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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第二百四十六話 The Un-Dead 9

7447年7月15日

 ドン!

 威力大盛りのディレイドブラストファイアーボールが炸裂した。
 なお、ヴァンパイアロードは俺がアンチマジックフィールドを展開するのとほぼ同時くらいの超反応で防御用に素のままの地魔法を使ったようだ。
 また、同時に床に伏せている。
 部屋の天井より結構低い場所から土がボロボロと落ちて床に堆積する。

 しかし、土壁は一秒や二秒などそんな短時間で完成はしない。

 堆積が終わってない中途半端な土壁なんかで完全に防げるもんか。
 その証拠に多数の炎弾が降り続く土を貫通している。

「うおおっ!!」

 ファイアーボールの爆発による炎弾を眼前のアンチマジックフィールドで相殺すると同時に突進!
 土壁を飛び越えようとジャンプ!

 土壁の向こうでは幾つもの炎弾を受け、瀕死に陥って藻掻いているヴァンパイアロードが見えた。

 ゴンッ!

 顔面が何かにぶつかり、目の前に星が飛ぶ。

「ぶげ!」

 ヘルメットを被ってなきゃ大怪我だ。
 みっともない格好で土壁のすぐ手前にびたんと落ちた。
 後頭部から落ちないだけマシだったけど、全く予期していないショックと痛みでアンチマジックフィールドの維持を手放してしまっている。

 くそ、格好つけずにアンチマジックフィールドが残ってたんだからそれで土を消しながら突っ込めば良かった……。

 しかし一体、何に当たったんだ!?
 つい振り仰いでしまう。
 何も見えない。
 しかし、部屋の天井()()のあちこちから小さなスパークのような火花が……。

 ひょっとして……?

 だが、そんなの後回しだ。

 ヘルメットの目庇が当たってくれたおかげで、額や頭部に衝突のショックを受けはしたものの、首が折れるような大惨事にならなかったことだけは何かに感謝すべきだろう。

 仕方ないので最小限のアンチマジックフィールドを使って(見た感じレベル五程度の地魔法だと思えたからだ)既に完成した土山を消した。

 土山の向こうでは半身に炎弾を受け、瀕死のヴァンパイアロードが、何とか這って更に部屋の奥へと逃げようとしている。
 炎弾を受けてしまった左腕は肘から先が炭化しているようで、使い物になっていない。
 左足も膝から下は皮一枚でつながっているような状況で、左の脇腹にも幾つか穴が空いている様だ。
 その穴からは何も出ていないが、皮膚の裂け目から焦げ付いたような内臓の一部が見えている。

 【HP:0+8(498) MP:0+5(558)】

 これじゃあ治癒も無理だろうし、這うくらいしか出来んわな。
 目ン玉抉り出したらHPはマイナスになって死ぬだろう。

 放っとけば復活するかも知れないが、目ン玉まで一緒に復活するかどうかは不明だし、常識で考えたら抉り出された目ン玉まで元通りって事はないと思う。
 再生リジェレネートの魔術でも使えば復活するだろうけど、アンデッドじゃあ残った目ン玉が使い物にならなくなる公算が高い。
 ああ、逆魔法の欠損ディフィシットでいいのか?

 俺の残りMPは……五百五十六。
 一応問題なく使えるね。
 交渉材料かな?

「ふっ、ふっ、ふうっ……」

 呼吸が必要なのかは知らないが、かなり息を荒くして尺取り虫のように逃げていた。

 銃剣の剣先を高目に構え、ゆっくりと足を踏み出して三m程後ろに立つ。

「待てよ」

 訊きたい事は多い。
 俺に声を掛けられたヴァンパイアロードはビクリと震え、ゆっくりと仰向けになった。

うぬ、グリードカワサ……とか言ったな。流石は転生者、と言ったところか。あやつまで倒すどころかこの我までとは中々のもの……。どうだ? もう手を引かんか?」

 引き攣ったような顔でヴァンパイアロードは問うてきた。

 今更か?
 最初ならまだしも、もう遅ぇーよ。
 でも、さっきも言った通り訊いてみたい事も多いんだよね。

「番犬を下がらせろ」

 そう言った時、背後から歓声が上がる。
 首尾よく始末出来たのだろう。

「……下がらせるまでも無かったようだな……」

 ジジイは少し残念そうに言った。そして、すぐに尋ねて来る。

うぬは一体何者だ?」

「さっきも言ったろ? ……アレイン・グリード。目ン玉強盗だよ」

「転生者であろう?」

「そうとも言うな」

 俺が答えるとヴァンパイアロードは憎々しげに俺を見つめて呟く。

「『日本』……『キリスト』……そうか、思い出した……ドゥーヴァイン4の3の原住民か……気の毒と言えば気の毒なのか……」

「何を……?」

「吸い上げたのは結構進んでからだった筈……ふん、それなりの知識は持っているか……。ここまでか……おい、グリードとやら」

「あ?」

 ヴァンパイアロードはニヤリと笑うと握っていた右手を僅かに開く。
 その手には小さなマッチ箱くらいの黒っぽい箱が握られており、端に緑色のランプが灯っている。
 まさか!?

「おっと、動くな。その顔、なんとなくでも意味が通じているようだな? 久々に会ったそこまで解る者がうぬなのが幸運なのか不幸なのか……ふふ、もう動作済みよ。この高さから落ちる衝撃だけで充分だ」

 ひょっとして……。
 自爆装置!?
 馬鹿な!?

 表情が変わった俺を見てヴァンパイアロードは満足そうな笑みを浮かべる。
 くそ、この期に及んで交渉の主導権を握られたに等しい。

「ご主人様!」

 どやどやとズールーたちが近寄って来る。

「下がらせろ」

 ヴァンパイアロードが要求する。
 畜生!
 だが、バースとジルの前でヴィルハイマーをアンデッド化させた奴と交渉するというのも憚られる。
 丁度良い、渡りに船とも言える。

「来るな! 戻れ!」

 ズールーたちの方を見ずに怒鳴った。
 バースやジルも居るだろうが、俺の戦闘奴隷が居れば確実に連れ戻る筈だ。
 彼らにしても危険な魔術でも使う可能性くらい慮れるだろうさ。

 しかし、まずい。
 まずいまずいまずい!
 これはまずい状況だ!
 自爆装置とか漫画のネタ以外では聞いた事がない。
 ああ、自衛隊で使ってるミサイルなんかにはあるか……。
 こういう使い方じゃないけど。

 顔が歪み、ヴァンパイアロードを睨みつける。
 視線でこいつを殺せたら気持ちいいだろうが、魔法を使おうが何しようがあの箱をヴァンパイアロードが握った手を開くより早く、且つ衝撃を与えずに奪うのは不可能だろう。
 僅かな衝撃で作動するというのが本当であれば、だが、本当なんだろうな……。

「ジジイ、大人しく目ン玉くれたら魔法で治してやった上、見逃してやらんこともないぞ?」

 とは言うものの、思いっきり虚勢を張っているようにしか見えない。
 だが、それなりに魅力的な提案ではあると思う。
 あるんじゃないかな?

「ほう? あれだけの魔術を使用しておきながらまだそこまでの魔力が? それを素直に信じられると?」

「どう思うかはあんたの勝手だ、だが……」

 そこまで言った時、ジジイが何かブツブツと呟いているのが耳に入った。

「本来の肉体が失われた以上、イクス遺伝子ゴーン(?)情報はどうにもならなかった……アンデッドにまで成り果て、これだけの時間を掛けてもやはりここまでが限界か……主な(バーン)絡繰ヴェイン本体も失われ……もう……疲れた……」

 主な(バーン)絡繰(ヴェイン)
 主な装置?
 主機?
 エンジン?

「せめて……に託すしかない、か」

 託す?

「カミラ……リルスを止めてくれ」

「止める?」

「そうだ。あやつは間違っている。摂理を曲げてまで……いや、いい。リルスを殺してくれ」

 は?

「出来るか、そんな事。あいつは俺の女房だった女だ」

「……なに……を?」

 ジジイは一瞬だけぽかんとした顔をしたが、すぐに表情を戻して言葉を継ぐ。

「ふん、騙されてるだけだ。あいつの本当の名はカミラ。カミラ・エリスナーと言うのが昔の……転生する前の名だ」

 こいつ、何言ってやがる!?
 カミラ・エリスナー?
 んなけったいな名前じゃねぇよ!
 美紀だ。川崎美紀があいつの名前だ!
 じゃなきゃどうして美紀の顔をしていたと言うんだ!
 どうやって知ったと言うのか!
 ふざけやがって!

「転生後はリルス・ジンゼリーン。ゲイン、いや、ルスック・ズグトモーレと結婚してからはリルス・ズグトモーレと名を変えた」

 美紀への思いが噴出した顔をしてしまったのだろう。
 俺の顔を見たヴァンパイアロードは小さな溜息を吐くと低い声で話し始めた。

「シャライズダンとネーラルを奸計に掛けて倒し自ら神性に成り上がった奴は、狂った妄執に取り憑かれておる……それはそうと……これは教えておいた方が良かろう。我らは元々……ふん、最早どうでもよいか……殺せ、我の目が必要なのであろう?」

「待て」

「心配せずとも良い。固定化するだけだ。ほれ」

「あっ!」

 ヴァンパイアロードはマッチ箱を握ったまま床に叩きつけた。
 緑色をしていたランプは赤く変色し、また壊れたようなアナウンスが響く。

「ザザッ……ピーッ、自然モフォース固定レックを……ます……終焉ミンドしま……ブツッ、ザリッ……うちに(ログ・ヒ)……操る(マヘット)ダル……自ら(カネー)破壊ソームンブ処す(ダーミン)……テーム

 これは……?

「我の僕を倒したばかりか、ここにまで来て我を追い詰める事が出来るうぬ……アンデッドになってまで粘った甲斐もあったと……」

玖つ(クーム)

「おい、この『カウントダウン』は何だ!? 止めろ!」

「何を言っているのかところどころ解らん。ドゥーヴァイン4の原住民の言葉か?」

 さっきは「ドゥーヴァイン4の3」と言っていたような……?

「……埋まったりせんよ。だが、隠すものは隠させて貰う。全てを見せるつもりもない」

 畜生!

捌つ(ヤーム)

「何を……!」

「殺したらどうだ? 目が欲しいのだろう? 我ならもう簡単に死ぬぞ?」

漆つ(ナーム)

「喋れよ!」

「何を? フッ、言おうかとも思ったが喋るものか。よく考えたら我はルーグ3の原始人を捕らえ、精気を得ていたに過ぎん。それも僅かな数だ……」

陸つ(ローム)

「僅かだと!?」

 ふざけるな。今日だけで三人も(あれだけ)殺し、あまつさえヴァンパイアにまでしくさった癖に、よくもまぁ、抜け抜けと!

「我に必要な精気はせいぜいが一月に一体程だ。毎日ルーグの原生動物を食べているお前らよりは僅かな物だろう? 野蛮人」

伍つ(イーム)

「ふざけ……」

「おっと、植物だってルーグ3(オース?)の原生生物に違いはあるまい? 我よりも膨大な数の命を喰らっているだろうに?」

 そういう問題じゃねぇ!

肆つ(ヨーム)

「そんな事よりこの『カウントダウン』を止めろ!」

「……また何を……ああ、もう止まらんよ。我にもどうしようもない」

「何ぃ!?」

参つ(ミーム)

「そう慌てるな。うぬらは別にどうにもなりはしない。ただ、我が諦めただけだ」

 さっきのは、

 ――(何かの)環境の保持を開始します。完了しました。十秒後に操作卓コンソールの自壊処理を行います。十……――

 ってことか?

弐つ(ニーム)

「立っていない方がいいぞ?」

 くそ。

「しゃがめ! 低くして身を守れっ!」

 よく解らないけど、とりあえずズールーたちにも警告。

「そうそう、それでいい」

壱つ(ヒーム)

「貴様! 全部吐いて貰うぞ!?」

「そのつもりはない。勝手に住居に侵入され、僕を傷付けられ、あまつさえ我の目を奪おうとする……その力は大したものだが、なぜそんな輩に好意的になれる?」

 ぐっ……それを言われるとその通りだ。

「知りたければ自らで調べることだ。尤も資料は大して残っておらんが」

無し(レム)

 天井()()のあちこちから「パン!」とか「パリッ!」と言う、回路がショートしたような音が響く。
 空中に幾つものモニターがホログラフィーのように一瞬だけ浮かんでは消えた。
 やはりか。

 幻術感知ディテクト・イリュージョンの魔術……。
 天井を含むこの部屋の上半分くらいは何らかの幻術が掛けられていたことが判明する。
 勿論、床の方にも幾つか幻術が掛かっている。
 例えば、ヴァンパイアロードが最初に壊れた熱線銃を取り出した机なんかだ。

 幻影ディスペル・打破イリュージョンの魔術……。

 奥の半分以上が護衛艦の戦闘指揮所(CIC)かなにかのように無骨なコンソールで埋め尽くされていた。
 つまり、今まで床だと思っていたのが実は天井で、天井だと思っていたのが床だったという事か……。
 自動ドアらしきものは床に埋まって行くのではなく、天井に引き上がって行くのが正しく、部屋の床が光っていたのは天井の照明だったという訳だ。通路は元々床が光っていたんだろう。
 セントリー・ガンも床ではなく本来は天井に設えられていた。
 女のヴァンパイアがヴィルハイマーに火炎討伐フレイム・ストライクを危険だから消せと命じ、自ら突っ込んで盾になったのも頷ける。
 戦闘中も部屋の奥の方を背にした時だけは俺に攻撃魔術を発射させるような隙は見せなかった。
 ヴィルハイマーは新参だから知らなかったか教育前だったという事だ。
 机に見えていたのは大きな箱のような物で中には熱線銃があと幾つか入っていたが、全部壊れていた。

 ん? 護衛艦?
 バルドゥックはクレーターの様な盆地の街……。
 くっそ、考える事が多過ぎる。

「済んだか……さぁ、殺すがいい。目でも何でも好きな物を持って行け」

「そうはいかん。知っている事を洗いざらい喋って貰うぞ」

 銃剣に死霊討伐グレイブ・ストライクを掛け直すと大股に近づいて突き付ける。

「これ以上喋る気はない。……そこに突っ込めば死ねそうだな……」

 アンデッドへのダメージが大きく上昇する魔術だが、その程度であれば一発での即死は難しい。
 特にヴァンパイアロードならネガティブHPも沢山ありそうだし。

「そうなったらなったで構わない。致命傷ブルースオール重篤傷ブルースクリティカルで幾らでも治してやる」

 痛覚は残っているみたいだから拷問も有効だろう。
 あ、そうそう、治癒に手間取っていたのは完全に痛みを無視出来なかったからだろうね。
 それでもあの速度で魔術を使えたのは大したものだ。
 俺には及ばないが、俺以外では見た事がない。

「それは怖いな。洗いざらい何でも喋ってしまいそうだ」

 そうだろうともよ。

「治癒をさせてくれ」

 ヴァンパイアロードは力ない笑みを浮かべると懇願するように言う。
 魔力が減った方が理性的に考える事は難しい。
 しかし、俺が返事をするよりも早く治癒魔術(逆魔法だが)を使ったようだ。
 そして、間髪入れず残っていた右手を手刀にして自らの胸に突き立てた!

「あっ!」

 魔石を抉り出されたら終わりだ!
 即座に銃剣で右手を斬り落とそうとしたが間に合わなかった……。



・・・・・・・・・



 念のため目玉を二つ共抉り出し、丁寧に保存用の瓶に入れた。
 ズールーたちを呼ぶ前に手近なコンソールを見てみたが、操作方法がさっぱり解らない。
 そもそもどうやって電源(?)を入れるのかすら不明だし、ショートの影響なのか、筐体自体もかなり熱を持っていた。

 ヴァンパイアロードが使ったマッチ箱もスライド式の小さなスイッチとランプが一つづつあるだけで、一体成型かと思うくらい継ぎ目も何もない。
 思い切ってスイッチを動かしてみたが赤ランプから変わる事はなかった。

 仕方がないのでズールーたちに声を掛けて呼ぶ。

「ご主人様、ご無事で……」

 俺の前に畏まる戦闘奴隷たちに順次鑑定を掛けて見てみる。
 呆然としてヴィルハイマーに声を掛けているバースとジルも含めて、怪我をしている者は居たがレベルが下がっている者は居なかった。
 ジルとメックは限界ギリギリまで魔法を行使していたようで、彼らの魔力は六を切っている。
 怪我人に治療を施していると、バースとジルの声がした。

「……ステータスオープン」

 二人はヴィルハイマーのステータスを見ている。

「ヴァンプリック・デス・ナイトだと?」

 多分こう見えている筈だ。

【ロベルト・ヴィルハイマーの死体(精人族(ヴァンプリック・デス・ナイト))】

 俺の【鑑定】なら追加して見える。

【精人族(ヴァンプリック・デス・ナイト)】
【状態:良好】
【生成日:15/7/7447】
【価値:1715398】
【耐久値:21】

 いつも思うが、大ダメージを与えて死体になると【状態】が【良好】になるのは趣味の悪い冗談にしか思えない。
 尤も、復活の見込みが無い状態という意味では単なる肉の塊という事で【良好】という【状態】にも頷ける部分もあるんだけど。

 ……復活の見込みが無いってのは言い過ぎか。流石に【状態】が【死亡】になった後ではどう頑張っても復活の見込みは無いからなぁ……ひょっとしてあるのかね?
 ミヅチは「そう言った魔術が存在する可能性もある」とか言ってたけど、軽い病気すら満足に治せない状況では夢のまた夢だろう。

 それにしても【価値】が凄いな。
 魔石を採ってない事もあるんだろうけど、レベルが高い事と特殊技能てんこ盛りだった事も大きいんじゃないかな?

 ズールーたちに命じて何か金目の物でも無いか部屋中を探させた。

 ヴァンパイアロードの生活圏らしい辺りについては古びてボロボロになった服や、ガラクタに思える何かの部品なんかが僅かに発見出来ただけだった。

 熱線銃の修理は可能だろうか?
 構造も不明だし、当然の如く原理なんかちんぷんかんぷんだ。
 どんぐりの下の銃把グリップ前面に引き金(トリガー)のような小さなボタンがある以外、一体になっているようで、継ぎ目も見つからない。
 でも念のため、合計六丁の熱線銃を回収した。
 また、壁際の棚から何種類ものルーペも頂いておく。
 それから、手製の工具(テスターのようなもの迄あった)らしきものもついでに全部頂戴する。

 金になりそうな物はあまり多くないが、魔法の品(マジック・アイテム)は幾つか見付かった。

 部屋の奥の方の棚に乗っていた小さな箱からチャージ数が四百五十一回と二百二十六回残っている【身隠しの指輪インヴィジビリティ・リング】が二つ。更に工具が並べられていたのと同じ棚から【器用の手袋デクストラス・ワーキング・グローブ】の右手部分。

 別のゴミが詰まっていたような箱の中からチャージが切れた【身隠しの指輪インヴィジビリティ・リング】と【連鎖電撃の指輪チェイン・ライトニング・リング】が一つづつ。他にチャージが切れた【火の玉の短杖ファイアーボール・ワンド】と【電撃の短杖(ライトニング・ワンド)】が一つづつ。同じくチャージが切れた【挫傷の杖(ブルース・スタッフ)】が二つ。まぁこれらはリチャージ出来ない以上、単なるゴミだな。

 ん?
 【火の玉の短杖ファイアーボール・ワンド】?
 チャージ?
 気が付いたら思わずにやけてしまった。
 【身隠しの指輪インヴィジビリティ・リング】のチャージが少ない方なら別に惜しくない。
 あ、そう言えば今も付けてた。
 あと四十回くらいしか使えないけど。
 これで何とかならんかね?
 裸になる必要があるから無理そうかな?

 あと、金になりそうなものはヴァンパイアロードの魔石(価値は四百万くらいのが四つ)とヴァンパイアの魔石が一人二つで合計四つ(それぞれ五十万くらいの価値)、ズールー達が仕留めたゾンビドッグの魔石が二つ(それぞれ一万くらいの価値)。同じくオルトロスという双頭の大犬の魔石が一つ(六十万くらいの価値)だ。ヴィルハイマーについては勘定に入れていない。

 魔石だけで合計一億三千万を超す。
 ヴィルハイマーも魔石は複数になっているのだろうか。
 流石に彼については遺体ごと引き渡すけど。

 なんか、これから忙しくなりそうな……。

 
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