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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第一部 幼少期~少年時代

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第七話 質問タイム

ほぼ全て会話回です。
2013年9月16日改稿
「川崎武雄よ、いや、アレイン・グリードと呼んだ方が良いか。あなたが転生した理由と状況について理解しましたね」

『はい』

「では質問を許可します。何でも訊いて良いですが、その全てに答えがあるとは限りません。尤も、大抵のことは答えられると思いますが」

『解りました。では最初の質問です。質問回数に制限はありますか?』

「最初に時間無いって言いましたよね? 回数に制限はありませんが時間制限はありますよ。残り時間はあなたの主観時間でおよそ18分ほどです」

『了解しました。先ほど転生者の条件で「固有技能をひとつランダムに授ける」というものがありましたが、どうやら私には2つあるようなのですが、これは?』

「ああ、先ほどの理由・状況説明は全員にするビデオの様なものなので、個々人毎に内容は違わないのです。あなたは最期の時に身を呈して一人の命を救っています。その褒美だと思ってください」

『ああ、最後に庇った子供か。助かったのですか?』

「はい、それで貴方にはその子供の分として特別にもう一つ固有技能を授けています。鑑定の技能がそれです。今回はその鑑定の技能がレベルアップしたのでこうして時間を作りました」

『へぇ、レベルアップ。あ、いまの言葉遣いですが、どうも私の意図したのとは違う言葉が出てしまうことがあります。これは私が考えるに肉体的な年齢に精神が引っ張られているのでしょうか?』

「ええ、その通りです。あなたは前世で45才まで生きました。今世ではまだ1才ですが、その精神年齢は46才と言っても差し障りはないでしょう。ですが、あなたのいまの肉体は1才です。体力もそれ相応となっています。あなたの感情や考え方はその年齢の肉体が持つ感性などに引っ張られています。ですが、あと2~3ヶ月もすれば、そのあたりの整合性はとれる、というか今の肉体に精神が慣れるので、精神年齢相応の喋り方も問題なく出来るようになるでしょうし、感情の制御も問題なく行えるようになるでしょう。そのあたりは時間の問題だと思ってください」

『ステータスや鑑定のウインドウ内の文字が日本語に見えます。この世界の文字は日本語なのですか?』

「いいえ、ステータスや鑑定のウインドウは実行者にしか見えません。精神力、本当は魔力で視神経に表示しているのです。ですので、あなたが一番理解できる言語で表示というか表記されているだけです。もし、あなたが英語が一番理解できる言語の持ち主であったら英語表記になったはずです」

『名前の横などに日付のような数字がありますが、あれは日付ですか? また、もし日付であればこの世界の時間の長さ……例えばこの世界で1時間と言った場合、地球の1時間と比べてどのくらい違うのですか?』

「あれは日付で合っています。時間の件は、後ほど自分で確かめて、と言いたいところですが、これは地球の時間と同じです。但し、1年間は360日です」

『今回の列車事故で亡くなったとされる39人全員がこの世界に転生しているのですか?』

「はい、全員が同じ日に転生しています」

『そのうち、私のように複数の固有技能を持って転生した人は他にいますか?』

「いいえ、いません。あなただけが特別に複数の固有技能を持っています」

『私以外の転生者がいる場所を教えてください』

「それは後ほど自分で探すなり調べるなりしてください」

『私の妻は元気でしょうか?』

「あなたが亡くなって暫く、そうですね、半年ほどは精神的にかなり辛そうでしたが、今は元気に日々を過ごしているようですよ」

『そうですか、それはよかった。前世の家族に連絡は取れますか?』

「無理です。こちらが原因であなたの命を絶ってしまって申し訳ありませんが、あなたは既に死んでいるのです」

『そんな、理不尽な……。転生者に今回の説明をするのは私が初めてですか?』

「いいえ、あなたの前に説明した人はいますよ」

『そうか、既に固有技能のレベルアップをした人がいるのか……』

「既にその方の一人は今世でも亡くなっていますがね」

『え? もう死んでいる人もいるのですか?』

「はい、39人中既に8人が亡くなっていますよ」

『死因を教えて下さい』

「精神錯乱からの事故死が一人、病死が四人、単純に世帯収入が低く、間引きの対象になっての餓死が一人、騒乱に巻き込まれ、ダメージを負っての死亡が一人、捕食対象となって食い殺されたのが一人ですね」

『うわ、俺は運も良かったんだなぁ。転生者の転生先はどのようにして決定されたのですか?』

「完全にランダムですが、近隣に転生者がいないように全員ある程度の距離は置かれています。ですので最も離れた人との距離はかなり離れています。ちなみにあなたは転生位置では端の方です」

『私の前にお会いになった転生者のうち何人が既に死亡しているのですか?』

「一人です」

『私の前に何人の転生者とお会いになられましたか?』

「二人です」

『では、現在生存している転生者のうちで神様がお会いになられたのは私ともう一人だけですね』

「はい、そうです」

『この世界に名前はありますか? あ、前世で言う「地球」のような呼び名ですが』

「普通はオース、と呼ばれているようですね」

『この世界は天体なのですか?』

「それはご自分で確認してください。世界には端があって、その端では海水が落ちているかも知れませんし、蛇、亀、象の上に半球が乗っているかも知れません」

『この世界の物理法則は地球と同一ですか?』

「魔法が一部物理法則を捻じ曲げることが出来ますが、それ以外はほぼ地球と同じだと思ってもらって構いませんよ」

『この世界の自然、植生や動物などで地球と共通ではないことはありますか?』

「沢山あります」

『それはどんな事ですか?』

「植物分布などで地球とはかなり異なることもあるようですが、共通してることも多いです。また、動物も地球と同様に進化していますが、進化の樹形図が異なっています。あなたも既に知っているでしょうが、獣人類などがその最たる例ですね。もっと細かいことは沢山ありますが、それらの説明をすると時間が足りませんが、時間いっぱいまでの説明を望みますか」

『いいえ、結構です。この先の質問で関連することがあれば都度その部分についてご説明願います』

「はい」

『私は1年ほどこの世界で生活してきましたが、文明レベルは地球で言うどの程度なのでしょうか? 私の暮らしてきた土地が平均なのかわからないもので』

「だいたい地球で言う7世紀~15世紀くらいですね。地方によっても異なりますので一概には言えません。また、文明という言葉の定義が曖昧なので、各種道具や服飾、食事や商業の文化的発展度など最低から最高レベルまでごちゃまぜで考えると先の答えになるというだけです。なお、あなたが暮らしてきた土地はかなり進んでいる方ですよ。これ以上は自分で直接確かめてください」

『この世界の地図を貰えますか?』

「あげられません。ここでは許可された範囲での知識を質問に答えてお渡しするだけです。また、何か物品や画像イメージとなるものはお渡しできません」

『なるほど、じゃあ、全く知らない知識はどうなるのかな? あ、すみません。ではチタン合金の精錬の仕方を教えてください』

「教えられません。ここでは許可された範囲での知識を質問に答えてお渡しするだけです」

『うーん、これから先の私の人生で再度神様にお会いして質問する機会がありますか?』

「あるかも知れませんし、ないかも知れません」

『それは私のこれからとる行動によって変わるということですか?』

「どうでしょうね。ただ、我ら神はこれでも忙しいので、常にあなたがたの行動を監視していたりはしませんし、あなたがたこの地に生きるものや地球に生きるもの達の呼びかけに答えることもありませんよ。なのでこれが最初で最後の機会だと思っておいたほうが良いでしょうね。ただ、接触すること自体は禁じられておりませんので、こちらから接触する必要を認めた場合には、再度このようにして会うことになるかも知れません。まず無いでしょうが」

『もっと身近で細かいことを聞いたほうが良さそうだ。と、すみません。固有技能なのですが、ステータスオープンで見れる情報だと暗い赤い字で表記されていますが、これは何故ですか?』

「字の色が赤いのは固有技能だからです。また、固有技能は他人がステータスを見ても見れません。本人しか見ることはできませんし、固有技能に限らず、レベルのある技能についてのレベル情報は本人にしか見えません」

『先ほど、鑑定の技能がレベルアップとおっしゃいましたが、どうレベルアップしたのでしょう?』

「それは後ほど自分で確かめてみてください」

『レベルアップすると何かいいことがありますか?』

「言葉の意味からすると有るのでしょうね。後ほど自分で確かめてみてください」

『ステータスオープンと鑑定の固有技能とはどのような違いがありますか?』

「ステータスオープンは特別な能力ではありません。誰でもいつでも使うことが出来る代わりに、得られる情報は限定されています。鑑定は貴方だけが使える代わりにより詳細な情報が得られます』

『私の命名の儀式において、司祭が「命名」の魔法を使っていました。私も使えるようになりますか?』

「命名はいささか特殊な技能です。長年にわたって私たち神に仕えた者に希に与えられる技能です。私たち神は1年に1回だけ神を祀る社に赴きます。そこで神同士旧交を温めたりもするのですが、その際に幾人かの神官を選び命名の技能を与えます。よく仕え、清らかな心を持ち、そしてその心の永続性を疑わせないような人物にのみ命名の技能は与えられます。普通の地球育ちの人物ではそういう人はまず居ませんので、命名の技能をあなたが獲得することは無理とは言いませんが難しいでしょうね』

『神を祀る社って、神社か。出雲の国の神在月のようなものだろうか? おもしろいな。と、そのタイミングで幾柱の神様がお集まりになられている神を祀る社に行けば、お会いすることはできるのではないですか?』

「ええ、神社でいいですよ。オースでは神を祀る社と呼ばれていますが、同じものと考えて構いません。私たちは直接社の中に実体化して集まるのではなく、このように別の空間を社と重ねて集まるので会うことはないでしょう。ですが幾柱かの神はオースの民と深く関わっています。あなたがこれからの生活において世界に雄飛する事があれば自ずと理解できるでしょう。直接会えないとは思いますが」

『固有技能以外で、例えば特殊技能をこれから得ることは可能ですか?』

「可能です。特殊技能というとなにやら難しそうですが、ある特定の方向に向いた才能、だとでも理解してください。恐らくそれが一番近いです。例えば、地球では有名だと思いますが、地球の一般的な蝙蝠は特殊技能:超音波を持っています。また、高名な芸術家などもなんらかの技能を持っていることが多いようですね。大きく分けると自分の努力次第で後天的に得られる技能と、先天的にしか得られない技能に分けられます。ちなみに後天的に得られる技能は魔法に関する技能のみです」

『なんと、俺も魔法が使えるようになる可能性は否定されなかった! あ、度々すみません。では走るのが速いとか剣を使うのが上手いとかは技能ではないのですね』

「ここでは思ったことは全て判りますのでいちいち謝る必要はありません。そうですね、瞬足や剣技などといった技能はありません。速く走りたいのであれば体を鍛え、剣を上手く扱いたいのであれば練習をする必要があるでしょうが、後天的に獲得できる技能とは根本的に異なります」

『私の持っている固有技能の天稟の才とはどのようなものですか?』

「それは教えられません。ここでは許可された範囲での知識を質問に答えてお渡しするだけです」

『ヒントだけでも。あ、「天稟の才とは天才という意味です」

『それは知って「そろそろ時間です」

『解りました。最後に一ついいですか?』

「ま、いいでしょう。なんです?」

『私はこの世界で出世できそうですか?』

「今回の転生者全員が一角の者になれる素質を与えらています。特に記憶の継承と固有技能は非常に、いえ、ものすごいアドバンテージです。あなたはその固有技能を二つも与えられています。これで出世できなければ、あなたは余程の愚か者か、ものすごい小心者、ということになります。ああ、別にそれでも何の問題もありません。我々のミスで不本意な人生の中断をされてしまった訳ですから、ハンデくらいあげます」

『解りました、期待していてください』

「誤解しないで欲しいのですが、我々は転生者の方々に何の期待もしていません。こうしろ、ああしろとも言いません。ただ、新たな人生を用意したに過ぎませんので。ですが、満足のいく人生を送れるといいですね。では、これで終わりです」



・・・・・・・・・



 気がつくとベッドにいた。
 一度にいろいろな情報を得たため、少し混乱気味だ。
 特に転生の原因については今更ながら多少腹が立つ。
 まぁ、神様に不満を述べても仕方ないのだろうが。
 愚痴を言ったり、のべつ幕なしで不満をぶち上げてなにか解決するのであればいくらでも言うが、そんな事は今までの人生で何一つなかったしな。むしろ言われた方の不興を買うだけで何も益することはない。
 与えられた材料と状況で最善を尽くすのみ、だ。

 ただ、これは夢ではない事は確かだろう。

 なぜなら、目の前にステータスのようなウインドウが浮かんでおり、そこには

「ある意味でここからがこの世界での人生の本番です。未だこの入口にすら辿りつけていない人もいますが、貴方は39人中3番目にスタートラインを踏み越えているのです。これから先、何をするのも貴方の自由です。
 また、もう二度と転生はありませんので、後悔だけはしないような人生を送ることを勧めます」

 とあった。

 ふざけている。と思ったが、転生や前世記憶の継承、固有技能などもっとふざけていると思ったので黙ってウインドウに「消えろ」と念じた。

 本当は先ほどの神様とはもう少し突っ込んだ話もしたのだが、ここでだらだらと全てを述べてもあまり意味がないだろう。
 機会があればその内容を述べることもあるかも知れない。

 
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