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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第百十三話 思考回帰

7445年2月9日

 また明日から迷宮に入る。ランニングを終え、全員で朝飯を食べている時だ。店に知った顔が現れた。男は日光サン・レイに所属し、ラウンドシールド戦棍メイスを使って前衛を張っている三十男のハルケイン・フーミズだった。

 フーミズはゆっくりと店内を見回すと、自分の分をさっさと食い終わったラルファから茹卵を守りつつ殻を剥いていた俺の前まで来て話しかけてきた。見て判んねぇのか低能。俺は今忙しいんだよ。

「あの、グリードさん。少しお時間を頂いても宜しいでしょうか」

「あ、ああ、なんでしょうか?」

 もういいよ、やるよ。……それ、王都より北のなんとかっつー村だか街だかの名物の、特別な餌をやって黄身を赤くした変わった卵らしいから食いたかったんだが、他所の人の前でたかが卵一つに執着しているのを見られるのも恥ずかしいから諦めてラルファに渡してやった。

「その、単刀直入に申し上げます。殺戮者スローターズでは盾の使える戦闘奴隷をお探しと聞きました。私は奴隷ではありませんが、私ではお役に立てませんか?」

 こいつのレベルは十七だから「人物魅了チャーム・パーソン」の魔術には失敗の可能性がある。真意を聞き出すのは無理だろう。

「間に合ってまふ」

 俺が返答するより早くラルファが答えた。何勝手に答えてんだ屁こき虫が。右手でラルファの後ろ頭にスパンと一発くれてやると口に入っていた茹卵が飛び出した。それを左手で受け止め目の前の皿に置いてやりながら返答を口にする。半熟じゃないのか。俺、半熟が好きなんだよな。

「えーっと、日光サン・レイのメンバーですよね。揉めるのは勘弁して欲しいんですが」

 意地汚いラルファは飛び出した半分の茹卵をまた口に入れている。

「ああ、申し遅れました。私は日光サン・レイのハルケイン・フーミズと申します。私を使っていただけるのでしたら日光サン・レイの方は今日にも辞めると伝えます」

 こいつら日光サン・レイは俺たちをガキだと思って舐めてかかってぞんざいな口をきいて来ることはない。この点は粗雑なオースの人々にはなかなか見られない、素直に褒められる美点だろう。まぁ、逸れた仲間を二人も見つけて保護してやったし、五層のシャワールームも使わせてやってるから舐めた口なんか叩けないだろうけど。

「辞めるって……そうですか……。ですが、引き抜きと誹られるのは問題がありますから、はいそうですかと受け入れられないのはご存知ですよね」

 当然だが、バルドゥックの冒険者の間には引き抜きだの何だのを罰する規則なんかない。だが、当たり前ではあるが興味は持たれる。特にトップチームから抜けるとか、そのメンバーが別のパーティーに鞍替えするなんて事は一瞬で冒険者達の話題に登る。強引な引き抜きだって可能といえば可能だが、外聞は良い訳がない。

「勿論知っています。日光サン・レイのメンバーでも若いのを中心に殺戮者スローターズに憧れている奴は増えてきています。私はもう若いとは言えませんが、それでももっと稼ぎのいいパーティーで迷宮に入りたいのです。こう言っちゃなんですが、そこらの奴にはまだまだ負けませんよ」

 そりゃそうだろう。ゼノムよりずっと若いのにレベルは既に十七にもなっている。それに、実力が劣る奴がトップチームで前衛なんか出来っこない。だいたい、いくら日光サン・レイが金にシワいとは言え、それなりの報酬は貰っているんじゃないのか?

「しかしですね。我々の人数も既に上限です。まぁそんな事より前に、リンドベルさんに貴方の脱退について正式に認めて頂く必要があります。もしそうでないなら私は一切の話をする気はありません」

 皆、食事の手を止めて俺とフーミズに注視している。皆の表情にはあからさまに「こいつ、怪しいぞ」という表情が浮かんでいる。ああ、解ってるさ。俺だって怪しいと思ってるし。

「報酬の分配方法について、二年ほど前から我々の間で意見の食い違いが起きていました。私も日光サン・レイに参加してもう三年近くなります。迷宮で稼ぐのに必要な技量などは手に入れましたし、独り立ちしても良かったんですがね……。どうにも自信がなくて、そこで今一番稼いでいるともっぱらの噂の殺戮者スローターズに目を付けた次第です」

 正直に言っているならある意味で好感が持てる。しかし、俺達の内情を探りに来たか、内部から切り崩そうとするつもりならさっさと話を切り上げてこんな奴の事は忘れたい。だけど、潜り込むならもう少しそれらしい理由を話しそうなものだが……カモフラージュだろうか。

「……日光サン・レイがどのように報酬を分配しているのかについては興味がありません。たとえ貴方の実力が我々の誰より優れていたとしても我々には我々の決まりがありますし、貴方だけ特別扱いするつもりもありません。……リンドベルさんと話をした上で我々で再度話し合わないと加入は認められませんし、正直なところ、今、急に加入したいと仰られてもすぐにお返事は致しかねます」

 フーミズは俺の返答を聞いてもさして残念そうな顔を見せなかった。ある程度予想はしていたのだろう。

「解りました。今日のところは退散します。お食事中失礼しました」

 そう言って踵を返し、店を出て行った。

「真正面から切り込んできたな……」

 キャベツ煮(味付けが碌にされていないので非常にまずい。しかしゼノムは好んで食べている)を食いながらゼノムが言った。

「切り込んで、って……あんなんで入れる人なんかいないでしょうに……」

 ベルがマヨネーズの小皿に殻を剥いた茹卵を付けながら答えた。塩で食えよ。マヨネーズの油はこいつの胸に吸収されているのだろうか。

「まずはあの程度で喜んで加入を認めるか、試したというところかしらね」

 メイネイジの干物をほぐしてマヨネーズと和えたものをパンに挟みながらミヅチが加わってきた。今朝は俺もそのメニューにしとけば良かった。美味そうだな。

「ってことは、また第二第三の日光サン・レイからの加入希望者が来るってことですかね?」

 小さなナイフで茹卵を薄切りにして、それをマヨネーズを塗ったパンに乗せながらトリスが言った。どう見ても一定の厚みだ。こいつ飯屋やっても食っていけるんじゃね? っつーか、もう少し有効な方面で魔力(MP)を使えよ。まぁいいけどさ。

「まぁ、罠なんでしょうし、全部断って放っておいてもいいんじゃないですか?」

 グィネはあんまり興味がないみたいだ。煮豆を大皿から自分の小皿によそうのに忙しいようだ。

「俺はよく解りませんし、お任せします」

 バストラルは思考自体放棄していた。それより、飯を食うたびに感動して涙を浮かべるのはいい加減にしろと言いたい。もう一月以上こういう食事しているだろ?

「ねぇ、そのベーコン、食べないなら頂戴よ」

 返事を聞く前から俺の前の皿に乗っている厚切りベーコンに手を伸ばすな。やらねぇよ。っつーか、少しはズールーやエンゲラを見習え。あいつら、お前なんかよりよっぽど少ない給料でも文句一つ言わずにちゃんと食っていってるんだぞ。食うだけなら充分過ぎる金額を渡しているのも事実だけどさ。食いたきゃ手前ぇで注文しろよ、まじで……。

「何でお前はそんなに意地汚いんだ? 親の顔が見……」

 ゼノムがテーブルの端っこで申し訳なさそうにしていた。そんなつもりで言ったんじゃないよ。言葉の綾だよ。

 俺の隣にいるラルファの向こうから、ミヅチがラルファの前にメイネイジのサンドイッチを置いてやった。少し驚いたような顔をしたが、すぐに一口食べてにんまりとしていた。

 食い意地張るのもいい加減にしろ。
 礼くらい言えないのか、お前は。
 それからそこのデュロウ。
 お前もこいつを甘やかすな。

 そう言やぁ最近試してすらいねぇけど、【部隊編成パーティーゼーション】出来るようになったんか? 出来なくても別にいいけど。



・・・・・・・・・



 午後、ミヅチと魔法の修行を終えたあと、バルドゥックの街を宿に向かって歩いている途中、ギベルティが明日以降の迷宮の食料品の買い出しをしているのを見かけた。ギベルティには給料とは別に食料品や調味料などの金を纏めて渡しているのでたまにこういうところに出くわす。

 肉屋で豚肉と鶏肉を買っているようだ。ふと肉屋を見るとマットタートルの肉も売っていた。マットタートルってのはゾウガメ程ではないがそれなりにでっかい亀だ。もう少し北に行くと草原をウロウロしているらしい。煮ても焼いても旨い。前世でスッポンは何度も食ったことがあるが、あれからゼラチン質を少なくした感じ、と言えば伝わりやすいだろうか。

 とにかく、食味はそこそこ良いのでなかなかいいお値段がする。大きな隊商なんかだと馬車に数匹積み込んでおいて食うときに解体したりもするらしい。何も食わないでもかなりの長期間生きているので新鮮な肉をいつでも食えるから良い携行糧食であるとも言える。

 家畜化については大昔からチャレンジされているようだが、所詮は爬虫類。飼育者の指を噛み千切ったりするらしいし、飼料もよくわからないらしく、たまに草原をウロついているのを見かけられた時に捕獲されるボーナスキャラのような扱いになっている。

 何にしてもバルドゥックの肉屋に並ぶのは珍しい。……それに、今回の迷宮では潜っている最中に俺たち転生者は誕生日を迎える筈だ。ここは奮発するところだろう。

「あ、ご主人様。今回はちょっと肉を多めにしようと思いまして……」

「うん、そうだな。ギベルティ、豚肉はいいからその分マットタートルを買っとけ。……ほれ、少し多めに買ってもいいぞ」

 そう言って多少金を渡しながらギベルティに注文を変更させた。

「おお、一度こいつを使ってみたかったんです! 今回の食事は期待して下さい」

「ああ、そうだな……うん、楽しみだ。旨いものを頼むぞ」

「ええ、勿論です。皆さん迷宮では食事くらいしか楽しみがないと仰られていますからね。腕の振るい甲斐がありますよ」

 まあ、そうだな。そうだよな。飯以外に楽しいことなんか魔石の勘定とか、魔道具なんかを得られた時くらいなもので、あれは楽しいと言うより愉しいって感じだし。まぁ食い物はギベルティに任せておけば心配はない。

 俺たちはギベルティと別れてまた宿を目指した。

 前から知った顔が歩いてくる。ファルエルガーズとヒーロスコルに奴隷の獅人族ライオスが二人だ。奴らも買い出しのようだ。そう言えば先日話した時、今月頭にもう一度迷宮に入ったと言っていた。

 と、言ってもその時の稼ぎは二十四万Zで、ガイド料やなんやを払ったら大赤字だった(ガイド料十万、入場税七万、ガイドへの頭割り一万、残りを四人で分けて僅か一万五千だ。奴隷に給料も払わなくてならないだろうし、大赤字だろう)ので、ガイドはもう雇わないとか言っていた。

 先方も俺たちに気がついたようで会釈をしてきたのでこちらも返してやった。

 まぁ死なない程度に苦労してくれ。バルドゥックの冒険者がどんな思いで金を稼いでいるのか、どうやって危険を避けようとしているのか、何故魔石で稼ぐのが大変なことなのか、その肌で思い知ってくれ。ついでに、冒険者なんて言葉だけが格好いいだけの単なるゴロツキだってのを知っておいた方がいいぜ。何故だかは知らんがあんたら二人は冒険者って言葉に憧れでもあるのかってくらい気持ちが入っているようだからな。

 俺には迷宮で失敗出来るような余裕は金銭的にはともかく、精神的にはなかった。あんたたちは結構いい環境でバルドゥックの冒険者のスタートを切ったと思うよ。まず、俺みたいな助言者が居るのが一番大きいかもね。頑張ってくれ。

 ボイル亭に帰り、シャワーを浴びて着替えてから少しゆっくりして、皆と晩飯を食いに行った。



・・・・・・・・・



7445年2月10日

 一夜明けた朝は小雨がしとつく嫌な空だった。霧のような小雨が纏わり付き、非常に不快だった。こんな時はさっさと迷宮の中に逃げ込むに限る、とばかりに俺たち殺戮者スローターズは早足に入り口広場を目指す。迷宮の入り口を覆う建物に向かって入り口広場を歩いていた時だ。

「ん? 『銃』?」

 殺戮者スローターズの通り道とでも言うような、トップチームにありがちな花道のような所を歩いていた時、驚いたような声が聞こえた。反射的にそちらに振り向くと、ファルエルガーズとヒーロスコルが奴隷を従えて武装していた。クミールやルッツと待ち合わせなのだろう。彼らの姿は見えなかった。

「おい、それは『銃』か? あ、いや、違うな。失礼した」

 驚愕に目を見開いたヒーロスコルがストラップで肩に掛けられている銃剣に注視している。

『形だけですよ。自衛官だった頃を思い出して使っているだけです』

『う、あ、そうか。自衛隊にいたのか……』

『大昔、数年だけですがね。では……』

 そう言って再び前を向き、迷宮へと足を踏み入れた。



・・・・・・・・・



 その晩、三層の転移の水晶の小部屋で寝るとき、銃剣を見て驚いたと同時に64式小銃を模した形状に転生前の日本の香りを感じたのか、懐かしそうな顔をしてこちらを見ていたファルエルガーズとヒーロスコルの事を考えていた。

 彼らは何故冒険者なぞに憧れのような気持ちを持っているのだろう? 精神が若いからだろうか。もちろんそれは否定出来ないが、他にも何か理由が有るのかも知れない。彼らはファルエルガーズ伯爵領で正騎士の叙任を受けた、言わばオースのエリートだ。常識で考えたら冒険者を……特に迷宮に入る冒険者を仕事に選ぶなんてちょっと普通じゃない。

 バルドゥックの冒険者は、確かに大儲けする事もあるが、基本的にはいつも金欠だ。安酒場で安酒を呷り、淫売宿で一晩大銅貨一枚とか二枚の、若過ぎるか年増過ぎる女を抱く。半数以上の冒険者はいつか迷宮の奥で魔物に殺されるのが関の山だ。成功者と呼べるのはほんの一握りだけという厳しい世界だ。

 普通に暮らして行くのなら同じ冒険者でも迷宮になんぞ入らない、一般の便利屋冒険者の方が余程マシと言える。

 バルドゥックの迷宮に挑戦する冒険者はそれぞれ止むに止まれぬ事情で大金が欲しいか、若さからくる向こう見ずな無鉄砲か、あと、こちらが大半ではあるが、本当に見合っているかは別にして己の腕に自信がある奴だけだ。俺だって、いくら転生者と言ってもこれだけ魔力が高くなきゃ現実を知ったら挑戦する気も失せただろう。きっと時間を掛けてでも地道に商売に血道を上げていた筈だ。

 だが、転生者は生まれ持った知識やそれを下地にする思考力、優れた肉体の成長力がある。知識があるというのはものすごい武器だ。まず、知識に裏打ちされた思考力のお陰で想像力が普通のオースの人達と比較して天地の差になる。これだけで新しい人生に於いて勝ちを収めたも同然だと言っても過言ではない。

 周りの奴がことごとく馬鹿で間抜けに見えた頃があった筈だ。当たり前だ。俺達転生者は色々便利な道具を知っているし、その作動原理を学んで知識として持っている。進んだ文化、文明の中でそれらに触れて暮らしていたのだから。ああ、文明はともかく、文化が進んでいるのかは一概には言えないか。

 また、オースとは比較にすらならないレベルの高い教育を受け、それを自然と自分のものにしている。過去の地球の歴史からだって学んだことは多い筈だ。知識があるからこそ想像し、新しいことへある程度の確信を持って挑戦が可能になる。十世紀かそこらの文化文明レベルでは俺達の思考力や思考法は正に異物だろう。

 流されないで己を保ち、諦めずに辛抱強くやれば成功出来ない方がおかしいのだ。だって周りには小学生程度の教育をすら受けた奴なんか一人もいないんだ。たまに平均値から考えて異常なくらい優秀な奴が出てきて英雄と呼ばれ、建国したりしている。

 しかし、現代日本から高校生や大学生程度の奴が戦国時代に転生して上杉だの武田だのの長男に生まれ変わって“その気”になられたら、麒麟児と言われた織田信長をすら上回ることが可能だろう。と言うより、頭角を現す前、いの一番に滅ぼされていたはずだ。ああ、これは違うな。歴史を知っているかどうかの話だ。

 まぁ、知らなかったとしてもそれなりに用心して情報を集めていれば、いずれ進んだ施策を打ち出したりする織田信長という人物が同世代に居ると言う事実を知ることは出来る。その時、強固な目的意識を持っているのであれば、いち早く配下に加えようと懐柔するか、それが無理ならどんな手段を使ってでも暗殺を狙うか、戦争を仕掛けて滅ぼすかの選択になるだろう。そうじゃなきゃ素直に従うかのどれかだろう。

 百年やそこらじゃ大した違いはないのかもしれないが、何百年とか千年も開いていれば持っている知識や思考法の差は膨大なものになる。幸いなことにこのオースは過去の地球によく似た部分も多い。また、反面不幸なことによく似た部分が多すぎるがゆえに昔の地球同様に個人の力も尊ばれる。良くも悪くもまだまだ野蛮な世界だ。俺は運良く奴隷階級ではなかったし、ある程度余裕もある生まれだったから、まず個人の力量を上げることに邁進できた。

 楽に今の力を手に入れた訳ではないが、ズルをしているような気持ちはある。しかし、このズルだって俺の力であることには間違いはない。それを有効に活用するか否かは俺の胸三寸であり、俺は有効に活用しよう、と思ったに過ぎない。オースの人に対しては明らかにズルだが、転生者に対しては何の引け目も感じない。

 生まれの違いだって単なる運だし、それを言い始めたら俺より運の良い奴だって居るに違いない。ファルエルガーズなんかはその典型だろう。持っているカードで勝負せざるを得ない以上、自分のカードを上手に使うことは人生を送る上で必須の能力だ。

 ヒーロスコルは前世で亡くなった時老人だったというからその程度のこと、解っている筈なのに、なぜか俺をズルでもしているかのような目つきで見てくる。普段の会話ではなかなかそういう部分は見せないが、そう思えて仕方ないのは俺のコンプレックスなのかも知れない。だとしても今後も何一つ変える必要は無いと思っているが。

 彼らを始めとした転生者たちの持つ日本を背景とした文化だの倫理観だのと、俺の欲望に支えられた目標が決定的に逸れる時、一体何人が俺に付いてくるだろうか?

 俺には過去に存在した偉人のように人を惹き付ける人間的な魅力なんかないだろう。全くゼロと言う訳でもないだろうが、ゼロと仮定しておいた方が良い。だから、人を惹き付けるには必ず何らかの対価が必要になる。それが何かは相手によるから何とも言えないが、只働きは期待出来ないって事だけは忘れてはいけない。肝に銘じておく必要がある。

 え? 親藩譜代が如きラルファだのベルだのは別だよ。あいつら五人とミヅチは別枠だ。だって……その……言わせんな、恥ずかしい。

 
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