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第三十六話 さよなら (前編)
あれから必死に里奈を探した。誰も頼れない。唯一頼れた大野が今病気で寝込んでいる。
誰も頼れない。一人では何も出来ない。そんな自分が腹立たしい。そんな自分に絶望している。

「はあ…どこにいるんだ?」

次の日も、その次の日も、里奈は学校にいる。なのに放課後、すぐに話そうとしてもいない。

何故だ?

俺は幻覚を見てるのか?流石にそれは…

そんなことを考え、俺はただひたすらに探し続けた。

そして、冬休みに入った。

俺はずっと探した。

本当はもう会えないんじゃないか、話せないんじゃないかって怖くなった。

でも探した。

探していないと、里奈を裏切ったみたいで、結局自分が可愛いだけだった。

そして、冬休みも終わり、ただ探した。

学校が終わるとすぐに。

里奈はすぐそこにいる。なのに話せない。目の前にいても。

大野に呼び止められても無視してしまったりした。

そして、2月の下旬の事だった。

里奈は傷だらけだった。だけど声をかける事もできなかった。

だけど、俺は見つけた。そう、その倉庫を。

だから、その倉庫に、そう、里奈と…あいつ等がいる場所に、走っていった。


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