超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.A.(15/20)PDFで表示縦書き表示RDF


超リアルロボットストーリー 超機動要塞ガギグゲゴS.O.A.
作:RC



第十五話 真実は一つ


「お前は…誰だっけ?」
「……」
「まさか…お知り合い?…親戚!?」
「廉、お前は黙ってろ。」
 そして次郎は考え込んだ。
「…あ、思い出した!たしか、以前俺ん家に不法侵入した…イットリウマンだな!!」
「その通り。」
 彼は檻のすぐ前に近づく。
「どうしてお前がここに…一体、何が起こったんだ?」
「私が、君らの頭の中をいじったのさ。」
「いじった?」
「テレパシー能力を極めると、相手の感覚を操れるようになる。方法を簡単に言うと…そうだな、例えば相手がリンゴを見ていたとしよう。そして、私が『目の前にナシが見えている』という想像の情報を伝える。凡人がこれを行った場合は、伝わった相手にしてみれば『目の前に本物のリンゴがあり、それを私が見ている。』という自分自身のと、『実際には見ていないが、ナシが見える。』という加われたのとの二つの感覚が現れるだろう。だが、私は違う。私が送る情報は…規模が大きいのだ。そう、相手が元々感じているものと同じ、いや、それ以上の大きさの情報を伝えられる。つまり、相手の自分自身の感覚の上にかぶさり、錯覚させるんだよ。分かるかい?」
「解説が長いな。」
 次郎はため息を吐く。
「よくもまぁ、こんな手の凝ったことを。」
「自慢の能力だ。こんなことも出来るんだぞ。」
 その時、次郎の隣にいたもう一人の少年の姿が消えた。
「何をした!?」
「さっき言っただろ?感覚を操作しているだけだ、まだそこにいる。だが…」
 そしてイットリウマンの姿も消えた。
「檻は閉まっている、ように見えるね?でも、もし本当は開いていたら…私が君のパートナーを連れて行っても、気付かないだろうね。」
「…廉、まだそこにいるのか!」
「聞いても無駄だよ。聴覚だって思いのままだからな!ハハハハ!!」
「や、やめろー!!廉、返事してくれ!!」
 次郎はしかたなく、手探りで彼を探した。すると、何か暖かいものに触れた。廉である。
「…触覚だけは極められないようだな…」
「なんとでも言え。さぁ、ここから出られるかな!」



「…先輩、どうしたんですか?先輩!」
 廉の声で、次郎は夢から覚めた気分になった。イットリウマンが遠ざかり、テレパシーが効かない領域に入ったからであろう。彼の感覚にしては、もう敵の姿も見えていない。
「先輩、さっきから少し変ですよ。ぶつぶつと独り言を言って…」
「独り言?サイエンサーが見えてなかったのか!?」
「サイエンサーって…何のことですか?」
 そして次郎は、さっきのイットリウマンの姿とそれに驚いた廉の声も、自分だけにテレパシーで送られてきた虚だったと知った。
「くっ…あいつめ、どこまで俺を騙せば気が済むんだー!!」

「で、どうやってここから出ましょうか?」
 説明を受けた廉はすぐにその質問をした。
「問題ない、こういう時のために…」
 そう言うと、次郎はポケットから何かを取り出した。
「…小型銃?」
「そう。念のためにと、サイエンサー以外にも通用するタイプをくれたんだ。」
 次郎はそれを檻の出口部分へ向けた。
「ファイアー!!」
 その瞬間鉄は溶けて、大きな穴が開いた。
「行こう…時間は無い!」

「…どうやって出たんだ?」
 いったんは自由の身になった二人であったが、出てすぐの通路に現れたのはまたしても…。
「まったく…目的はなんなんだ!?」
「言う訳がなかろう。これを潜り抜けるまではな!!」
 次郎少年の目に入ったのは、無数のイットリウマンの姿だった。
「どれが本物か…わかるかな!むろん、そこには誰一人いない可能性もあるだろうが!!」
 あわてる次郎少年。イットリウマンがいるのは開かれた空間、廉に攻撃されるかもしれないので、今回は彼にもテレパシーを送っているはず。
(何か…何か策は…)
 そして彼の目に留まったのは、一枚の鏡であった。ぎりぎり人一人分の姿が映るであろう。
(鏡?…そうか…分かったぞ!)
 次郎は銃を抜いた。次の瞬間、何かが起こった。
「…!?」



「なぜ…なぜ分かったのだ!?」
 発射方法を弾丸へ変えた銃は、先ほどの鏡の近辺を狙い、その弾はみごとに敵に命中したのだった。
「なぜ…ここにいると…」
「簡単な事さ。」
 サイエンサーは倒れこみ、次郎は説明を始めた。
「イットリウマン、あなたは僕らに…自分の姿の情報を伝えましたよね?」
「ああ…それがどうしたんだ?」
「その姿は、とても明確で細かい。本物とまったく同じと言っていいでしょう。ですが…そんな像、自分の想像で浮かびますか?」
「……」
「建物の画像は目で直接見れば分かる。でも、自分の姿だけはそのままだと見えない。今のように…鏡を通してみなければ分からないと思ったのですよ。だから、あなたは鏡が見える場所にいるはずなのです。」
「…すばらしい…まさか、私の必殺技が破られるとはな…。」
 彼は静かに目を閉じた。
「…撃てよ。回復したら、また幻覚を見せるかもしれないんだぞ。」
 イットリウマンに言われ、銃口を向ける次郎。
「…いや…だめだ。」
「え?先輩…」
「お前には生きている必要がある。ザ・ルーラーの…真意を掴むために。教えてくれ…目的は何なのかを。」
「…いいだろう。だが、一つだけ条件がある。」
「何だ?」
「…今は、君一人だけに話したい。相方に少々離れていてほしい。」
「分かった。廉、少しばかりあっちに言っててくれ。」
「了解しました。」
 従うがままに廉は次郎から遠ざかった。
「では、教えよう。今日のザ・ルーラーの真の目的。それは…」
 イットリウマンが口を開いたその時だった。
「先輩、ちょっと!!」
「…今良いとこなのに!!」
 しかたなく振り向く次郎。だが、彼の目に飛び込んできたのはとんでもない光景だった。
「え?廉が…二人!?」












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