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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第百四十七話 肉の棒2

7445年9月7日

 朝、ランニングの為にボイル亭の前に出たら、ズールーとエンゲラの他にギベルティに連れられたジョンとテリーの二人が居た。他のみんなはまだ支度中のようだ。

「おはよう」

「「お早うございます、ご主人様!」」

 俺が挨拶をすると五人の奴隷たちも声を揃えて挨拶を返してくれた。

「ジョン、テリー。今日からしっかりやれ。最初は慣れないかも知れないが、キャサリンとギベルティの言う事を良く聞いて時間が掛かっても良いから丁寧にやることを考えろ」

「「はい!」」

 素直だな。素直な奴は大好きだ。

「ギベルティ、俺の部屋の前に氷を作っておいた。使い易いように適当な大きさで三つの桶に積み上げてあるから好きに使え。温度も少し下げ気味にしてるから暫くは溶けないはずだ。余ったら裏にでも捨てといてくれ」

 合計で百㎏程の氷を出しておいた。かなりの量だが、これ程の量を用意しておいても、今は九月の頭だし夕方までは持つまい。

「解りました」

 他にも細々とした話をギベルティとしていると、すぐにキャサリンを伴ってバストラルも出て来た。ギベルティと二人の少年奴隷をキャサリンに預け、子供二人にはしっかりと大人の言う事を聞いて仕事をすることを命じた。ついでに今日必要だと思われる仕入れのための金を念のため少し多めにギベルティに渡してやる。

 その間に他の皆も続々と出てきた。

「良っし。じゃあ行くか」

 キャサリンとギベルティ、ジョン、テリーの四人に見送られてゼノムを除いた九人でランニングを始めた。



・・・・・・・・・



 ランニングから戻り、朝食を摂った後は虐殺者ブッチャーズもうすぐ(スーナー)を交えて、殺戮者スローターズ全員で昼食まで訓練だ。昼食を終え、宿に戻る全員の関心事はキャサリン達が作るソーセージである。半日の作業でどの程度の量を製造出来るのか、またその完成度はどの程度なのか。

 今日、彼女たちには朝からケーシング以外の肉や香料の仕入れから行わせている。勿論、今朝俺達がランニングに出掛けてからすぐに朝食を摂り、肉屋に行ったのだろう。仕入れや金のことはキャサリンではまだ心許ないのでギベルティに任せている。

「どのくらい作ったかな? 百本くらいかな?」
「百本って……それじゃあ幾らなんでも少な過ぎない……?」
「ん、そうか。じゃあ千本くらいかな?」
「……ラルは極端だね。初日だし、二百~三百本で充分でしょ?」

 ラルファは論外として、グィネは中々良いところじゃないかな? 今回は初日と言うこともあって三百本くらいの製造・販売を予定している。今日一日で売り切れなかったとしても燻製もするし、茹で冷ましもするから、きっちり氷の傍にでも置いておけば明日や明後日くらいまでは品質に問題は無いだろう。

 作成するソーセージの大きさはケーシングが豚の腸なので太さ三~四㎝、フランクフルトサイズで長さは十五㎝前後だろうから、一本百gくらいかな? 混ぜ物もあるから百本あたり九㎏くらいの豚肉を仕入れている筈だ。三百本で二十七㎏か。十%もの混ぜ物を入れるのはどうかと思われがちだが、少し味は薄くなるがかき氷を増やした方が口当たりも滑らかになり、失敗は少ないのだ。茹でるときに破裂する事故も減らせる。もう少し多くてもいいくらいだ。

 ボイル亭に到着すると小僧が駆け寄ってきて苦情を言い出した。

「バストラル様、燻製は部屋の外でやって貰うようにお願いしますよぉ。……やるなら屋上を使って下さい」

 ありゃ、そりゃそうだ。換気扇がある訳でなし、部屋の中で燻製なんかやったら部屋中煙で充満しちゃうよね。少しなら窓を開けておけば大した問題でもないだろうが、百本単位のソーセージを燻製にするとなると煙の量は段違いだ。こりゃ申し訳なかったな。

 皆で小僧に丁寧に詫びると早速、バストラルの部屋に向かった。ギベルティやキャサリンのもと、ジョンとテリーはしっかり働いているだろうか。

 部屋には誰もいなかった。挽き肉機とそれを固定したテーブルが置いてあるだけで、綺麗に片付けられている。机の脇には桶が置いてあり、余ったらしいケーシングに使う豚の腸が入っていた。既に全員が屋上に居るらしいな。屋上にはシャワー用の水槽の他は物干し台などがあるくらいで殺風景のはずだ。確かにソーセージを燻したり茹でたり、少し干すには丁度良いかも知れない。

 果たして屋上には全員が集まってギベルティの指揮によって作業中であった。出来上がったソーセージを洗って汚れを取り、表面の水分を拭き取ったものから順々に燻製にしているようだ。その脇では鍋に湯を沸かしており、沸騰しないようにキャサリンが火を調節しながら燻製の終わったソーセージを茹でている。

 バストラルとギベルティの作っていた燻製器は大して大きい物じゃない。体積は一斗缶四つ分くらいだろう。ぶら下げ方を工夫しても一度に百本が限界だと思う。お湯を沸かしている鍋も冒険者用の携帯コンロで暖められるサイズの、せいぜい十人分のスープを作れる程度の鍋だ。三リットルくらいだろうから一度に十本くらいしか茹でられないだろう。

 その脇ではでかいタライに朝俺が出した残りらしい、溶けかけた氷水が張ってあり、燻された後で茹でたフランクフルトが二十本ばかり泳いでいた。

 うーむ、見るからに効率が悪い。と、言うか、燻製器はともかく、コンロと鍋が小さい。これじゃあ夕方までに全部作れるかどうか微妙なところだ。たかが三百本程度でこんなに時間が掛かっていたらどうしようもない。ギベルティに仕入れの釣り銭を貰うと、貰った釣り銭に金朱を一個(二十五万Z)追加して「もっとでかいコンロと鍋を買って来い」と命じた。

 今回の費用は豚肉の各部位合計約二十七㎏で八千Zくらい。ケーシングはバストラルが予め用意して塩漬けにしていたもので四mくらいのもの十五本が一本千Zなので一万五千Z。香辛料やなんやで合計数百Zというところだろう。燻製のチップやコンロの魔石を計算に入れても二万四千Zには届かないだろう。

 一本の原材料費は八十Zか。高い、高いよ。

 特にケーシングが高い。バルドゥックではコンドームの需要があるから加工前でもかなり良い値段がするのが最大の問題だ。ロンベルティアから仕入れれば半額以下どころか三分の一くらいになっているそうだから、大量に仕入れることを考えるとそっちの方が良いか。これだけで三十Zは材料費を落とせる。一本五十Zに出来れば……二百Zくらいで売ればそこそこだろうか。いや、今回は使っていない防腐剤を添加する事も考えたら材料費はもっと嵩む筈だ。焼け石に水だろうが、かき氷の量を増やして原価を下げることも考えた方が良いかも知れない。

 ふと気が付いた。出来上がった一本を手に持ったまま小声で「ステータスオープン」と言ってみる。最近滅多に見ることの無くなった青いウインドウが開く。

【豚肉(調理加工済み)】

 まぁそうだろうな。次だ。今度は見慣れた緑のウインドウが開いた。くっそ、何で今迄気付かなかったかのかね、俺は。食い物に対してステータスを見ることや【鑑定】をしなくなって久しいということもあるんだろうけどさ……。

【フランクフルトソーセージ】
【豚肉】
【状態:良好】
【加工日:7/9/7445】
【価値:20】

「ふひっ」

 変な声が出た。

 程なくして戻ったギベルティが買ってきたコンロと鍋を使って一気に三十本くらいづつ茹でられるようにはなった。多少マシだが、設備投資についてもっと金が掛かりそうだ。いつだったか売っちまった大型のコンロの魔道具、取っときゃよかった……。あれなら寸胴みたいな鍋さえ用意出来れば一気に三百本くらい茹でられた。



・・・・・・・・・



 明日は迷宮に入るというのに、ギベルティとキャサリンはバストラルと三人で入り口広場に屋台を出している。ショバ代は五千Zという、通常の五倍くらい(普通は一日当たり二m四方の一コマで千Z前後だ)を払って広場を管理している騎士団にねじ込んだ。バルドゥックの騎士団員のチャーチさんと知り合いだからこそ出来る荒業だ。ソーセージを茹でるのに使っていたコンロに今度はフライパンを置いて、フランクフルトを串に刺して焼いているのだ。

 マスタードの瓶も用意している。そして、一本三百Zという凶悪な価格で売っていた。日本のお祭りの夜店の値段じゃねぇか。贅沢しなきゃ一食くらい食える金額だ。あまつさえ殺戮者スローターズばかりか、虐殺者ブッチャーズもうすぐ(スーナー)の奴らも動員してサクラをやらせていた。ロリックたちやジョンとテリーは除くとしても殆どがバルドゥックでは名の通った冒険者だ。

 そんな奴らが屋台に群がって串に刺したフランクフルトに齧りついていた。

「三百Zって少し高くない?」

 順番待ちのラルファが口を尖らせて言う。尤もな意見だが……。

「試験販売だからね。後からの値上げは難しいけど、最初の価格には丁度良いかもね。これで売れるようならわざわざ安売りする必要はないんだし、売れ行きが悪いようなら様子を見て少しずつ下げて行けば良いんじゃない?」

 ベルが答えている。そうだね。

「ご、ご主人様、いい匂いですねぇ。早く食べたいです」

 エンゲラがスンスンと鼻を鳴らしている。少し尻尾も揺れているようだった。そうだろうそうだろう、俺も早く食いたいよ。

「ああ、腹減った……こりゃあ、辛いですね」

 ズールーが腹に手をやりながら山と積まれたフランクフルトを見て言った。そろそろ晩飯時だしなぁ。無理もないよ。しっかし、すげえ音を立てる腹の虫だな。

「私、ソーセージはボイルしただけの方が好みなんだけどな……でも、美味しそう」
「ああ、いつだったか食った、茹でただけのやつか。あれも美味かったが、俺はこの前食った焼いた方が好きだったな」
「アクダム様、僕たちは今日作っている時に茹でたばかりの物を少し戴きましたが、すっごく美味しかったです!」
「あんなに美味しい物は食べたことがありませんでした!」
「ふふっ、これから沢山食べられるわよ。まだまだ美味しい物は世の中に沢山あるからね」
「おう、これからもたんと食っておけ。子供は食うのも仕事だからな」

 グィネとゼノムがジョンとテリーも交えて楽しそうに話している。
 そろそろ最初の数本が焼けたようだ。
 その中から二本を受け取ったミヅチが一本にたっぷりとマスタードを乗せ、それを俺に差し出した。
 受け取って齧りつく。
 ぷつっと弾けるような歯ごたえと同時にマスタードの酸味が表面の豚の脂(ラード)と入り混じって少し懐かしい感じがした。
 薫香が鼻に抜け更に食欲を刺激する。
 咀嚼すると小気味の良い歯ごたえが連続し、口中にじゅわぁっと肉汁の入り混じった挽き肉が弾け飛ぶ。
 うん、美味い!
 でっかいし三百Zも悪くないな。
 ふと横を見るとミヅチがフランクフルトの表面を伝って垂れ始めた脂を先の割れた舌で舐めとっていた。
 俺と目が合うといたずらっ子のような笑みを浮かべてフランクフルトに長い舌を絡ませた。
 食べ物で遊ぶんじゃありません。
 後で俺のフランクフルトで遊んで下さい。

「おう、遅くなった。これ買ってきたから三人共これ着ろよ。お揃いだぞ」

 トリスが黒く染められたシャツを三人分用意してくれたようだ。制服か。

「あと、サージとラリーは調理担当だからな。髪が落ちないようにこれを頭に巻いとけ」

 ついでに薄手のタオルのような白い布を野郎二人に渡していた。
 海賊みたいに頭に巻けと言うのだろう。
 フランクフルトはどんどん焼けてきている。

「はむっ、ン! これ、この前のオベントーのより美味しいねっ!」

 ミースが感心したように声を上げている。そりゃこの前皆に持たせたのは燻製も碌に出来ていなかったからなぁ。こっちのが美味いだろうさ。

「おう! この味、たまんねぇな! マスタードが良く合うな」

 ビンスも美味そうに齧りついて答えている。マスタードもいいよね。こうなるとケチャップも何とかしたいなぁ。どうしようもないけどさぁ。

「歯ごたえがいいね!」

 ヒスはもう半分近く食べていた。残りはマスタードを使うようだ。ビンスが付け終わるのを待ち切れない様子だった。

「ご主人様! マスタードを付けるとまた美味いですねぇ!」

 ロリックの奴隷の一人、デンダーが感心したようにロリックに声を掛けていた。

「だろ!? 俺も『ソーセージ』は好きでな……」
「召し上がったことがあるのですか?」
「ああ、昔……な。しっかし……美味いなこれ」

 ロリックは少し遠い目をして答えている。

「あ、もうなくなっちまった……もう一本くれ!」
「相変わらずだな、ロッコは。どんだけ食い意地張ってんだよ?」
「ケビンだってそれ二本目でしょ? 見てたよ」
「へへ……ビール飲みたくなってきた」
「だよね……薫香もするしビールに合いそう。ねぇ、ビールも置いてみたら?」
「それじゃ客が居着いて流れねぇだろうが?」
「それもそっか……もう一本頂戴!」

 もうこの辺は皆で好き好きに楽しんでいる。

「美味ぇな! ソーセージってぇのか。ん? バルドゥッキー?」
「こういうのはソーセージと言いますが、こいつはこの街(バルドゥック)生まれの新しい食い物ですからね! バルドゥッキーですよ!」

 バストラルが炒める前のフランクフルトに火が通りやすいように切れ目を入れながら講釈を垂れていた。いつの間にかテーブルの上には「バルドゥッキー 一本三百Z」と書かれた値札が立っていた。ラードを敷いたフライパンの上で焼かれているバルドゥッキーがじゅうじゅうと良い音を立てている。その横ではギベルティが焼き目を見ながらも黙々と串を打っていた。

 さて……。もう一本貰うか。

【木串】

 そりゃそうか。熱いが仕方ない。

【バルドゥッキー】

 ふん……。

【バルドゥッキー】
【豚肉】
【状態:良好】
【加工日:7/9/7445】
【価値:30】

 なるほどね。解らないことの方が多いが……全くもってご苦労さん、だな。

「おう、姉ちゃん、俺にも一本くれや」

 初めて他の客が来て、店番をしているキャサリンに声を掛けた。酔っ払いかけたおっさんだ。ごっつい手のタコから見て、早めに仕事を終えて一杯引っ掛けた何かの職人だろう。

「はい、どうぞ。三百Zです。お好みでマスタードを付けて召し上がって下さい」

「ほいよ、一、二の三で三百と。この匙で塗ればいいのか?」

「ええ、でも最初の一口はそのままどうぞ。味を変えたくなったらマスタードを付けてみてください」

 むさい酔っぱらいオヤジにもキャサリンは愛想よく応対していた。うむ。水商売の素質もあるのか。あ、いや、彼女はついこの前まで奴隷だったんだ。どんな客でも客は皆ご主人様だと思って応対しろと言ったのは俺だった。

「へぇ、どら……おおっ! こりゃ美味い!」

 美味そうにバルドゥッキーを食うおっさんの顔を見てキャサリンが微笑んだ。

「んじゃ次はマスタードを……おふっ! これも良いな!」

 美味い美味いと言いながら串に齧りついておっさんは夕暮れのバルドゥックの街並みに消えていった。

 皆も一様におっさんの反応を見守っていたようだ。いつしか全員でおっさんを見送るように首が動いていた。

 屋台の周囲にたむろってバルドゥッキーにむしゃぶりつく俺たちは良い看板になったのだろう。何人もの通りすがりがいつの間にか客となって寄って来ていたようだ。

「ああ、それ、一本くれ」
「いらっしゃいませ。三百Zです」
「三百!? ちょっと高いな……まぁいいか」
「お! 美味っ! これはマスタードか? お! これも美味っ!」
「有難うございますぅ!」
「何だこれ? へぇ、バルドゥッキー? バルドゥックっ子(バルドゥッキー)とは洒落てるな。俺にも一本くれ」
「いらっしゃいませぇ!……はい、どうぞ」
「何だこれ? 何だこれっ! 美味ぁっ!」
「何だ何だ!? 新しい屋台かい? ふん、殺戮者スローターズが揃って食ってるとはね。おう、姉ちゃん、あたいにも一本くんな!」
「はい、三百Zです、どうぞ」

 あいつ、二流パーティーの虎人族タイガーマンのゴリラみてぇな女じゃねぇか。失礼だがあいつは見た目の通り、ゴリラだけに碌に字も読めないらしいな。

「おう! ほれ……ってどっかで見た形だなぁ、姉ちゃんよ! うひひ」

 下卑た笑いを浮かべながら金を払ってバルドゥッキーを受け取ったゴリラ女は、にやにやしながら先端を一舐めすると齧り付いた。

「でしょう? でも私の旦那の方が具合良いのよね」

 キャサリンはそう言うとバストラルを振り返る。バストラルも愛想よく頭を下げていた。そいつ、殺戮者スローターズの一軍のメンバーだぜ。ゴリラ女はキャサリンと揃いの、柄の無い黒いシャツを着たバストラルとギベルティの二人が、頭に真っ白なタオルを目が隠れるくらいで巻いているので殺戮者スローターズだとは気が付かなかったようだ。トリスの案なんだが……それじゃどっかのつけ麺屋だよ。

「へっ、そうかい。んぐ。美味いな! これ!」
「ちゃんと根本まで食べて下さいね!」
「お、おう! 残せるもんか! もう一本くれ!」
「毎度あり」

 しょうもない客もあしらえるようだ。これなら良いだろう。俺を含めたサクラたちも三々五々、まともな食事のために抜けていった。



・・・・・・・・・



 ムローワで飯を食っていたら二時間位で三人が合流してきた。まだ十九時を回ったくらいだ。

「早かったな」

 俺がそう言うと三人は少し興奮気味に売れた売れたと喜んで報告してきた。二十~三十秒で一本くらい売れていた勘定か。しっかし……碌な宣伝もしなかったのにこの勢いは凄いもんだ。

 サクラも含めて九万Zの売上か。ふむ。これなら商売にはなりそうか。屋台(じか)売りは三百本くらいにして、あとは千本くらいを少し値段を引いて飯屋に卸せば一日十五万Zくらいの粗利は行けそうだ。卸すときに屋台販売はやらせないようにしとけば……別に良いか。

 ショバ代の必要な屋台販売なんかいつまでもわざわざ自分達でやることじゃない。長くてもせいぜい半年から一年くらいだろ。ああ、牛肉を混ぜたり、チーズを混ぜたり、豚でもタンを混ぜたりするような新製品のお披露目の時なんかは必要かも知れないな。いや、こういう新製品はさっさと造らせるべきだろうか? どっちでもいっか。

 とにかく、少なく見積もって一日の粗利益を十万と見込む。月に二十日として二百万。販管費などの固定費は、奴隷の人件費が小僧二人で宿代飯代含めて二十万くらい、コンロ用の魔石は……二十万くらいかな? キャサリン百万、俺六十万。ま、当面はいいだろ。何ヶ月か様子を見て人数あたりの生産量や街の評判、販売先への営業などから判断すべきだ。

 そこまで考えるとトリスと二人、イボディーの干物とケイスァーゴの煮付けをつつきながらソーセージのことは頭の片隅に追いやった。

 
フランクフルトソーセージの価格ですが、工場での大量生産品ではなく、手作りで添加物も可能な限り抑え、きちんと燻されたたものであると考えると一本二~三百円というのはそんなに高くはないでしょうね。むしろちょっと安いかも。
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