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精霊樹リアとダンジョンクリエイター 作者:ヴィヴィ
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34エルフ救助と王国への復讐①

三人称です
 



 国内が天変地異で大変な事になっている。終わることの無い巨大な嵐と大型地震が常に起きている状態なのだから当然だ。そして、キリル率いる飛行できるドラゴンと龍に加えて、機械精霊虫の者達も赤いフード付きコートに身を包んでドラゴン達と共にクロネが指揮するニャンコ達が調べ上げたエルフを捕らえている場所に空から強襲をかける。

「敵襲っ!!!」

 台風の目となり、周りから完全に隔離された基地にワイバーンが急降下して見張りを食いちぎる。次々にレッサーを始めドラゴンや龍達が舞い降りて破壊の限りを尽くす。

「構いません。エルフ以外は全て殺しなさい。オーダーは二つ。見敵必殺サーチアンドデストロイとエルフの救助です。行け」
「「「「任務了解」」」」

 真紅の死神達が龍達と舞い降りて、基地内へと潜入する。その直前に成龍達によるブレスで地下深くまで大穴が開けられる。そこに突入し、エルフを助け出す。今現在、牢屋に繋がれて陵辱されていたエルフ達や、拷問されていた者達を救助と同時に進化したダークネスキャット達が回収して転移していく。エルフ達は丁寧に扱われている。精霊達にしても、自分達の為に頼んではいないとはいえ、戦争をしてくれた者達を邪険に扱う事は無い。

「目標の救助を確認。全軍、これより上空に退避せよ」

 キリルの命令が伝えられると、降下した部隊は直ぐさま負傷した味方を掴んでブレスを放ちながら撤退を開始する。追撃が放たれるが、そんな物は機械精霊虫達の風の障壁と龍やドラゴンの防御力に防がれて大したダメージにならない。そして、部隊の撤収を確認したキリルは命令を下す。

「消えなさい。トールハンマー」

 上空に幾重にも重ねて描かれた魔法陣から放たれる特大の雷の奔流は直径5キロの範囲の対象を地中深くまで全て消し去る。基地に備え付けられた対魔障壁など一切役に立たない。後には基地があった大地は無く、巨大なクレーターが存在するだけだ。機械精霊虫達による合体魔法は威力が凄まじい。機械による同時詠唱と完全なタイミングでの合一によって行われる殲滅魔法はまさに雷神の鎚といえる。

「生命反応無し。殲滅を完了」

 ただ、威力が高すぎる為に精霊核もろとも砕かれている。だが、問題は無い。前と違い、リアの力はかなり回復している。砕け散った精霊核は大地に染み込み、新たな世界を構築する力となる。

「怨念の吸収を確認。これより次の目標へと移動する」

 キリル達は次へ移動する。命令された事など片手間でできる彼女達は実行部隊と同じ事を広範囲で行っている。






 アイディリアは1人で傷を負って逃げるエルフ達を追撃する部隊の前に立ちはだかった。いや、それは正確ではない。アイディリアは優雅に蝶の羽を展開して飛んできただけだ。エルフ達を捕まえ、楽しもうとしていた者達は全て魔剣が突き刺さって死亡している。

「な、なんだ貴様はっ!!」
「せ、精霊……それも上位の……」
「精霊だと! お前ら、追加報酬が来たぞ! 対精霊用兵器を準備し……」
「遅いです」

 アイディリアはその場から動かず、チンッという音を立てただけで部隊の20人は身体を多数輪切りにされていた。

「ななななななな、なんじゃそりゃぁぁああああああああああああぁぁぁぁっ!!」

 だが、本当に驚くのはこれからだった。アイディリアが虹色の剣を召喚し、力を大量に解放すると、精霊核にその膨大な力が流れ込み、制御用の術式が破壊されて使用者達の肉体を飲み込んで姿が変わっていく。それらは直ぐに色とりどりの剣へと変わって、鉛色の宝玉を持つ魔剣となった。宝玉の中には人間の魂が閉じ込められている。

「さて、エルフのお前達に選択肢をやる。このまま本国に帰るか、私達の元に来るかだ」
「えっと、本国もろとも行かせて貰っていいですか?」

 だが、エルフ達にとってアイディリアの質問は決まっている事で、軽くアイディリアやリクトの上を超えた。

「えっと……ちょっと待って」
「はい、待ちます! 何時までも!」

 思わず素に戻ったアイディリアが連絡を行った所、あっさりと許可が出たのでエルフ達は国ごと移動してくるそうで、急遽ダークネスキャット達は大増員された。それから、少しして世界樹を管理するエルフを残して、精霊樹に移動するエルフが大量に居た。

「予定外だったけど、次に行こう」

 無数の蝶になってアイディリアはその場から消える。




 シズクを始め、水の精霊達は海の沖に出てエルフ達を輸送している船を強襲していた。海上という事で安心して淫行にふけっていた連中は全て身体中の血液を爆発させられて、悲惨な死に様を見せ、海へと捨てられた。その周りには無数のシャーク達が存在し、うまそうに肉片を食っている。

「さて、船は制圧しましたの。大人しく飛び込めば後は何もしませんの」
「ふ、ふざけんなっ!!」
「死ぬじゃねえか!!」
「ええ、そうですわね。ですから、こう言ってますの。さっさと死ね、塵芥の生塵共が……この世界で生きる事を誰に許して貰ってると思ってやがるですの」

 軽やかに毒を吐きながら、生き残りに銃の形にした手を向ける。

「ひぃぃぃぃっ!?」
「お、俺達が何したって言うんだよ!」
「と、投降したんだから助けてくれよ!」
「嫌ですの。貴方達人間共は生かされている事も知らず、私達精霊を捕らえ、無理矢理に精霊核へ変化させて使用していますの。これは到底許せる事ではありませんの。だから、貴方達は世界の半分を文字通り敵に回して、怒らせてはいけないお母様と私達を怒らせたのですから、これは当然ですの」
「お、俺達はやっていない!!」
「関係有りませんの。お母様が管理する世界は一度精霊樹も含めて綺麗に害虫掃除を行いますの」
「ま、まさか……」
「ああ、安心してくださいですの。その後はちゃんと自然豊かな世界へと代わりますの。だから、安心して滅んでくださいですの。バァン」
「ひっ、ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっっ!!」

 シズクの言葉と同時に生き残っていた人間が体内から爆発して吹き飛ぶ。その衝撃で何人かが落ちてシャーク達に食われていく。それからしばらくして、残ったのは血まみれの甲板と船内。穢されたエルフに水の精霊達。
 エルフ達はシズクによって直ぐに綺麗にされて服を与えられた。

「せ、精霊様……」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「あぁ、水の精霊の統括者にお会いできるなんて……」
「ふふ、そこで待ってますの。今から天罰を与えてやりますの」
「「「はい」」」

 自然が与える罰。それは確かに天罰だ。シズクが手を上げると同時に目の前の海面が急激に持ち上がり、2000メートルもの巨大な津波を発生させる。

「あはははは、精霊達の恨み、思い知れですの!」

 放たれたそれは衰えながらではあるが、海岸に有った港を飲み込み大地へと侵食して大陸の湾岸部近隣を全て巻き込んだ。しかし、これは大地にとっては恵だった。乾いた大地は栄養満点にされた津波の海水……いや、既に海水ではない回復水は大地に染み込んで死に向かっていた大地を癒す。ヒューマン達の殆どが溺死で死亡しており、外傷での死亡は存在しなかった。





 ハクアは大地を進み、大陸の一部を隆起させたり大地を裂いたりして大きな溝を作る。そこにシズクが行った津波が押し寄せ、新たな川が出現する。ハクアが移動する龍に乗りながら、扇子を振るう度に大地が変化していく。

「さて、精霊核を持つ人間共は皆殺しじゃ」

 精霊核を誰も持っていない村は助かり、それ以外の村は近隣に行き成り地震が起きると、火山が山ごと出現していて、大量の溶岩を吐き出してくる。そして、落石なども起きて村や街は飲み込まれていく。

「ある程度の人間は確保すればよい。後は勝手に増えるしの。どれ、思い上がった人間共に知らしめてやるか。いでよ、ヤマタノオロチ」

 火山からヤマタノオロチが出現し、王都を目指して進軍する。その周りには無数の龍やドラゴンが出現し、大地を変形させていく。人間達は必死に食い止めようとするが、焼け石に水だ。




 リクトとリコリスはやる事も無く何もしていないかと言われるとそうでもない。2人はとある事情で獣王国と王国の国境へと来ていた。何故かというと、端的に言うとやり過ぎたのだ。この大規模な攻撃により、ダンジョンクリエイターはダンジョンへの攻撃と判断したようだ。正式な攻撃ではないが、ダンジョンから無数のスケルトンやゾンビ、レイスなどを吐き出してきた。現在進行形で大陸の半分を占める王国の住民を虐殺しているので、その兵力は凄まじい事になる。

「まあ、行かせないけどな」

 補充してもらった精霊剣矢をばらまいて地形を気にする事も無く破壊して、大量の敵兵を排除する。ここは数十数百万の規模で殺し合ったらしく、大量に死体や怨念が存在する。

「数が多いですね」
「ま、仕方無いさ。リコリスは護衛をよろしく」
「はい」
「それにしても、獣王国も出て来たな」

 ライオンの獣人が部下を率いて大暴れをしている。だが、どんどん不吉な気配がしてくる。空は陰り、月が出て日が落ちてくる。

「なんだか寒気がしてきます」
「そうだな」

 そして、その正体は直ぐにわかった。何故なら真紅の光が獣王国の連中に牙を向いたからだ。その真紅の光は獣王国の者達を羽虫でも払うかの如く虐殺を行い、獣王を大剣で斬り殺した。その間、たったの30秒。そして、アナウンスが流れた。

【現領域にダンジョンクリエイターリクト様とステラ様の2人を確認しました。該当領域に別クリエイターの勢力を確認。戦闘フィールドを広げます。ダンジョンクリエイターによる大規模戦闘を開始します】

 獣王国を国王もろとも粉砕したのはステラ。その周りにリクトは見覚えのある獣人を見つけた。そして、ステラの持つ大剣にも色こそ違うが見覚えがあった。

「うわぁー手先を送り込んでやがったか……」
「手先だったかはわかりませんが危ないですね」
「先手必勝、全力で殺すか」
「それがいいかと」

 精霊剣矢も大弓も全能力解放して戦場の上空へと放って、無数に分裂させてから降り注がせるリクトの攻撃に対して、ステラは戦場を高速で移動して逃げる。だが、逃げきれずに幾度も攻撃を食らって、身体を半分に失っても再生しながら突撃してくる。時には大剣で防ぎならがら、血を撒き散らして魔法を放って来る。リコリスがリクトを抱えて逃げ、リクトは撃つ事を集中する。追尾技能まで使って放つが、確実に何十回も死んでいるのに追ってくる。

「ひぃぃぃぃっ、怖いですよ!!」
「B級ホラーだな、おい!」
「ほら、早く逃げないと、殺しちゃうよ?」

 リコリスが咄嗟に横に飛ぶと、そこに数百メートルもの大きな真っ赤なデスサイズが突き刺さり、大地を切り裂く。それは直ぐに崩れて無数の弾丸となってリクトとリコリスに襲いかかる。

「化け物めっ!!」

 その姿から吸血鬼だとは連想できるが、実力が半端ない。仕方なく逃げるのを止めて太刀を抜いて構える。

「その化け物を1万回以上も殺してるお兄さんも化け物だよ」

 瞬時に接近してくるステラに対して加護で増幅された肉体は戦闘経験を蓄積する太刀によって自動的に身体が動かされて迎撃する。アイディリアの放つ神速と同等の速度で放たれる太刀をステラは大剣で受け止める。つばぜり合いになりながら、両者は間近で相手を見つめる。

「おい、そこのお嬢ちゃん」
「何?」
「何か忘れてないか?」
「……?」
「わかってないのか。このまま俺達が潰しあえば得をするのは1人だぞ」
「……そうだった」
「その大剣、うちのだろ。返せなんて言わないから先に漁夫の利を狙って大人しくしながら、弱るのを待ってる奴から殺そうぜ」
「ん~いいよ。乗った」

 2人は瞬時に離れて、お互いに探索を開始した。リクトは心の中で距離と時間を稼げた事をラッキーと思っていた。少なくとも、万単位で殺さないと駄目な奴だとわかったのだ。切り札を用意する時間は稼げたのだから。






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