」
「うむ。防壁の数も増やすかの」

 キリルの注意ですぐさま警戒を取り戻す2人。アイディリアは俺の横に降り立って、虹色の剣を渡してきた。

「父様、やっちゃいましょう」
「そうだな」

 虹色の剣を矢にして番える。俺の後にアイディリアが抱きついて、弦を引いている手に添えてくる。そこから剣に膨大な力を流し込んで、剣の刀身を巨大な虹色の光で構成する。

「行け」

 オーロラのような物を巻き散らかしながら突き進む剣は突き刺さり、内部へと貫通して瞬時に水分を蒸発させて大爆発を起こし、虹色の柱を空高くまで作り上げる。

「やったかっ!!」
「まだだよ! まだ終わらないんだからね!」

 確認の為のセリフを言ったら、予想通りの言葉が返って来た。だが、少女の身体は見えない。いや、既に原型を止めて居ないようで、真紅の血の塊が存在し、肉体が再構成されていく。

「ほ、本当に……化け物だよ……」
「そうだな」

 完全に人間じゃなくなっている。だが、再構成された少女は裸で、弱々しくデスサイズを作りだして、よろよろと近づいて来る。迎撃しようとすると、瞬時に駆け出して一瞬で接敵する。そして、デスサイズの鎌が俺に届きそうになった所で……

「ひゃうっ!?」

 ずっこけた。それも盛大に。何故か確認すると、少女の身体は鎖のような物で縛られている。

【ダンジョンクリエイター・ステラのダンジョンコアがダンジョンクリエイター・リクトによって制圧されました。これより、ダンジョンクリエイター・ステラを拘束します】

「リアがやったようだな」

 ダンジョンコアとリンクして、外で動けるという事、それはダンジョンクリエイターとなんら変わらない存在だと言う事だ。意識を持ち、自ら移動して行動できるリアの御蔭で勝ったな。

「さて、散々手こずらせてくれた悪い子にはお仕置きが必要だな」
「ひっ!?」
「ほら、」
「ひゃっ!? あはははははははっ、やめっ……やぁぁぁっ!!」

 皆でくすぐりの刑にして、虐めてやる。その間にステラを隷属させて、ステラの保有する眷属を見たが……存在しなかった。残ってたのは居ない。

「やべ、殺し過ぎた」

 せっかくのダンジョンクリエイター戦が、眷属の旨みゼロという悲惨な結果になった。被害が相当数出ているのにだ。いや、正確には融合してしまっているみたいなのもいるが、問題は無いかな。

「まあ、でもそっちの方が使いやすいか」

 ステラの方を見ると、痙攣してビクンビクンと仰け反っていたが、途中で銀色の狐の耳と尻尾が生えてきた。

「おい」

 尻尾の数は9本。真祖だけじゃなかったのか?

「エレメントフォックスと融合してたみたいだね。だから、途中からあんなに強かったのか」
「お帰り、お疲れ」
「お疲れ様だよ」

 リアが転移してきて、説明を受けると、途中で体内に取り込んでいたエレメントフォックス・ナインテイルという神に近い存在と融合する事で魔法の威力を徹底的に強化して戦闘を行っていたのだろうという事だ。普通なら、あそこまで威力は無いそうだ。

「おいたをした分、ちゃんと躾て飼ってあげるからね」
「まあ、獣耳だし、ペットみたいなものだな」
「そんなっ!?」
「しばらくは諦めろ」
「ふぁ~い」

 狐耳と尻尾が出た事で、周りから力を集めて回復している少女に言って、服を着せてやる。その後、皆で復旧作業だ。国境は湖が沢山ある場所になった。というか、大陸そのものを緑豊かな大地へと変更した。生き残った人間はほんの微かで、73418名だった。






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