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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第五話 情報交換

7442年4月17日

 『ダックルトン』の前で待っているとすぐに二人が現れた。

「よお、アル、今日は悪いな」
「本当、ご馳走様ね」

「ああ、いいさ。入ろうか」

 声を掛け合って店の戸を開ける。
 クローが驚いた程の高級店だけあって、まだ日が高いというのに店は戸を開け放つようなことはしていなかった。重厚なオーク材の戸を開けるとすぐに絨毯敷になっており、店の中は灯りの魔道具によって照らされている。明かりも煌々としたものではなく、上品に少し控えめにしてあるようだ。

 俺が入口の脇にあるフロントのような木製のカウンターの奥にいる店員に予約してある旨を告げると、20代の若い店員は俺たちを見て慇懃に口を開いた。 

「お客様、そちらの方々のお召し物ですと、その……」

 クローとマリーの顔色が変わる。俺の顔色も変わる。あー、確かにクローとマリーの格好は不潔でこそないが、不潔ではない、と言うだけの服装だ。
 袖はほつれが目立つし、シャツの襟はベロベロに伸びている。
 裾だってほつれてモップもかくや、という感じだ。
 マリーはゴムサンダルだし、クローに至っては何も履いていない。裸足だ。
 これは言われても仕方ない。

 しかし、ドレスコードがあるのかよ。知らなかったな。確かに店にも格はあるだろうし、店に合った服装は必要だろう。
 だが、今日は個室を予約しているのだ。他の客の目には付かないだろうから、見逃してくれないかな。

「アル、その……私達はいいよ」

 ちょっと待ってくれ。

「あー、その、個室を予約しているから他の客の目にはつかないし、ダメかな?」

「申し訳ございません、当店の規則でして、私には何とも……」

「そんな堅いこと言わないでさ、どうかな?」

 店員に銀貨を握らせる。これでダメなら伝家の宝刀である義姉さんに貰ったウェブドス侯爵のプレートを使うしかない。
 万が一にもこんなつまらない事で使ったとか知られたくないんだけどなぁ。
 しかし、どこの世界でも賄賂、いやいや心付けは効くものだ。

 店員は握らせた貨幣が銀貨であることを確認すると、「今日だけ特別ですよ」と言って引き下がってくれた。

 ふぅ~、よかった。

「大丈夫だってさ。来いよ」

 俺がそう言うと二人は顔を見合わせたがすぐに付いて来てくれた。
 店内を案内され個室に行くが、店内のテーブルには客は一人もいなかった。
 飯時じゃないし、高級店ならこんなものだろうか。

 だけど、前に来た時は独り立ち前夜での興奮もあって、あまり気にしていなかったが、本当に高級店なんだな。テーブルの間隔は非常にゆったりとしていて、それらのテーブル自体も高級品のようだ。

 そう言えば椅子もテーブルも木製ではあるがちゃんと表面処理がされており、ニスのようなものが塗られていて艶もある。テーブル全体を覆うテーブルクロスこそ無いが、ランチョンマットのような物は各席にあり、珍しくナイフやフォークも揃っている。
 やべー、料金確認しときゃよかった。大丈夫だろうけど。

 奥の個室に入ると、部屋に備えられているテーブルはたっぷり8人が腰掛けられるほど大きなもので観葉植物っぽい飾りの草木が部屋の隅にあり、テーブルの真ん中には花が活けてあった。壁にはレストランのホール内のように白い壁紙も貼ってある。明かりの魔道具は部屋の四隅の天井に設置されており、柔らかな光で部屋を照らしている。

 早速席に着くとクローとマリーの二人も並んで俺の向かいに座った。

「メニューは本日のコースしか選べないそうだから、飲み物を頼むか。何がいい?」

「うぇあ、をわ、わ、ワイン頼んでもいいか?」

「ちょっと、落ち着きなさいよ、私もワインにする」

「じゃあ、コースに合うワインを一本頼むか」

 俺は席を立ち、部屋の入口隅にあるスツールの上の小さな鐘を鳴らす。前に来たとき、これで店員を呼ぶのを見たんだ。

 すぐにボーイがノックして現れたので本日のコースを三人前とワインを頼んだ。ああ、心配しないでくれ、現代の地球のように銘柄なんてない。赤白ロゼしかないんだ。発泡ワインもないよ。

『今日はありがとう。さて、料理が来るまでにちょっと今日の趣旨を説明させて欲しい。いいかな?』

 二人共黙って頷いた。

『今日は何が何でも誰かに話の邪魔をされたくなかった。だから個室の取れるこの店にしたし、万が一の用心で会話も全部日本語でする。わかるよな、転生の情報についてお互い交換したい。個人的な事情や話したくないことがあればそれは別に構わないよ』

 二人はまだ俺に注目している。顔つきがかなり真剣なものになっている。

『じゃあ最初は俺からだ。改めて言うが俺の名前はアレイン・グリードだ。日本では川崎武雄だった。死んだときは45歳。食品商社の営業マンをしていた。結婚はしていたけど、残念ながら子供はいなかった。
 オースではバークッド村で生まれ、ついこの前まで村からは出たことがなかった。独立するために村を出て冒険者を目指している、あ、いや、冒険者だ。神のことは多分もう知っているとは思うけど、俺が神に会ったのはかなり前、赤ん坊の頃だ』

『ええっ?』

『赤ん坊の頃かよ……』

 二人共驚いている。まぁレベルアップの時じゃないと会えないそうだからな。固有技能によってはかなり遅いことも考えられるし、神様は俺とは転生者全体で三番目に会ったとか仰っていた筈だから、俺はかなり早く会った方だろう。

『まず、俺にステータスオープンをかけてみてくれ』

 俺はそう言うと右手をテーブルの上に伸ばす。すぐにクローとマリーが俺の右手に触れ「ステータスオープン」と言った。

『……魔法の修行、もうしたのかよ』
『……すごい! 全部の魔法が使えるの?』

 ほぼ同時に二人から声が上がる。転生者でも固有技能は見えないらしいな。あと、レベルも。少しホッとする。やはり赤文字の部分は本人しか見えないらしい。これで兼ねてから用意してあったことを言えるな。

『もうわかったろう? 俺の固有技能は魔法習得だ』

 大嘘をこいた。だが、もし行動を共にするなら俺が魔法が得意なことはすぐにバレるし、魔力量が多いことも多少勘の良い奴ならすぐに気づく。逆に魔法を隠す方が困難だ。一緒に行動しなくても魔法が得意なことはいずれバレるだろうし、こう言っておけば害はないだろう。

命名ネームドの儀式の時にステータスオープンを覚えて仰天したよ。それからすぐに独自に魔法の修行を始めた。じきに魔法の特殊技能がレベルアップして神に会うことになった』

 クローがごくりと唾を飲み込んだ。マリーはまだ吃驚しているようだ。

『まぁ、そういうわけで俺は魔法についてはかなり得意だ。多分そこらの魔法使い程度には使えると思うよ』

 その時、部屋がノックされ、ボーイがアイスペールに突っ込んだワインと水を運んできた。別のボーイがワイングラスや食器の入ったカゴを持って来ている。ワイングラスは緑がかった厚手のガラス製で、オースではそれなりに値が張るものだ。
 ボーイ達が下がるのを待ち、アイスペールからワインの入ったデカンタを取り出してそれぞれのグラスにワインを注ぎ、乾杯して軽く口を湿らせる。
 てっきりワインは瓶で出てくると思ってたわ。

『話を戻そう。とにかくそういう訳で俺は赤ん坊の頃に神と会った。その時に確認出来た情報を話そう。興味あるだろ?』

 二人共頷く。

『レベルアップのボーナスについて一昨日話したことがあると思う。あの時、レベルアップするようなものは固有技能しかないと言ってたな』

 また二人共頷く。

『それは間違いだな。俺が聞いた話だとレベルには三種類ある。考え方によっては二種類と言えなくもない』

 今度は二人共不思議そうな顔だ。

『まず、固有技能の他にも技能があることは知ってるよな?』

『ああ、当然だ。小魔法や魔法だろ?』

『あとは技能を持って生まれてくる亜人もいるね』

 知ってるようだな、当然だけど。

『その中でほとんど唯一、レベルがあるのが魔法だ。魔法も技能だから固有技能も技能の一種として同列に扱うと考えれば、他にもう一つレベルがある。知ってるか?』

 二人は少し考えるが、すぐにふるふると首を横に振った。

『便宜上俺は肉体レベルと呼んでいる。二人共、ある日、ある瞬間で急に体が軽く感じたりしたことはないか?』

『うーん、わかんねぇ』

『私も、わからないわ』

『そうか、だが、神によるとあるそうだ。仕事や訓練、稽古や修行、戦闘などで経験を積めばこの肉体レベルが上昇することがあるらしい。俺は何度か体が軽くなったような感覚を味わった。神にそういうものがあるって聞いたから、幼少時から剣の稽古は欠かさなかったからな』

『肉体レベルかぁ、なんだかRPGみてぇだ……うわ、RPGとか何年振りに発音したんだろ、俺』

『RPGってなに?』

『ロールプレイングゲームの略。ドラ○エとかF○とか、知ってるだろ? あれだよ』

『ああ、テレビゲームのか。名前は知ってるけど、やった事はないねぇ。息子が夢中になってたけど、ポ○モンとか』

『俺も詳しくはないが、クローの理解でそう間違ってないと思う。何しろ俺は大昔にファミコンとかで古いのをやったくらいだからな。で、クロー、よく思い出してくれ。そういったゲームだとレベルアップってあるだろ? レベルアップするとどうなる?』

 クローはマリーと話している時に急に俺に割り込まれ、少し驚いたようだが、すぐに答えた。

『能力が成長して強くなるな。タイトル、ゲームソフトによっては新しい技とか呪文を覚えたりもすることがあるけど、基本的には肉体的に強くなる。力が上がったり、素早さが上がったり、耐久力や魔力が増え……あ』

『気がついたようだな。その通りだよ。レベルアップするとオースでもそうらしい。だが、それは僅かなものみたいだが、俺達のような転生者はその成長の度合いがとりわけ大きいそうだ。肉体レベルなんかについては確認のしようも無いから正しいかはわからんけど』

『へー、それ神様に聞いたの?』

 マリーが不思議そうに言う。

『ああ、そうだ。神によるとオースの人の成長度合いと比較すると俺達転生者はその三倍の成長率らしい。これがレベルアップ時のボーナスということらしい』

 黙り込んだ二人に対して俺は更に語りかける。

『知っての通り、あの事故で39人が死んでオースに転生したそうだ。で、俺は神に会った順番から言うと三番目らしい。俺の前に二人が既に会っているってことだ。で、そのうちの一人は俺が神に会った時にはもう死んでいると言っていた。その他に七人、合計八人が俺が神と会った時点で死んでいたそうだ』

『あ、赤ん坊のうちに八人も死んでるのかよ……』

『医学が発達してないからすぐ死ぬ赤ん坊も多いから納得出来るといえば出来るけどね……ひどいね』

 二人共吃驚しているようだ。

『ああ、ひどい話だ。死因は正確には忘れたけど餓死や病気、あと、何だっけな……忘れちまったわ』

『ありそうだな』

『餓死はともかく、病気はありそうね』

 妙に納得した顔で二人は頷いたが、クローが言う。

『餓死だってあるだろ。侯爵領ではあんまりないけど他の領地では俺がガキの時、麦の生育が悪くて沢山餓死者も出たって聞いたことがあるぞ』

 へぇ、そりゃ知らなかったな。

『うん、それは有り得るだろう。俺が思うに、侯爵領はかなり恵まれていると思う。気候はいいし、水にもそれほど苦労しない。平地の面積もそれなりに多いみたいだからオースではものすごく恵まれていると思うよ。他の土地のことはよく知らないから想像でしかないけれどね』

 俺がそう言うとクローも俺の意見に賛成してくれた。

『そっか……私はずっとキールにいたから農村とかよく知らないのよね……』

 マリーが言った。

『で、だ。つまり今のところオースには日本人は最大でも31人しかいないことになる。俺が神と会った後に死んだ奴もいるかもしれないし……もっと少ない可能性もあると思う』

 そこまで俺が言ったとき、クローが言う。

『ちょっと待ってくれ。俺たち二人はお互い既に情報交換をしている。それでわかったんだが、神に会った時に質問できる時間は一分しかなかった。アル、お前、なんでそんなに詳しいんだ?』

 は? 一分だって?

『一分だって? 俺の時は20分近くあったぞ? 時間が決まってるから訊きたいことは時間を無駄にしないで早く訊けって言われたくらいだ』

『え? 20分もあったの?』

 マリーが驚いたように言った。クローは訝しそうに俺を見ている。
 なんかまずいな、と思ったが言ってしまったものは仕方がない。
 咄嗟に口を開こうとした時にノックがあり、返事を返すとボーイが料理を運んできた。

 俺たちは料理が並べ終わるまでの間中口をつぐみ、黙っていた。
 ちょっとだけ稼げた時間を有効に使い、頭を回転させるが、ある程度真実を話すことは予め織り込み済みだから、ここは予定通り進めた方がいいだろうな。
 ボーイたちが部屋を出て行ってから話し始める。

『そうだ、20分近くあった。理由までは判らん。最初は身の回りの事やもう帰れないのかとか、残された女房の事とか聞いてみたりもしたが、すぐに時間が無駄になることを恐れて情報収集しようとした。おかげでいくつか重要なことがわかった。もう知っているかもしれないけどね』

『重要なことってのには興味があるが、アル、すまないけどお前が嘘を言って俺たちを騙そうとしていないという保証がな『クロー、疑うのもいい加減にしなさいよ。まずはアルの話を聞いてみようじゃない。私たちだって今まで何も考えないで生きてきたわけじゃないでしょう? 聞いたことが嘘か本当かは自分で判断したほうがいいと思う』

『だってよ、騙されたら嫌じゃんか。俺は騙されるのは嫌いなんだ』

 クローはやっぱり子供だなぁ。表層しか見ないのか。

『……どうする? やめようか?』

『いいえ、続けて。興味あるもの』

『わかった。いくつかあるが、まずはこの世界の文明についてだ。いい加減分かっているとは思うが、地球で言う7世紀から15世紀、西暦だと600年から1400年代くらいらしい。それでもオースの中でロンベルト王国はかなり上位に位置しているとのことだ。
 俺が思うに、農業や漁業、林業などはいいとこ10~12世紀くらい。加工、製造業も一緒くらいだが、下手したらこっちは7~10世紀くらいかも知れない。木工だけはこのテーブル類を見たらわかるが、もっと進んでるようだな。
 だが、キールの街の商店などを見るとサービス業のような三次産業は最高レベルに近いかも知れない。政治形態は貴族に階級があることや封建制とは言えしっかりとした官僚機構もあるみたいだし、こっちも最高レベルだろうな。
 俺の感覚的には15世紀を超えてもっと進んでいるところもあるかも知れないと思ってる。勿論、変なところで7世紀位のところもあるけどね。俺も昔勉強した世界史のことなんてあまり覚えてないからなんとも言えないよ。あくまで多分、だと思ってくれ』

『そうね。私もそれには賛成』

 クローは話を聞きながらも早速濃いスープを味わいつつ、柔らかな白いパンに齧り付いている。

『だが、軍事的なレベルはそれらに比べるとお粗末で、多分10世紀にはなっていないと思う。騎士団や騎士がいるから、そこだけ見ると14~15世紀以上、ことによったらもっと先に見えるけれど、多分そんなもんだろうと思う。このあたりのことは神様に聞いたことを元にして他からも情報を集めて総合的に判断した結果だ』

『他からもって……ああ、貴族だし、私たちよりはいろいろ知れるかもね』

『そうかもな。親父が士爵だったからデーバス王国との戦争の話もそれなりに聞いているし、兄貴も騎士団を引退してからは家に戻ってるからいろいろ話は聞いた。義姉もウェブドス侯爵の孫だし、貴族階級のことなんかかなり参考になる話を聞けたよ。まぁおかしいことがあればその都度言ってくれ。俺だって完全に分かってる訳ないんだ』

『余裕がある奴は羨ましいね。俺は食うのに精一杯でそんな余裕なかったぜ』

 こいつは……ひねくれてやがるなぁ。
 クローは日本でも金持ちの家に生まれた友達にもこんな感じだったのか?
 いや、先入観を持つのはよそう。
 きっと育ちが不幸だったから僻んでるだけだ。
 農奴出身だと言っていたしな。

『まぁそう言うなよ。仕方ないだろう。俺が悪いわけじゃないぞ。続けていいか?』

『ええ、もちろん。クロー、いい加減にして』

『あとは、そうだな。動植物だな。基本的に地球での特徴は踏襲している。だが、異なることも多い。分布はもう滅茶苦茶だ。動植物じゃないけど、俺の村ではどう見ても火山なんかないのに傍で硫黄が出てた。地球には存在しない動植物も多い。
 地球での知識は参考程度に留めておくのが無難だろうな。
 どちらかというと植物よりも動物に地球とは異なる傾向が強く見られるように思う。神様は進化の樹形図が根本的に違うようなことを言ってた。代表的な例は魔物だな。地球には確実にいないものだったはずだ。伝説や神話とかに出てくるような魔物がたくさん、それこそうじゃうじゃいる。そして亜人もね』

『そうね、私もそれには吃驚した覚えがある。クロー、あなたは?』

『俺は、実はあまり驚かなかった……小説とか漫画とかで知ってたからな。それにゲームでも。モンスターなんかはそういったもので出てきた特徴とかと一緒だからね。亜人もそう。一緒だった。そりゃ微妙には違うけど、ソフトによって同じ名前のモンスターでもグラが違うじゃんか。その程度の違いだから俺には一緒に思える』

 そうか、それは羨ましいな。そういった知識が何もない俺には吃驚することが多くて苦労したんだ。

『次は日付や暦だな。時間は1日24時間。これは地球と一緒だそうだ。だが、一週間は6日。一月は5週間で30日。12ヶ月で1年360日だ。これは知ってるよな』

『ああ、最初の1日24時間については多分そうじゃないか、くらいだったけどね。それくらいは知ってる』

『私も』

 ま、そりゃそうだろ。知らなきゃいろいろ不便だろうし。

『あとは魔法だな。これについては逆にお前らがどこまで知ってるか聞いたほうが早いだろう』

 やっとスープに口をつける。見た目通り濃厚な味わいのスープだ。
 具もごろごろ入っており、もはやシチューと一歩違いくらいだ。旨いな。

『地水火風無の五系統それぞれにレベルがある特殊技能。魔力量の関係で成人くらいから魔法の修行をして才能がある人は使える。だいたい十人に一人くらいだと言われてる。だから魔法使いは珍しくはないけど、実用的に使えるにはレベルは2は必要らしくて、そこまで行くのにもある程度修行が必要。魔法の技能レベルが高い自由民や平民は冒険者や軍隊に入ったりするみたいね』

『そうだな、他には?』

『魔法を組み合わせてゲームのような効果を出せるな。名前もあるらしいじゃないか『フレイムアロー』とか『ウインドカッター』とか、そういうの。あと、怪我を治したりなどの治癒系統は呪文を唱えるみたいだな。
 だけど、どれもこれもそう大したもんじゃない。俺は昔『フレイムアロー』を使っているところを見たことがあるけど、スピードは石を投げるくらいだったし、外したらそれまでだし、当たっても大人なら当たり所が悪くない限りそうそう倒せないだろ』

『うん、他には?』

『そうね、あとは……自分で出した元素なら操れるって聞いたことがあるわ。もともと存在するものじゃなくて自分で出したものだけね』

『あとは……魔法を使いすぎて魔力が切れるといろいろ面倒らしい、ってことくらいだなぁ。どうなるのかは俺は知らないけど。見たことねぇし』

『そうか。今までのはだいたい合ってるよ。だけど、いくつかは間違ってるし、いくつかは充分じゃない。魔法については俺の経験から来る知識だ。だから完全に正解ではないだろうけどそれでも俺の方が知っていることは多いな。じゃあ魔法について知っている事を話そう』

 スープと一緒に出てきた前菜を摘む。
 なんだこれ?
 変わった味だが旨いな。

『まず、魔法を使いすぎた時に魔力が切れた経験がない、と言ってたな。二人ともそうか?』

『私たちは二人とも魔法は使えないわ。ステータス見る?』

 そう言うとマリーがスープ皿を固定していた左手を伸ばしてきた。クローも手を伸ばしてきた。それを押し留めて俺は言った。

『ああ、ステータスは後でいい。わかった、少し脇道にそれる感じだろうが聞いてくれ。固有技能がレベルアップして神様に会ったと言ったな。俺もそうだけど、最初のうち、固有技能を使うと眠くなったりしなかったか?』

『した』
『したわね』

 二人が同時に答える。

『二人が神に会ったのはいつだ?』

『俺は8歳のころだな』

 クローが言った。

『私は5歳か6歳くらいだったかな』

 マリーが言った。

『そうか、それ以降固有技能を使い過ぎて眠くなったり体に変調があったことは?』

『最初の頃だけだな。眠くなったり飯食いたくなったりするから一日一回までとかにしてた』

『私も何回か眠くなってから気がついて使いすぎに注意してたから、固有技能の使い方を覚えた最初の頃だけね』

『それが魔力切れだ。魔法を使いすぎても同様の症状になる。ちなみに、俺が分析したところでは、魔力切れを起こすといろいろな欲求の中でその時の状況に一番即したものが抑えられなくなる。主に人間の三大欲求だ。食欲、睡眠欲、性欲だな。
 話を聞くとまだ子供の頃みたいだったから、まず睡眠欲。腹がある程度減っている時なら、食欲が前面に押し出されてなかなか我慢できなかったはずだ。今くらいの年齢なら性欲が出てくるかもしれないな』

 二人とも唖然としている。

『つまり、固有技能の使用と魔力には密接な関係にある。固有技能は魔法ではないけれど、使用には魔力を使うんだ。これは俺が散々試したから合ってると思う。俺の固有技能の魔法習得を使うとしばらくの間魔法の習得がかなり楽になる。固有技能をまったく使わないで使用出来る魔法の回数と固有技能を使ってから使用出来る魔法の回数を記録したりして、分析にはそこそこ苦労したんだ』

 そう言うと俺は澄ました顔でスープを飲み、前菜に口をつける。
 クローがなるほどと言った感じで口を開く。

『そうか。なるほどなぁ。俺の固有技能は……恥ずかしいけど誘惑ってやつだ。普人族の異性、女を誘惑できる。惚れ薬みたいなもんだ。この技能も使うとしばらくの間相手の女の心を俺に向かせることが出来る。異種族や男は駄目らしい。試したことないからわかんねぇけどさ。
 ああ、勿論マリーには使ってねぇぞ。
 それどころかここ暫くまったく使ってない。誘惑を使うには手順があるんだが、それは神様に教えて貰っ……ああっ、そうか、俺の肉体レベルが上がったからあの時神様が出てきたのか! あんまり嬉しくて聞き流してたんだな。すまん、アル。疑ってた』

 ふうん、自分が間違ってることを認めたら素直に謝るくらいの分別はあるのか。
 ちょっとだけ感心した。
 俺は気にするな、という風に頷いてやった。
 マリーは黙ってクローの発言を聞いていたが、クローが自分の固有技能を言ったことで踏ん切りがついたのだろうか、マリーも続けて口を開く。

『私の固有技能は耐性、かっこ毒というの。かっこは括弧で耐性の字の後ろに括弧書きで毒って書いてあるの。昔毒の背鰭を持つ魚を捌いている時にそれが指に刺さってそのとき初めて固有技能を使ったわ。それまでどうしたらいいか解らなかったからね。まさか毒を飲んでみるわけにもいかないし、毒なんか手に入らないしね。それから折を見て毒の背鰭を指に刺してみて鍛えたの。今ではレベル8で殆どの毒は私には効かないわ』

 しっかりと俺の目を見て話している。ここの料理に毒なんて盛ってないから安心してくれ。
 しかし、耐性(毒)ってなんかすごいよな。括弧書きがあるなら毒以外にもありそうだなぁ。

『へぇ、二人ともすごいな。誘惑もすごいし、毒の耐性もすごい。ま、それは置いといて、魔法の話に戻すと、ステータスでは確認できないけど、魔力というのは確かに存在している。それを燃料のように使って魔法を実現させるんだ。魔力を使い切っても飯食ったりしてから休めば回復する。使い切らないである程度残っているなら普通にしててもゆっくりとだが回復する。魔力についてはこんなところだ』

 その時、またノックがありボーイが料理を運んできた。
 魚の料理のようだ。見たことのない魚が煮てある。美味そうだな。

 暫しの間三人で料理を楽しんだあと、また俺は話しだした。

『魔法には五系統あるが、大別すると三系統だ。地と水は文字通りその元素を出す。出せる量はその魔法のレベルに応じた量を出せる。減らす事も可能だ。より多く出そうとするなら余計に魔力をつぎ込めば出せないこともないが非効率だ。この二つの魔法は単体で使うと土とか水を出して終わりだ。
 ああ、水はまずいが飲んでも害はない。多分純粋な水だと思う。土も出せるのは土質が一定の土だけだ。畑に使ったことは無いから栄養があるかは知らん。多分無いんじゃないかな』

 二人は俺に注目している。

『次は火と風。火は魔法のレベルに応じた範囲の温度を操ることが出来る。温度を上げることも可能だし、反対に下げることも出来る。俺は水魔法と組み合わせて使うことが多い。単体で何も考えずに使うと炎が出る。多分空気中の可燃性のガスを燃やしているか何かだろうが詳しいことまでは判らん。オースの空気は構成が地球の空気とは違うのかも知れないな』

 俺の想像にちょっと吃驚したみたいだ。

『風はまた少し違う。単体で使うと空気が生み出される。結構大量だと思う。この空気も吸って害があるものじゃない。だが、あまり長時間呼吸に使うと喉や肺を痛めるかも知れない。多分この空気には水分は含まれていなさそうだからね。風魔法は火魔法と同様に他の魔法を組み合わせて使うことが多い』

 ある意味突拍子もない俺の話に慣れたのだろうか、二人はふんふんと頷き始めた。

『最後に無魔法だが、これが一番重要だ。元素魔法で生み出した元素に何らかの力を加えることに使うことが多い。飛ばしたり変形したり、操ったりなんかだ。単体で使うこともある。一番良く使う魔法だから複数の元素魔法を使える魔法使いでも無魔法が一番レベルが高いことが多いみたいだ』

『へぇー。俺が昔ちょっとだけ一緒に仕事をした冒険者の魔法使いはそこまでは教えてくれなかったな。ところで、アル、魔法の修行ってどうしたらいいんだ? 俺も使えるようになる可能性があるんだろ?』

 クローが目を輝かせている。
 マリーもクロー同様に期待があるようだ。
 そりゃそうだろうな。魔法を使うってのは地球にいちゃ出来ないからな。その気持ちはわかる。

『ああ、今度教えてやるよ。別に大したことじゃないから。俺がお袋から教わったやり方と一般的なやり方とどっちがいい? 多分結果は一緒だ。難しさはお袋の方が上だけど、結果は早くわかるかも知れん。普通の方は慣れるまで多少時間……そうだなぁ1週間くらいがかかるけど多分難しくない』

『どっちでもいいよ。両方試してみたい』

『私も』

 二人が身を乗り出してきた。

『だからまた今度な。まだ、もう少し魔法の話があるんだよ。で、さっきも言った通り、魔法は他の系統の魔法と組み合わせて使うのが一般的だ。単体だと応用範囲が狭いからな。例えば、水魔法と火魔法を組み合わせて氷を作ったりとかな。このワインを冷やしている氷も魔法で作ったんだろうな』

 そう言うと、二人はしげしげとアイスペールを眺める。
 ロックアイスのようなゴツゴツした氷は既に大部分が溶けている。
 俺はアイスペールからデカンタを抜き出すとアイスペールの上に左手をかざし、少しだけ氷を出した。
 左手の平から青い光が漏れ出すと同時にゴロゴロとロックアイスのような氷がアイスペールに落ち、既に溜まっている水を弾き、雫を飛ばした。
 デカンタをアイスペールに戻しながら、再度口を開いた。

『こうやって氷を出すんだ。今のは水魔法と火魔法を一緒に使った例だよ。無魔法は使っていない。一緒に適切な無魔法を使えば尖った氷を出して矢のように飛ばすことも出来るし、氷じゃなくてお湯を出してシャワーを浴びることも出来る。組み合わせとイマジネーションで応用力が格段に広くなるんだ』

 そう言ってまた煮魚を食べる。旨いな、これ。

『俺の話はこの程度かな。あとは君たちの話を聞かせてくれ』

 二人は顔を見合わせるが、クローが頷き、俺を見る。どうやらクローが先に話すようだな。

『さっきも言ったとおり、俺たちは質問の時間が一分しかなかった。俺の場合は自分の固有技能の使い方を聞くくらいで終わっちまった。マリーも似たようなもんだ。すまんが俺達からはあまり役に立ちそうな事を教えられないんだ』

 何となく予想はしていたが、本当にそんだけかよ。
 ……仕方ないか。
 もっと重要なオースの知識があったりするのなら、正直な所こんな生活はしていないだろうしな。
 レベルアップだって、するもんだ、という意識をしていればその瞬間は確実にわかる。
 そうすれば気が付く事も多いはずだしな。
 まだ二人のレベルが低いことが有効なポイントと言えばポイントか。

 鍛えようによってはこの二人は普通の人よりよほど強くなる。
 最初の仲間としてこれほど相応しい人材もあるまい。
 だが、二人には定職があるようだし、マリーは家族と一緒に暮らしている。おまけに冒険者に対して偏見もあるようだ。
 どうしたもんかね?

『そうか、二人共気にしないでくれ。俺も気にしないから。まぁ、日本人同士で知り合えたのも幸運じゃないか。それだけでもお互い貴重だろう』

 またノックがあり、ボーイが料理を運んできた。
 今度は肉料理のようだ。
 豚肉のソテーに正体不明のソースがかかっている。
 俺はキールに来て以来、食べ物にはそうそう鑑定をしないことしている。
 驚きが無くなるからな。
 鑑定するなら食ってから。
 ああ、勿論あからさまに腐っていそうだとか、いかにも怪しいものには当然鑑定するけどな。

『そう言ってくれて助かるわ。私たちはオースについては大した情報は持っていないの。だからアルに教えてあげられるような事はキールの社会のこととか、都市での一般常識くらいになっちゃうのよ』

『いや、それだけでも有難いよ。俺はそういった事には疎いんだ。だから助かるよ』

 二人は身なりはボロくても器用にナイフとフォークを使って豚のソテーを切り分けて口に運んでいる。
 このあたり、現代社会に生きていたと感じさせるな。

『さて、あと二つ本題がある。一つは冒険者についてだ。二人は俺と組んで冒険者をやるつもりはないか?』

 二人は顔を見合わせると、何とも言えないような顔で俺を見つめてきた。

『アル、俺も昔冒険者を目指して少し齧ったから知っているんだが、まともに稼げるのはほんの一部の凄い奴らだけだ。お前が魔法が使えることはわかったが、モンスターとやりあえるとは思えねぇ。
 ああ、気を悪くしないでくれ。
 俺も昔モンスターを見たことがあるから言えるんだが、ありゃRPGみたいな生易しいもんじゃねぇんだ。本気でこっちを殺しにかかってくる。常に全力で相手をしなきゃなんねぇ。連続で襲ってこられたら魔力だっていつか尽きちまうだろ? そうやって自信満々でいながらモンスターにやられて死んでいった奴も何人か知ってるんだ』

『そうよ、それにクローはすこし剣が使えるけど、私は戦うなんて出来ないわ。刃物なんて包丁しか使ったことないのよ。家族もいるし、店だって放っては置けない。一昨日も言ったけど冒険者なんて成功するはずがないわ。仕事を探して普通に暮らした方がいいと思う』

 二人が口を揃えて反論してくる。うん、予想してた。

『冒険者が大変なことは解ってるつもりだよ。無理にとは言うつもりもないし、強制するような権限を俺は持っていないからね。だけど、信頼できる仲間が欲しいんだ。
 魔物……モンスターか。
 モンスターも正直な話、俺の出身地の周辺にいるモンスターとは俺は全部戦って倒してる。ホーンドベアーも今までに四匹殺してる。ホーンドベアーはともかく、コボルドやゴブリン、ホブゴブリン、ブラウンスライム、ジャイアントリーチ、グリーンクロコダイル程度なら相手が数十くらいの集団でも俺一人で全滅できる。そのくらいには戦った経験があるよ』

 俺の話を聞いた二人はぽかんとした後で、すぐに前のように『嘘言うな』と言って来た。別に話だけで俺の戦績を信じてもらう必要もないから、俺は話を進めることにした。

『まぁまぁ、幾ら転生してきたとは言え、オースではまだ14の俺が言っても信用がないことはわかるよ。だが、仲間が、特に信頼の置ける仲間が欲しいのは本当のことだ。冒険者だと戦闘用の奴隷を購入して一緒に依頼を果たす奴も多いらしいな。
 それでもいいっちゃいいんだが、俺は個人的にそういう奴隷を使った経験がないし、信頼を置けるような奴隷が運良く手に入るとも考えづらいと思ってね。だいたい、奴隷を売り買いするのにもちょびっと心理的な抵抗もあるからね。ああ、勿論、君たちを奴隷の代わりにしたいなんて思ってるわけじゃない。そこは信じてくれ』

『別にそんな事思ったりはしないわよ。もしあなたが言う通りの強さがあるなら、仲間になりたがる人は多いはずよ。それにそんなに強いなら一人だっていいじゃない』

『そうだ。俺たちはそういう世界には出来るだけ関わりにならないようにしたい。隊商の専属護衛をやってる俺が言うのもなんだけどさ。俺んとこの商会は安全な場所を往復しているだけだしな。でも本当にそんなに強いなら……』

『ちょっと、クロー』

 マリーは心配そうにクローに話し掛けた。

『ああ、ごめん。でも本当にそこまで強いならキールじゃすぐにトップクラスだろう?』

 クローはそんなマリーをいなすように謝ったが、憧れはあるようだな。
 この話題はこのくらいにしておくか。
 ソテーに齧りつきながら言う。

『じゃあこの話は一旦やめよう。最後はベグルの事だ。クローは何故俺がべグルを追っているか聞いたか?』

『ああ、昨日マリーから聞いた。俺の知っているべグルじゃないかも知れない事も聞いたよ』

『そうか、実は昨日、ジャンルードという店に行ってみた。かなり時間を使ったが、べグルの顔は拝めたよ。二人いるんだな。俺の追っている方がどっちだか解らないから話し掛けもしなかったし、此方からは接触は持っていない』

 俺の発言を聞いて二人はびくっとしたが、すぐに平静になった。
 クローが席を立ちゆっくりとシャツを捲った。
 その腹にはケロイドのようになった大きな火傷の跡があった。
 クローは俺の顔色が変わったのを確認すると背中も見せてきた。
 せっかく旨い飯食ってる時に変なもん見せんじゃねぇよ。

『これは俺がべグルのグループを抜けるときに文字通りヤキを入れられた跡だ。ひでぇもんだろ? やられた時には死ぬかと思ったぜ。治癒師の爺には有り金殆どふんだくられたしよ。俺たちが何で奴と関わりを持ちたくなかったか分かって貰えたか?』

 うん、知ってるよ。
 マリーはナイフとフォークを持ったまま心配そうにクローを見上げている。

『ひどいな。そんな事されたのか……』

 同情を込めて言った。

『ああ、悪いこた言わねぇ。あいつと関わりになるのは避けたほうがいいと思う』

『なるほどね。良く解ったよ。だけど、俺はべグルを追うのは止めない。なんとしても見つけ出して殺さないと安心して寝られない人がいるんだ。ああ、殺すとか言ってすまないな。勿論昨日見た二人じゃないかも知れないとは思っているんだ。ただ、仮にあの二人のどちらかだったとしても俺はやる。多分出来ると思うしな』

 マリーが溜息をつきながら俺を見て口を開いた。

『アル、自信があるのはいいけどね。べグル達のグループは本当に無茶苦茶なの。騎士団だって手を焼いているくらいなのよ』

『そうか、犯罪の証拠がないんだったな……。俺が追っているのが奴らのどちらかか、はたまた別人なのかはまだ分からないが、それも時間の問題ではっきりすると思う。もし、奴らなら必ず殺す。一人になるのを見計らって殺すのが一番だが、どうしても一人にならないようなら二人纏めて殺す。それがわかるのは多分あと3週間くらいだけどな』

 俺があまりに真剣な顔つきで必ず殺すとか言っているのでマリーは怯えたようだ。
 クローはマリーを安心させるように『別に俺たちをどうこうなんてアルは言ってないだろ』と言って、俺には『出来るといいな。お前には悪いけど、俺はお前の探しているのがあのべグル達だといいなと思ってる。あのべグル達をどうにか出来るなら喜ぶやつは多いぜ。手助けするつもりはないけど気持ちだけでも応援はするよ』と言ってくれた。
 まぁ恨みに思うくらいのことはされているから当然といえば当然か。



・・・・・・・・・



 店を出て別れる時に俺はここ数日思っていたことを聞いてみた。

『お前ら付き合ってんの?』

 お互い見つめ合うだけで否定も肯定もされなかったので兄貴の置き土産を一パックプレゼントした。
 二人共最初は何なのか解らなかったようだが、マリーがすぐに気がついたようで、乱暴に俺に突き返しながら『まだ私たちは14よ!』と言って来た。

 くっ、俺たち兄弟の結晶を粗末に扱いやがって。


情報「交換」は殆どしてませんね。
あと、小魔法の使用回数=レベルについてはアルはわざと言及してません。
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