第四十話(最終話) そんな虫の良い話は無い
あの後、俺は祖母の家に自転車で死に物狂いで走った。
もうあの町にはいたくなかった。里奈にすら信用され無い自分がいる必要が無いからだ。
今は祖母のいる田舎の中学校で平凡な生活を送っている、中学2年だ。
もうすぐで中学3年になるが、1年の頃のあの生活に比べると幸せだ。
もう大野や里奈、波多野には会ってないし、会うことも無いだろうし。
風のウワサでは、あの後大野の家で里奈が療養しているらしい。大野は私立の有名な名門女子校にいったらしい。
もう俺には関係ない話だ。考えてみれば俺とは住む世界の違うような2人だった。
内水はさらに力をつけ、国政に口出しを出来るレベルまで、ついに身内から国会議員がでるくらいだ。
今思えば、かなり辛かったかもしれない。
でも、もういいんだ。関係ない。
俺がいることで、里奈に対して負担になってしまうなら、喜んで姿を消すし、死んだっていい。
叶わない恋とは分かっているし、今さらどうこう言う気は無い。
今の学校では女子に告白もされた。でも、OKはしなかった。誰かを好きになれることはない。
俺が好きになったのはただひとりで、今も好きでいる。
俺が、里奈を好きだという気持ちは、変わらないのだから。
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