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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第十八話 情報収集

7442年6月1日

 日の出前に目を覚ますと早速ランニングに行く。あ、ここ盆地じゃん。本当に日の出前なのか疑わしい。とにかく走って盆地を囲む丘の上の道まで行ってみた。木々の隙間から東を見ると丁度太陽が顔を出し始めたところだ。東側から登ってみたので半周してから折り返すか。

 宿に帰るとシャワーが浴びたかったがビンス亭にあったような裏庭がなかったので諦めた。だが、汗に濡れた俺を見た宿の男がシャワールームを教えてくれた。どうやら屋根の上に水魔法で水を蓄えているらしい。なんだよ桶買ってこなくてもいいじゃん。シャワールームでシャワーを浴びるついでに温水シャワーにした。うむ。このシャワールームだと覗かれる心配もないからいいね。

 シャワールームを出る前に体を乾燥させて、予め用意した着替えに袖を通す。扉を閉め、「使用中」の赤札をひっくり返して「空き」にした。なお、シャワーの使用料金は一回100Zだ。水シャワーなのに高ぇ。排水の手間を考えると桶を買ってきて自室で浴びる程じゃない価格設定なのが微妙な気分にさせる。

 さて、朝飯でも食いに行くか。その後は昼飯まで散歩でもしながら街の構造を少しづつ頭に入れるとしよう。



・・・・・・・・・



 朝食を摂ったあとはぶらぶらとバルドゥックの街をぶらついた。中心から外周に向かって伸びる大通りは西に伸びる川沿いの一番から時計回りに八番まである。あまり迷いそうにない構造ですぐに慣れることが出来るだろう。

 商店は武器屋や鍛冶屋は勿論、迷宮の中で役に立つ小道具屋のような店まである。魔石の商売をする店、保存食を扱う店、いろいろだ。農家は外周に近いあたりらしい。極端に迷宮に偏った街なのだと改めて思う。

 あ、そうだ。ついでだから迷宮の入口でも見に行ってみようかな。そう思って街の中心部を目指して歩いていく。番号のついた大通りを周囲の丘を背にして歩けば必ず到着するはずだ。程なくして入口に到着した。だが、勿論地面に穴がぽつんと空いているわけじゃない。それどころか二階建ての立派な建物だった。

 建物の中に入口があるのだろう。建物の入口に衛兵のような槍を持った人が二人いるのが見えた。建物を中心に半径40mくらいが空き地になっており、空き地の周囲には露店が並んでいる。だが、そんなものよりも俺の目を引いたのは……建物の入口周囲にそれぞれ座り込んだりしている薄汚い冒険者風の連中だ。数えるのも面倒なくらいいる。何十人だ? 事によったら百人以上いるかもしれない。

 なんだ? こいつら。近寄らないで露店を冷やかしながら暫く遠目に観察してみると、すぐに理解できた。この場所に溜まっている奴ら全員が同じではないだろうが、基本的には迷宮に挑戦する冒険者集団のメンバーに入れて貰おうとしているようだ。後から来て迷宮の入口をくぐろうとする集団が十人以下なら

「俺は二層に行ったことがあるぞ」
「あたいは一層ならどこに出ても出口まで行けるよ」
「槍使いは必要ないか?」
「俺は三層まで案内できる」

 とか口々に自分を売り込み始めたのだ。それ以外だと

「火魔法が使える三人組だ」
「よう、あんたたち、あと二人、加える気はねぇか?」
「我らはヨーライズ子爵騎士団の方から来た。一緒に行かぬか」

 と言う数人がまとまっている集団もある。っつーか「方から来た」ってなんだよ。消火器の押し売りかよ。どうせ大した実力じゃないんだろうな。だいたいまともな騎士があんなボロいリングメイルなんか着てるかっつーの。一応金属部品も使っているから革鎧よりは防御力がありそうだけどさ。その粗末な盾に描かれているのはヨーライズ子爵とやらの紋章か? 本人が見たらきっと怒るぞ。粗末すぎて。

 どうもこの野良冒険者どもは大きく二つに分けられるようだ。一つは単純に仲間の数だけだと不安なので一緒に探索するメンバーを募るもの。これはいい。もう一つは、多分間違ってないと思うが、迷宮に入るための税が払えないので十人のメンバーを満たしていない集団に対して自分を売り込み、税を払ってもらおうとする小判鮫のような奴ら。

 小判鮫と表現したものの、冒険者一行に加わり、それなりに戦力になるような奴がいないとも限らない。傭兵のように自分の腕を売る奴がいてもおかしくはないだろう。ある程度の凄腕がガイドをするという商売も成り立つんだろうな。料金は税を払うだけじゃないだろうけど。ふむ、このあたりも情報収集が必要なようだな。何も焦って準備や情報不足のまま迷宮に突撃する必要はないのだ。

 暫く眺めていると、更に解ってきた。実力のあるガイド(?)達は入口の傍ではなく、ちょっと離れたところで特に声をかけることなく大人しく座っているか、腕を組んで立っているかだ。少なくとも彼らの方から積極的に声を掛けるようなことはしていないように見える。どちらかというと、数人の冒険者の集団がこの広場に入ってきたあとにきょろきょろと見回して、顔馴染みになっているらしいガイドを見つけて声を掛けるようだ。ひょっとしたら単なる待ち合わせなのかもしれないが。

 このあたりの事が解ってきた時点で30分程が経過し、入口周辺の奴らも迷宮に入る奴は入口を潜り、そうでない奴は見切りをつけて三々五々散っていき、閑散とし始めた。俺は露店で買った何の肉かわからない正体不明の筋張った肉の串焼きをくちゃくちゃと噛みながら、辺りを見回した。出来れば詳しそうな奴に話を聞きたい。だが、既に冒険者のような身軽で且つしっかりと武装を整えたような風体の奴らは姿を消し、今度は一般の人々が行き交い始めたようで、話を聞けそうな奴を見つけることは出来なかった。ふむ。別にいいや。

 迷宮の入口になっている建物を守る衛兵に声を掛けるべく近づいていく。ああ、串焼きは大して旨くもないしとっくにうっちゃっているから風体はそんなに悪くないと思うぞ。俺は年上だと思われる中年の衛兵に近づくと声をかけた。

「こんにちは、お役目ご苦労様です。少しだけお話がしたいのですが、宜しいですか?」

 衛兵は俺の姿を頭の天辺から爪の先まで眺めると口を開いた。

「なんだね?」

 にこりともせずに言って来たが、口調は多少柔らかく感じる。

「お忙しいところ申し訳ありません。私はウェブドス侯爵の縁の者でグリードと申します。世間を知らない田舎者で恐縮ですが、この場所のことをお教え頂けないでしょうか」

 俺がそう言ってプレートを見せると、少しだけ衛兵の態度が改まったが、こういった質問にはある程度慣れているのだろう、

「ああ、迷宮のことなら行政府へ行くといいでしょう。貴方にならそこで詳しく教えてくれるはずです」

 と返答された。なるほど、行政府で情報を集めるのは常套手段のようだな。

「そうですか、ご丁寧にありがとうございます。お名前をお伺いしても?」

 衛兵は意外そうな表情をしたあと、

「ジョンストン・チャーチです。ですが、なぜ自分の名前を?」

 と尋ねてきた。俺は薄く微笑みながら言う。

「いえ、ご親切にしていただいた方のお名前をお伺いしないわけには行きません。行政府でもお礼を述べさせて頂く際に困ってしまいますから」

 そう言うと頭を下げくるりと回れ右で引き下がった。前振りとしてはこれでいい。



・・・・・・・・・



 昼まで別の場所を散歩しながら時間を潰すと昨日の店に行った。既にゼノムとラルファは到着しており、テーブルを確保して俺が来るのを待っていたらしい。待たせたことを詫びながら昼食を注文し、今月分の給料を金朱一個と銀貨15枚で渡してやると一緒に昼食を摂り、行政府へと向かった。

 行政府はこの街の中央からやや北西にずれたところにある三階建ての大きな建物だった。あまり広くないロビーに入ると掲示板のようなものが目に付いた。掲示板には納税窓口などの住人向けの案内が書いてある。どこにも冒険者向けの案内などは書かれていない。この街では冒険者向けの掲示板は無いのだろうか? 俺たちは疑問に思いながらも奥へと進み、適当な窓口に近づいて声を掛けるとすぐに教えてもらえた。

 冒険者向けの掲示は裏口らしい。要は入口を間違えただけだ。知らなかったので仕方ないが、そのくらい書いといてくれよ。裏口に回り、無事に掲示板を見つけることが出来た。キールの行政府と同様、受付の係もいる。ちらっと掲示板を見るが書いてある内容はキールの行政府とあまり変わりがないように見える。だが、荷物の配達が多いようだ。国内各地に向けての配達が結構ある。この街の職人は腕がいいみたいだな。

 そんなことを思いながら受付の係に声を掛ける。当然迷宮についてだ。ここで無駄な会話をしても意味はないので早速、ウェブドス侯爵のプレートを取り出して、迷宮について詳しい人を紹介してくれと頼むと、騎士団を紹介された。ここにも当然のように騎士団があるのか、と思うが、すぐに納得した。当たり前だ。王直轄領とは言え代官か王の親族が統治しているのだろうし、治安を維持するための兵力が駐屯していないわけがあるか。騎士団という表現が悪いのだ。警察とか治安維持部隊とかと同じもので、各々の任務の合間に外征や防衛のための遠征もする、という方が適切だ。

 日本で言うと自衛隊(軍隊)警務隊(憲兵)が民間に対しても警察権を行使しているようなものだ。騎士団と言うと馬に乗って鎧を着て剣や槍で武装していて、戦争の時に勇敢に突撃するというイメージが先行してしまうのは、オースで14年も生きているのにどうにも抜けきらない。騎士団に何通りもの意味があるのがおかしいと言えばおかしいのだが、昔の日本でも武士のような軍人が警察権を持っていた。同心やら岡っ引きやらが出来たのは江戸時代だ。それだって岡っ引きはともかく、同心は軍人である武士の役職の一つだった。世界的に見てもこれは正しい流れで上級の特別な役人以外は基本的に軍人が役人も兼ねていたことが多かったし、警察権を持った軍は当たり前のように主流だった筈だ。

 つまり、俺はまだ完全にオース(この世界)に生きる人間には成れていないと言う事か。自嘲のような硬い薄笑いが顔に張り付くのを意識しながら、騎士団の所在地を聞き、ゼノムとラルファと三人で騎士団の屯所を目指した。

 騎士団の屯所は街の東の外れにあった。てくてくとそこまで歩くうちに初夏の日差しで汗が噴き出してくるのを感じる。盆地なだけあってあまり強く風が吹かないのも一因か。これからの季節、相当熱くなるのかもしれないなどという話題を口の端に載せながらやっと屯所に辿り着き、門番の従士に侯爵のプレートを見せ、行政府で紹介を受けたと説明した。

 従士はそのままで暫し待つように言ったあと、紹介を受けた騎士の在所を確認するためだろうか、奥に引っ込んでいった。俺たちは手ぬぐいで汗を拭きながら残った門番に夏にはどのくらい熱くなるのかとかどうでもいい話題を振りながら時間を潰していた。

 10分くらいそのまま待った頃、従士は戻ってきた。目的の騎士は面会を許可してくれたようだ。俺たちは従士に案内され建物内部の応接室に腰を据えることが出来た。日を遮られているだけで多少は涼しく感じられるのが有難かった。

 数分も待つと、一人の騎士が先ほどの従士を伴って入室してきた。従士は単なるお茶汲みで同行しただけのようだ。お茶を配り終えるとすぐに退室していった。紹介された騎士は隊長クラスの幹部らしい。俺は時間を取ってくれたことに丁寧に礼を述べると、すぐに本題に入ることにした。地方貴族とは言え肥沃で広大な領地を構えているウェブドス侯爵の威光もあるのだろう、騎士はかなり丁寧に質問に答えてくれた。

・バルドゥックはロンベルティアと並ぶ本当の意味での王直轄領であり、代々受け継がれている。(王直轄領の中の都市は他にも幾つもあるが普通は親族や代官に統治させている)

・理由は、初代ロンベルト一世の建国の礎をつくった地であるからとされているが、すぐ隣が王都であることと、腕の良い職人も王都並みにいるうえ、平民や自由民の冒険者も多いので税収も高いことが実際の理由。簡単に言うと大きな金蔓。ここには冒険者がこの街で換金する魔石などの収入も大きく寄与している。

・迷宮では確かに一攫千金が可能。モンスターを倒せば魔石は得られるし、モンスターは冒険者の持っている金に興味を示さないことが殆どなので回収できれば結構な収入になる。また、極々希にだが、どうやっても再現できない魔法の武具を身につけた人型のモンスターもいて、倒せば当然入手できる。売るとすれば白金貨どころではないほどの値打ちものとなる。

・迷宮に入るのは一部隊(これはパーティと呼ばれることが多いらしい)十人くらいが限界だが、通路の大きさなどからそれ以下の人数で入るパーティも多いらしい。また、傭兵のようなガイドを生業にしているものもいる。朝早くに入口に行くと会えるはず。

・迷宮の階層は判明しているだけで八層と言われているが、ここ数十年では五層までしか到達者はいない。八層まで行けたのは初代ロンベルト一世と同行したその部下たちだけ。

・迷宮各層は転移の水晶でしか行き来出来ない。この水晶のある小部屋は迷宮内の至る所にある。だが、移動できるのは直前に触った転移の水晶のみ。迷宮中心にあると言われている転移の水晶だけが特別で出口の部屋(最初の水晶がある部屋の隣)と一つ下の層のどこかの水晶へと転移可能。

・転移先の水晶からは必ずしも下の階層へと転移可能な水晶がある中央の小部屋に通じる道があるとは限らない。その場合は戻ってやり直すしかない。(朝見かけた小判鮫のような冒険者達の一部は嘘を言っていたようだ)

・迷宮内に仕掛けられたりしている罠類は誰が修復しているのか全く不明だが大抵は一日も経つと再び動作するようになっている。勿論例外もあり。頭の良いモンスターが修復を行っていると見られている。

・迷宮の一層は洞窟状の洞穴となっている。幾つもの小部屋を洞穴が繋いでいる。

・二層は妖精の住む水たまりがあるらしいがこれは初代ロンベルト一世の話からしか確認されていない。また、蛇の噴き出る噴水のようなものがある。

・三層は石造りの迷宮で、まるで拷問部屋のような不思議な器具がある部屋もある。

・四層はアンデッドと呼ばれる系統のモンスターの巣になっている。

・五層は動く石像や黒い炎が燃える祭壇のようなものが確認されている。

・六層はこれも初代ロンベルト一世の話だが水晶もないのに転移が繰り返される迷路状の場所で猪のようなモンスターが跋扈しているらしい。

・七層は強力な大鬼人族オーガに守られた迷宮。

・八層は大きな洞窟の集合体で初代ロンベルト一世の言葉によると「重なっている場所があるとしか思えない」作りになっている。ここで大きな財宝を得たロンベルト一世の冒険は終了している。

・少なくとも五層までは不思議なことに壁がある程度発光しているため明かりについてはほとんど心配はいらない。ほとんどというのは必要になる場所もあるということ。

・三層までは不完全ながらもある程度詳細な地図が販売されている。販売場所は冒険者向けの小道具屋など至るところにあるが、各々内容のチェックが行き届いていないので細部は異なっていると思ったほうが良い。また、未踏破部分の情報や地図などは高値で買い取ってくれるところも多いはず。

・四層以降はひと握りの実力者達しか行けないので今のところ地図が販売されたことはないはず。だが、彼らは独自に地図を作成している模様。

 これらのことが新たに判った。最後に騎士団は迷宮に行かないのか聞いてみた。だって、腕試しや、訓練の一環として挑戦することもあるだろうと思ったからさ。すると「騎士団は迷宮内部のことに関知はしない。訓練を積んだ騎士と言えど命を落とすこともあるし、そうすると熟練した騎士や従士を無為に失うことに繋がる。モンスターが迷宮からぞろぞろ出てくるような事態にでもなれば全く別だが、迷宮のモンスターが出てきた試しはないので問題視はされていない」と言われた。それもそうか。モンスター相手に戦っても軍隊が強くなるわけじゃないしな。騎士団はバルドゥックの街の治安をしっかりと守り、必要な際に外征や防衛戦争に参加出来ればいいのだから。

 経験値を貯めることによってレベルアップし、少しづつ強くなるなんてことは知られていないし。レベルが高いからといって戦闘力が跳ね上がるわけじゃない。筋力や俊敏さが上がればHPも増え、総合的に強くなると言えないこともないが、それらを制御するのは日々の稽古の積み重ねで少しづつ、だが確実に積み重ねられて培われた技や、本当の意味での戦闘経験なのだ。

 レベルアップだって予めそれを知っていて且つ予感していない限りはまず気がつかない。筋力の値が1上がったとして今まで持てないくらい重かったものが軽々と持ち上げられたりはしないのだ。多分各能力の値が10かもう少し上くらいまではある程度値に比例している感じもするが、それ以降は値に比例していない気がする。健康に育った15歳くらいの男子の倍近い筋力の値を持つ30代の男性の力は多分倍もないだろう。能力の値と実際の能力は曲線を描くように値が上昇すればするほど1ポイントの差異(価値)は低くなると思われる。グラフで表すなら、準線から最初は急激に、その後は次第にゆっくりと遠ざかっていくような、逆放物線に近いものだろうか。そうでなければいろいろと不都合が多すぎる。

 頑張ってジャイアントリーチを叩き潰しているだけでも10や20レベルになることは出来るだろうが、そんな奴がいたとしてもちゃんと訓練を積んで一人前になった数レベルの従士なら苦もなく捻ることができるだろう。流石に100レベルを超えるようなら俊敏や耐久なども尋常じゃないだろうから勝てないだろうが、そういう事を言いたいわけじゃないことは解ってくれるよな。

 逆に言うと、同じような腕であればレベル差や年齢差による各種能力の値の違いははっきりと差異となって現れる。腕の差も僅かな違いであれば各種能力の値によってはそれをカバーすることも可能だろう。能力の値が100とか200とかのレベルにでもなればまた違うだろうけどさ。普通に考えてそこまで到達できるとはとても思えない。

 とにかく、新たな情報を得ることができたのは喜ばしいことだ。おっと、忘れるところだった。俺は昼前に会った衛兵のジョンストン・チャーチの名前を出し、彼に親切にされたことについてひとくさり礼を述べると騎士団を退出した。

 ゼノムとラルファを伴って、また迷宮の入口に向かったが、ジョンストン・チャーチは居なかった。交代したのだろう。俺は二人に腕っこきのガイドについて詳しそうな衛兵が居ることを改めて説明し、明日の昼、また昼食を一緒に摂ることを約束して別れた。

 今の時間は午後4時くらいだろうか。夕方まで街の地理を頭に入れようと散策し、適当に晩飯食ってベッドに入った。ベッドに入ってからはたと気づいた。この街は冒険者がたくさん集まっていると聞く。ならば、当然のごとくあるのではないだろうか? でももう夜だし、酒飲んじゃったし、シャワーも浴びたし、明日でもいいか。目を閉じて眠りについた。

 
 アルが衛兵に声をかけたのは、毎日かはわかりませんが、しょっちゅう衛兵としてこの場所に立っているはずだから、冒険者やガイドにも詳しそうだと踏んだからです。露天商でも良いのでしょうが、露天商は自分の商売が心配なのでガイドの実力などには興味が無いと思われます。
 あと、ゼノムとラルファの給料は二人で割るとアルと出会った頃のクローの給料と同額です。クローのように自由民ではないので一人頭年間金貨1枚もの税を納める必要はないので可処分所得は多いですが、高給というわけではありません。
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