俺は悪くないんだ。ホントに。
ただ…ふと下を見たら、写ってただけなんだ。
見入ってたのは、そりゃまあ、男だし、な?
元はと言えば、そう。昨日降った雨が悪いのさ!
全ては雨がホシなんだぜい?なあ?姐さん…。
「でも、天には感謝さ。良いウサギさんが見れたしな!パンチラプールグッジョーブ!」
………ズガンッ!!
脳天に響く一撃…。記憶喪失にでもなりそうですよ?奥さん。
「死ね!いっぺん死ね!」
うん…記憶喪失以前の問題でしたね。これは確実に死ねる一撃さ。
っつーか…今の俺、実際に死んでる気がするんだけど、どうなの?これ…。
いやいや!冗談じゃない!死んでたまるか!
ぴき
か……体が動きませんヨ?しかも『ぴき』って何さ?
「はあ…ったく!一生そこで死んでなさい!」
…え、え、え……放置プレイ?
俺と薺は普通に下校してたんです。馬鹿話をしながら。
てくてく。てくてく。と。
隣にいた薺はずっと笑ってました。と言っても、バカ笑いです。バカ笑い。
そんな微笑ましい光景の最中!
足下の水たまりを見たんです。なんとなく。
正確には、" 薺の足下の水たまり "
その水たまりは太陽に反射して、水たまりの上にあるものを映したんです。
水たまりの上にあるものは薺。
薺は制服姿。俗に言う『すかあと』
俺の目には…水面に映った……もの。
少し暗かったけど、間違いなかった。あれはウサギさん。
水面にはウサギさんがいたんです。とてもカワイイウサギさんが。
薺の身を包む、小さい布にプリントされたウサギさんが………。
「えっ……おまえ……あっははははは!!」
不覚にも、大声を出して笑ってしまったんです。
「高校生にもなってウサギさんパンツかよ!自重しろって!はははははっ!はは……は、腹いてえ…あははは!!」
周りには大人数の人もいるわけで…。
こちらをぎょっとした目で見てました。
「くすっ」て声も聴こえました。
ずっと笑っていたら、すんごいドス黒いオーラが…薺から放たれてました…。
「……………」
無言でした。わなわなと震えてました。拳を握りしめてました。顔を真っ赤にしてました。
そして俺は、死にました。
その後、何とかして自宅にたどり着きました。ってゆーか今自宅さ。
さて、どうしようか。
まず頭が変形してないか確かめたいんだけど、それどころではない。
薺に謝らなくちゃいけないんだ。
一応、大切な女友達だし…。
こんなことで友達を無くすわけにはいかない。
許してくれるだろうか?…相当怒ってたけど……。
…考えててもしょうがない。善は急げだ!
ぷるるるるる…
電話のコールだけが耳に響く。
ぷるるるるる…
ぷるるるるる…
出ない。
予測はしてた。本当に。
そうだよな。あんなことしちまったらな…。
明日、学校で────
「…もしもし」
「───おぉっ!?」
出た。
予測はしてなかった。本当に。
ってかそんなすぐに予測出来るわけがない。
「……何よ」
「あのー……さ…」
なんて言おうか。
「…その……」
謝ればいいんだ。
「今日は……ごめん」
「…………」
「…………」
─────沈黙。
「…………で…………」
薺が何か言っているが、聴こえない。
「………え?」
「……………んで………」
段々とその言葉が聴こえてきた。
「………………なんで……………」
────!
「なんでよっ!なんで私の計画をぶち壊したの!?」
……………………
「……計画?何?計画って?」
「あの後、私が水たまりに尻餅ついて少し透けたウサギパンツを史郎に見せて好感度アップさせようとしたのに!史郎が途中で───」
……………………ん?
「───ちょっと!聞いてるの!?」
「あ………ああ…聞いてます…ごめんなさい…」
「じゃあ明日はちゃんと計画通りにしてもらうからね!」
ブツッ!
……えー………と…………?
…………………………あれ?
「うわあっ!!」
ガバッと起きると、そこはゴミ捨て場だった。しかも空は暗い。
「……夢か」
ズキン!
とりあえず頭は痛い。
じゃあ今の…最後のはフィクションと判断して宜しいのか。
家に着くなりすぐに薺に電話をかけた。
ぷるるるるガチャッ!
「はい…もしもし?」
出るのは早かった。いや、早すぎじゃないか?
まあ何でもいい。俺のやるべきことは──────
「…今日のことだけど………ごめん」
「なんでよっ!?なんで私の計画を」
ドカドカドカッ!ズガンッ!ベキッ!
俺は条件反射で電話機を叩き壊した。
………なんでだろうね?
翌日。俺は薺に言った。
「…ごめんなさい………薺とは友達としてやってけません……」
そして俺はこの世を去る時『知らぬが仏』という言葉を残した。
〜Fin〜 |