前作、「狙われた名探偵」の続きです。
名探偵シリーズ第4段の始まりです。
プロローグ
「ああああああぁぁあっ!!」
耳をつんざく様な叫び声が、静かな病棟の中を駆け巡る。
それは止むことなく、苦しげな息づかいと共に、辺りを異様な空間へと変貌させていた。
病室では医師と二人の看護師が懸命の処置を行っている。
患者は体中に走る痛みに耐えかねて、ベッドの上でのたうちまわっていた。
途切れることの無い苦痛の叫び。その声はすでに嗄れていた。
苦悶の表情を見せる患者を押さえこみ、処置にあたる医師たちは衝撃を受けていた。
この苦しみ様は普通じゃない。
誰もがそう思った。
そして痛ましかった。
患者はあまりにも幼かった。この苦しみに耐え抜く体力もまだない、六、七歳の小さな少年。
「ああああぁあぁっ!っっ!っっ!」
意識を手放す事ができたら、どんなに良かったか。
それもかなわず、少年はただただ叫び続けるのだった。
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