第十一話 共同作業が生むもの
「…やったのか?」
某都市からサイエンサーが一時去ってから1分も経たない時間。謎の男二人は街の路地奥で話していた。
「君たちも見ていたであろう?行っちまった。」
報告をする男と残念そうにそれを聞く男。
「前にも言ったが、もともと私は戦いを好まない。この力があってもだ。それを、君たちのために使っているのだ。」
「だが、それでは報酬を与えないぞ。」
「…やつらはいつ戻ってくるか分からない。」
「いつでもいい。」
聞く側の男は距離を置きながら言った。
「我々が欲しいのは、セロファン・フリーザンの死だけだ。」
「…どうすれば倒せるんだ?」
某都市から飛び立った飛行機内では討論がされていた。
「やっぱり、ガギグゲゴを使うしかない。それも、パワーアップ版のを。」
ドッペルゲンガーはそう言うとセロファンの顔を見た。
「…使うのか?後悔するぞ。」
「なら、どうするってんだ!」
彼は目の前の人物に怒鳴った。
「ガギグゲゴはどうするのかね?コピーにプログラムを送っただけでは合体は不可能だ。」
「…ガギグゲゴの損傷程度は?」
「ナトリウマンのとき以上です。見た限りでは。」
結果を話すアメシスト隊員。
「あの時だって1ヶ月もかかったんだ…そんな長い時間、空をさまよってるのか?冗談ではない!!」
「…私が手を貸したらどうなるんだ?」
「え?」
それはセロファンの言葉だった。
「ガギグゲゴの修理の時間は、それが謎ばかりの兵器故に長くなったのだろう?私が残骸のところに行けば短縮されるはずだ。そりゃあ、ダメージにもよるがな。」
「…でも、もし敵の目的があなただったとしたら…危険すぎますよ。」
「アメシストという組織は…そんな勇気のないものなのか?悩んでいる時ではなかろう。」
結果は導き出された。飛行機はUターンしたのである。
「サイエンサーが出たって聞いたんだけど…いない?」
Gウォッチで呼ばれ、今頃駆けつけた廉は、光景に唖然としていた。
「あれ、ガギグゲゴ?ボロボロじゃん。何があったんだろう…」
市役所前にあったのは、赤と黒の塗装がされてある、どこかで見たことのあるようなガラクタだった。よくみると、その近くに山田次郎の姿もあった。
「先輩…どうしたんですか?」
「どうしたって…空気読めよ!つか、遅いよ!!」
次郎の奥には、ガギグゲゴの回路をいじっているセロファンも見えた。
「何故にセロファンが?」
「えぇい、お前はもういいから、どっか行ってろ!」
「メインコンピュータは無事のようだ。」
「そうか…早く作業をしないと。」
老人と少年は機械の巨人の修理を進めた。
「腕の修復にはクレーンが必要だが…用意できるか?」
「頼んでみましょう。」
次郎は走っていった。
(…今は…セロファンが僕たちに協力している…こういうのも、たまには良いのかな…。)
「そーれ!」
飛行機から吊るされたロープで、ガギグゲゴの腕は運ばれた。
「ようし、あともう一息だ。コンピュータが無傷だったのが幸いだよ。」
「もう少し…ああ、あれは!!」
次郎の目に見えたのは、再びやってきたサイエンサーの姿だった。
「でも大丈夫。手は…うってある!!」
そう言うと彼は飛行機に向かって手を振った。
「よし、全機、かかれー!!」
ストックホルムの一声で、飛行機から光が発しられた。何かの合図だろう。
「ん?…な、なにぃー!?」
空を見上げたサイエンサーが見たものは、投下してくる無数のコピー・ガギグゲゴだった。
「このぉ…弱いのがいくつあろうと、敵ではない!!」
怪物はガギグゲゴへと向かって行った。
「まだなんですか?」
「お前は『待つ』ということを知らんのか!?もう少しだ!!」
作業は順調に進んでいく。
〔大佐、つ、強すぎます。…あああ!!〕
機内からは、無線でコピー・ガギグゲゴのパイロットの音声が伝わってくる。
「もうちょっとの辛抱だ。頑張ってくれ!」
そうは言ったものの、この援護の方法はあまり望ましいものではなかった。
「…こんな時間稼ぎで間に合うのか、ドッペルゲンガー?」
「…戦いは数なんだよ、大佐。」
「よし、修復完了だ。」
ガギグゲゴは再起動した。
「じゃあ、早く片付けましょう。」
「…いや…ここは私にやらせろ。」
セロファンは予想外の意見を口にした。
「あなたがですか?」
「合体前後で操作方法は大きく変わる。一度も使った事のない君がやるよりは確実だろう?」
次郎は言われるがままにセロファンにパイロットを譲った。
「セロファン…気をつけてください。」
「私に銃を向けた君に、言えたことか?」
彼はガギグゲゴのヘッドに飛び込んだ。
「ストックホルム!GデメウスとGゼウスを投下してくれ!オートだからパイロットは要らん!!」
〔例の兵器か。分かった。…射出!!〕
「アシスティング!!」
ガギグゲゴから音声が発せられる。セロファンがしゃべっているようだ。声と同時に、戦車型の機械『Gデメウス』が、左右と中央、細長い物体、上部の武器と、5つに別れた。同じく、もう片方の機体『Gゼウス』も、前部と翼のある後部の二つに分離した。Gデメウスの左右のタイヤ着き部分は、左右のガギグゲゴの足の裏、中央部分と上部の武器は左右の肩、細長いものは腰に装着した。Gゼウスの翼は背中に着き、前部は兜のようにガギグゲゴの頭部を包むように合体した。
「無敵機動要塞、ゴッド・ガギグゲゴ!!」 |