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異世界落語 作者:朱雀新吾

サイトピアの王様【将棋の殿様】

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サイトピアの王様【将棋の殿様】④

「大司祭にはもう少し頑張って映像魔法を持続してもらいたい。国民に告げなくてはならない事がある」
「陛下!」
 預言師が止めるが、国王の意志は固い。
「よいのだヴェルツ。彼は余に機会をくれたのだ。お主も、わかっておろう。まさに鉄扇で叩かれた心持ちだ。イップクは全てを知った上で、落語を通して余を諌めたのだ。彼が全てを語っても良いにも関わらず……な。それは、大臣も同様だな」

 そう言って国王は大臣を見て、言った。

「ソングよ、すまなかった。愚かな主を、許してくれ」

「…………陛下!勿体なき……勿体なき、御言葉でございます!!!」

 大臣は目に涙を浮かべ、震えながら首を振る。

「…………」
 そこまで言う国王を預言師はもはや止められない。
 とうとう諦めて、うつむいた。

「それでは語ろう。我々が、何故魔族を憎み、何故憎まれる様になったのか」

 そして国王は語り出した。
 今の時代に生きる者が背負わされた、過去の宿命を。

「余は昔から書物を読むのが好きでな。特に古い歴史や古文書を読むのを殊更に好んだ。そして、ある事に興味をもった。それは『魔族とは何なのか』という事だ。ラッカには分かるか?魔族とは何なのか?」

 そう言ってラッカに話を振る。
「何でだよ?魔族は魔族だろう?」

 ラッカの反応に頷き、国王は話を続ける。
「そもそもターミナルにおける種族の違いとは『姿形の違い』だ。エルフ、ドワーフ等はまさに外見から判断出来る。だが、人間と魔族は外見は全く同じ(・・・・・・・)ではないか」

「それは……確かに」

 その事についてラッカは考えた事もなかった。
 当然「そういうもの」だという感覚だけが存在した。
――ん?それって?
 そこでラッカは引っ掛かりを覚えた。

「姿が同じだから、お互い、簡単にスパイが出来る。変化魔法等使わずに間者が行き来しておるのがその証拠だ。これがドワーフやエルフではそうはいかない。当然、外見が違うからな」

 そこで国王は一息ついて、また口を開く。

「では再び問おう。魔族とは何なのだ?闇属性魔法を使う以外は違いはない。外見だけでは、区別がつかない。これは常識だ。民は皆、気がつく筈がない。そう、イップクが言っていた通り、慣習であり、常識だ。当たり前になっているのだ。そして、余はある古文書に辿り着き、予感は確信に変わった」

 皆が話に聴き入る。
 国民全員が、映像を見ている。

 国王が口を開く。


「魔族とは、元々サイトピアの王族だったのだ」
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