Halloween Party with…?縦書き表示RDF


Halloween Party with…?
作:ぺロコ


ピンポーンと家の呼び鈴が鳴る。
ドアを開ける音に続き、楽しげな声が響く。

「Trick or Treat?」










ドラキュラや魔女に変装して家々を回り、『お菓子をくれなきゃいたずらするぞ?』と言って、子供たちがおやつをもらうお祭をハロウィンと呼ぶ。

アメリカを中心とした祭なので、日本では、クリスマスのイベントほど盛り上がってはいないが、様々な店では、かぼちゃの飾りが売られていたり、某遊園地では、それ用のパレードが行われたりする。
そして、そんな楽しいイベントを逃すはずのない小学生が米花町に住んでいる。

現在の時刻は夕方5時半。もう辺りは暗くなり、街頭が仄かに夜道を照らす。
月明かりは、少し曇っているせいか、この地まで届かない。



「哀ちゃ〜ん、これ、どこに置く?」
「そうね……。じゃぁ、あの台の上に置いてくれるかしら?」
「分かった〜!」
「おい、博士は?」
「着替え中よ。何か、かなり気合い入ってたみたいだけど」
「ハハ……自分が1番楽しんでんじゃねぇか」
「ちょっと、元太くん! つまみ食いはダメですよ!」
「いいじゃねぇか、ちょっとぐらい」
「ダメなものはダメです!」
「チェッ……」


阿笠邸に響くにぎやかな声の主は、いつもの5人。
しかし、格好だけはいつもと違う。
ハロウィンパーティーということで、それ用の服装で集まった。

黒い布をマントのようにして、ドラキュラに扮する男の子3人と
紙で作った黒い帽子をかぶって、魔女に扮する女の子2人。
テーブルの上には、かぼちゃの料理とジュースが置かれ、パーティーの準備はもうすぐ完成する。


「みんな、遅くなったのぅ」

ここで現れたのは、この家の持ち主の阿笠博士。

哀が着替えていると言っていたが……その格好はフランケンシュタインだろうか。

「は、博士……それ、何?」

こんな風に歩美が聞かずにはいられないように、全く似合っていない。

「何って、フランケンシュタインじゃよ! どうじゃ? 似合っとるだろ? 歩美ちゃんも哀くんも可愛い魔女さんじゃの。おぉ! 元太くんたちはドラキュラか? 似合っとる、似合っとる」

満足そうにうなずきながら言う博士に

「そう……だね」

もはや何も言えなくなった探偵団5人。


「さぁ、パーティーの始まりじゃ!」

そんな空気に気づかずに、博士が嬉しそうに言うと、

「待ってください!」

光彦がストップをかけた。

「もう1人呼んでるんです。もうすぐ来ると思うんですけど……」
「ん? 誰じゃ?」
「みんな知ってる奴だよ!」

元太がそう答えたとき、ピンポーンと家の呼び鈴が鳴った。

「歩美が出る!」

歩美が楽しそうに言って、ドアを開けにいく。


ドアを開ける音に続き、楽しげな声が響く。

「Trick or Treat?」

「なっ!!」

コナン顔つきが鋭いものに変わる。

「今の声って……」
「はい、快斗さんですよ?」
「……」

歩美に連れられてやってきた快斗は、この家にいる人間とは正反対の真っ白な服装だった。
それは、まさしく月夜に出没するあの姿。

「快斗さん、怪盗キッドですね!?」
「あぁ。仮装にはもってこいだろ?」

ニヤニヤ笑って答えるその目つきは、何かを企んでいるようなあの怪盗そのもの。

「兄ちゃん、似合うな!」
「うん、そうだよね」
「お、嬉しいねぇ」

ニコニコ微笑んでいるのを横から見る、実年齢は見た目よりずっと上の2人と老人は、顔を寄せ合ってひそひそと話していた。

「そりゃ、本物だしな」
「大胆ね、彼」
「そうじゃのぉ」
「どういうつもりだ、アイツ」

しかし、3人の心配は杞憂に済んだのか、パーティーはとても盛り上がった。
哀を中心に作ったかぼちゃ料理をみんなで食べ、その後は快斗のマジックショーが盛大に行われた。
快斗のマジックショーがフィナーレを迎え、大きな拍手と満開の笑顔でパーティーは終わり、みんなで分担して片付けをする。

翌日も学校があるからと、歩美・光彦・元太の3人は早めに博士に車で送ってもらうことに。
哀やコナン、快斗の3人で残りを片付け終わった時、哀が気を利かしたのか、地下室へと降りていった。


「さて」

コナンが切り出す。

「何でオメェ、ここに来たんだよ?」
「あぁ、探偵団の諸君に誘われてね。マジックも見たいってさ。オレ、祭とかそういうの好きだし」
「あいつら、オレに何も言わねぇで……」
「サプライズじゃねぇ? 『言うな』って言われてたし。歩美ちゃんが『コナンくん、快斗お兄さんのことになると、顔が変わるの』って言ってたぜ? オレ、そんなに嫌われてんの?」
「いちいち、マネすんなよ。というか、探偵が怪盗のこと好きになんてなるか! ……にしても、何だよ、その格好」

「あはは、コレ? いやぁ、仮装パーティーだって言うし、どうせならってね」
「まさか、オメェこの格好でここまで来たのか?」
「そうだけど?」
「……バカだな、お前。何、怪盗がのん気に夜道を歩いてんだよ!」
「別に、今日はハロウィンだからで済むじゃねぇか。仮装だぜ、か・そ・う!」
「本物が何言ってんだよ……」

終始呆れ顔のコナンに、快斗は苦笑いを浮かべる。

「ま、いいじゃねぇか」
「それにしても、違和感あるな。その格好にその口調」

そうコナンが告げると、スゥ……と辺りの空気が変わると同時に、タイミングよくキッドの背後の窓から雲の隙間に顔を出した月の明かりが室内に入り、夜の気配が漂う。

「!!」
「オヤオヤ、名探偵は『私』の方がお好みでしたか?」
「バッ、バーロ!! その口調やめろ! 寒気する」
「連れないお方ですね……」
「連れてたまるか!」

またしてもポンポン会話を交わしていると、時間が来たのか、キッドは

「さて、私はこれにて失礼しますよ、名探偵。今宵はお招きいただきありがとうございました」

POM! と、煙幕が張られ、コナンが咳き込む。


ようやく視界も晴れてきて咳き込むのが治まったときには、怪盗の姿は見当たらず、月明かりの差し込む窓が目の前にあるだけだった。

「ふぅ……」

小さく息をつき、ポケットに手を入れると、覚えの無い小さな丸いものが1つ入っていることに気づいた。
慌てて出してみれば、あの独特のニヤケ顔がプリントされた、一目で手作りと分かる飴玉。

「ふんっ!」

鼻を鳴らして口に入れると、ハロウィンらしくかぼちゃの甘い味が口の中に広がり、

「……うめぇ」

探偵は一言呟いた。


それを、どこに仕掛けたのか盗聴器で聞いていた怪盗が、ニヤリと笑ったことを探偵は知らない。


初めての方も、いつも読んでくださる方も、こんにちは。ペロコです。
お読みいただきありがとうございました。

☆さて、今回のお話は、例によって記念日小説。ハロウィン編でした。
快斗にキッドの変装をさせて「仮装」と言わせたかったんです(笑)
そして「Calling〜」「待ってるから…」では青子ちゃんに正体がバレていましたが、今回は完全に探偵団とも知り合いです。
コナンさんが何で怪盗の正体を知っているのかは……調べたのか怪盗がバラしたのかは知りません(爆)

☆こんなお話ですが、感想などいただけたら嬉しいです。
今回のこのお話に限り、指定していただいたら、そのキャラとして返事をさせていただきます。一人称の練習のためにも。もちろん、指定がなければペロコとして返事をさせていただきます。関西弁のペロコという指定でも構いませんよ? (爆)

☆ではでは、これからもよろしくお願いします!













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