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男なら一国一城の主を目指さなきゃね 作者:三度笠

第二部 冒険者時代 -少年期~青年期-

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第百十二話 愚直

7445年1月22日

 昨日迷宮から戻ってきた。昨日はオーガが沢山いた通路に転移したのでかなり遅くまで探索する羽目になった。が、戦果としてオーガを一日で三十四匹という新記録を樹立出来たので俺も含めて皆、かなり疲れているのに気分は高揚していた。尤も、地上に戻ったら飯だけ食ってさっさと寝ちゃったけど。なお、ちょこちょこ出てくるゴブリンは殺しても時間の無駄なので魔石も採らずに死体は放置したままだ。

 とにかく疲れが溜まっていたのか、今朝は少しだけ寝過ごした。ランニングの準備をしてボイル亭の前に行くと、既に空は明るくなっており(外輪山があるため流石に太陽は見えない)、待っていたのは奴隷二人とバストラルだけだった。バストラルは誰よりも疲れている様子だったが根性で起きたらしい。

 じきに全員が揃ったのでランニングをしてから、ゼノムとギベルティを呼んで全員で朝食を食いに「メンサト」という飯屋に行った。ここはオリーブを刻んでオリーブオイルと塩で漬けたやつが旨いんだ。これを少量のマヨネーズと共にパンに塗ってちょいと野菜やハムを挟めば何となく豪勢なサンドイッチになる。

 このざく切りオリーブのオイル漬けは販売していない。真似してギベルティが再現しようと頑張っているらしいが塩加減や漬ける時間の問題なのか、未だに成功していないようだ。店のオヤジからしつこく作り方を聞き出そうとするギベルティの様子は殺戮者スローターズの行く店の風物詩だが、相手だって飯の種をそう簡単に教えるつもりはないだろう。何しろこの店の名物だしな。食いたきゃ店まで来て食えってことだろう。

 朝食を食って少しのんびりしてから今回の迷宮行で得た魔石の換金に行った。昨日は戻ってきた時間が遅かったから換金せず飯を食って寝ちまったからね。オーガ六十二匹、サンドシャーク二十一匹分の魔石を換金したら五千二百万Z(金貨五十二枚)を少し超えた。

 バストラル以外のメンバーは金貨一枚と銀貨四枚、バストラルはその半額の金朱二個と銀貨二枚だ。殺戮者に加入して一ヶ月強、僅か三回の迷宮行で金貨一枚半を少し超える程度の報酬を手にしたバストラルは大喜びだった。

 前世ではインディーズのロックバンドでギターやボーカルを担当してたという彼は、そういった人物に抱いていた俺のイメージを良い意味で裏切る、真面目なタイプだった。まだ一ヶ月程度しか一緒にいないから軽々に判断は出来ないが、少なくとも俺の知る限りの空き時間は文字の練習に始まり、槍の稽古を自主的に行っている。内容自体はグィネが教えた、ほんの基礎ではあるが、飽きもせず同じ型を繰り返していた。裁きの日の直前の休みだったか、聞いてみたことがある。

「なぁ、バストラル。同じ型ばっかり続けて飽きているのかも知れないが、突くときは槍の穂先だけを見るんじゃない。ぼうっとでもいいから想定する相手の体全体を見てた方がいい。苦し紛れに手に持った武器とか投げつけられたら嫌だろ?」

 稽古中にいきなり俺に声を掛けられて少し驚いた様子だったが、すぐに俺の方に向き直って、稽古用の木槍の石突を地面に立て、その槍を右手に持ったバストラルはこう言った。

「ああ、アルさん。なるほど、相手の体全体ですね……。ですが、飽きてなんかいません。『ギター』と一緒です。昔、『中学生』の頃ですかね、俺、『音楽教室』の『ギター講習』に行ってたんですよ。その教室の先生は教えるのが上手な人だったんですが、あんまり評判は良くなかったんです。何でだと思います?」

「いや、わかんねぇ」

「普通は本当に基礎を教えたらすぐに簡単な曲を弾かせるんですが、その先生は基礎を徹底的に仕込むんです。一般的な六弦の『ギター』には難しい物を入れると187種類のコードがあるんですが、そのうち基礎的なものは84種類と言われています。その基礎的な84種類全てを覚えてからじゃないと曲を弾かせて貰えなかったんです。
 そんなつまんないのって、ちょっと無理じゃないですか。だからその先生はあんまり人気なかったんです。その教室には別のギターの先生も居たので、一人の生徒がそっちの先生の教室に移ると、あっという間に殆ど全員がそっちに移っちゃったんです」

「ん、まぁそうだろうな。気持ちは何となく分かる」

「ええ、そうですね。で、俺も移ろうかどうしようか迷って、でも結局移る気で教室に行ったんです。教室を変わりたいって事務の人に伝えるつもりで少し早めに行った事があるんですが、その時、たまたまなんですが、もの凄く上手なギターが聞こえてきたんですよ。で、俺、事務の人に言っちゃったんです。あのギターを弾いている人に習いたいって」

「ああ、オチが読めた。その凄く上手い人が人気のない先生だったのか」

「そうです。それからは俺、先生の言うことを聞いて一生懸命に練習しました。元々大して才能なんか無かったんですが、それでもバンドでCD出したりする程度にまでなれたのはあの先生のお陰です。バンドの中でプロのスカウトが来たのも俺だけでした。まぁ、そっちはバンドのメンバーが気に入ってたんで断っちゃったんですけどね。だから基礎練習は手を抜けないんです」

「ふーん、なるほど」

「ええ、なのでグィネさんに合格を貰えるまではひたすら突くふりをして防御、突くふりをして防御のこの型をやるんです。グィネさんが言うにはこれが完璧に出来るなら死なないで一匹のモンスターを相手し続けられるからって……」

 この話をして俺は少しだけバストラルを見直したんだ。相手に攻撃を入れるよりとにかく防御を主体にして時間を稼ぐ。攻撃は慣れるまで別の奴に任せる。これを最初から受け入れた、と言うか、出来る奴はなかなか死なない。死ななければ場数を踏む回数も増える。数字ではない、本当の経験も積める。俺だってそこらの従士よりレベルが高くても初めてホーンドベアーと向き合った時には気後れしたもんだ。

 とにかく、バストラルが生きて金を掴むためには俺達と一緒にいるのが早道であることは確かだろう。数百万Zなんか数ヶ月で稼がせてやる。午後の訓練の時には扱いてやろう。



・・・・・・・・・



7445年1月23日

 日光サン・レイもあれから特に何もして来ていないし、あと直近で気になる事と言えばファルエルガーズたちの事だ。彼らは一昨昨日さきおととい、年明けから初めて迷宮に再挑戦したらしい。俺の忠告を聞き、いろいろ買い物もした。その中には戦闘奴隷も含まれていた。ズールーよりもでっかい獅人族ライオスが二人だ。ちらっと聞いたらロンスライルの店で一人九百万Zとかふっかけられたらしい。

 あの二人には一体幾らの財産があるのか知らないが、奴隷二人の装備も含めれば二千万Zを超える筈だ。ズールーを買った時の俺を当て嵌めるとすればあの当時で四千万Z以上の財産を持っていたことになる。流石は金満伯爵だな。まぁあの精人族エルフのマダムは奴隷を見る目はあるので商売はまともにしている。

 あのマダムが九百万Zと言ったらきちんと七~八百万Zくらいの価値はあると見てもまず間違いはないだろう。最近は戦闘奴隷の扱い量も増えて更に選別眼に磨きもかかっているようだし、そのくらいの信頼度はあると思う。

 今日、ミヅチと昼飯を食っているところに現れたファルエルガーズとヒーロスコルが立派な体格の男二人を従えて店に入ってきた時は少しびびった。その時聞いたんだけどね。ちゃんとガイドも雇って合計七人で迷宮に入り、朝から晩まで探索し、なんと百三十万Zもの収入があったと喜んでいた。尤も、そのうちの百万Zはモン部屋にいた瀕死のブラックガルガンチュアリーチを殺して手に入れた、既に躯と化していた他の冒険者の装備品によるものだったらしいが、立派なものだ。

 とは言え、ガイド料で十万、百三十万の七分の一の報酬で十九万の二十九万弱もガイドには支払ったはずだ。残りを奴隷を除いた四人で分けると一人二十五万。うん、充分だな。大したもんだ。だが、戦利品がなかった場合、ガイドには十四~十五万くらいの報酬となり、残りを四人で分けると一人四万Zくらいだ。それだって贅沢しなきゃ一週間は暮らせる。充分だろう。

 怪我人は奴隷の一人と、クミールかルッツのどちらかの合計二人だけだったらしい。二人共怪我自体はそう深いものではないらしく、あと三~四日経過を見て問題無いようであれば再度迷宮に行くらしい。また、あちこちで俺たち殺戮者スローターズの噂を耳にしたらしく、戦果や強さなどの評判については感心しているものの、飯屋や酒場での素行についても耳にしたようでその辺りは見下された。

 過去におこなって来た喧嘩で、こちらから吹っ掛けたものは全てラルファなんだが、それを説明したところで言い訳とか罪を女に被せようとしているとか言われるに決まっているので苦笑いをして誤魔化した。尤も、ラルファだって自ら因縁をつけた事は一度も無い。聞こえるように陰口を叩かれてそれに対して食器を投げつけたりしたくらいだ。あとは全部相手から吹っ掛けられている。

 特にベルが加入して暫くはそりゃあ酷かったもんだ。これが四層に行くようになるまでの一年くらい続いた。それ以降はある程度は渾名に伴った実力を認められたのか、絡まれる回数はめっきり減った。最近じゃ平和なもんだ。数ヶ月に一度くらい、新たにバルドゥックにやってきた新人の中でも目端の利きそうな奴等が「お見知り置きを」と挨拶に来るくらいのもので、絡まれることはまず無いと言っていい。



・・・・・・・・・



7445年1月24日

 朝飯を摂ってから昼も食わず、晩飯まで外輪山の外側の森のなかでずっと「トランスミュート・ロック・トゥ・マッド」の魔術の練習をしていた。頑張ったのでこの日だけで四回も練習出来た。晩飯に行った時は長時間連続で集中し過ぎて、目は落ち窪み、体の各所の毛細血管が切れていたのを治癒魔術で治してから行ったので誰にも怪しまれなかった。

 俺が魔法の修行をしている間、ミヅチは俺の側で「昆虫召喚サモン・インセクト」で蜂を召喚したり、「昆虫群召喚インセクト・プレイグ」で千匹を超える程のゴキブリを召喚してしまってぎゃーすか喚いていたらしいが、俺は全く気付かなかった。薄情者と罵られたりしたが知らんもんね。

 明日からの迷宮行に備え、装備品を確認してとっとと寝た。



・・・・・・・・・



7445年1月25日

 夜明け前に入り口広場から迷宮に入る。入り口広場は混んでいるから、いつものように全員で一列になり、入り口を目指そうとした時だ。迷宮入り口の建物の辺りから歓声が上がった。誰か有力なパーティーが戻って来たらしい。

「おい、あれ、ロズウェラか?」
「ボロボロじゃねぇか」
「あれ? ちょっと少ねぇな、ひぃふぅみぃ……八人か。やられたらしいな」
「あいつ、この前入った時九人いたぜ。また一人やられちまったのか?」
「そうらしいな。大損害だ。ざまぁねぇ。所詮は二線級の冒険者だな」
「けっ、手前ぇを棚に上げて先駆者を罵るとはお里が知れるぜ」
「ああ!? ンだこの野郎、文句あんのか? お?」
「それにしちゃ、なんだよあの剣や槍の多さは」
「大戦果だな。流石はロズウェラと言った所か」

 すげぇな。奴隷が運んでいる武器は二十人分はありそうだ。状態もそう悪くは見えない。良くもないだろうが。だが大戦果であることは間違いがない。あれなら一人くらい奴隷を磨り潰したとしても黒字だろう。

「おお! ありゃ金鉱石だ! す、凄ぇ!」
「ふん、あの大きさじゃあ金の純度なんか知れたもんだ」
「知れたもんだって……そう言うお前さんはあんなの見つけたことあんのかよ?」
「ねぇよ。ねぇけどしょっちゅうここで見てりゃ大体判るぜ。ありゃあ知れてる」
「はっ、何だ手前ぇで潜りにも行かねぇ素人とうしろうか。黙ってろ」
「ふっ、俺くらい毎日ここで冒険者共を見てりゃイメトレはばっちりよ」
「じゃあお前さん。迷宮に行って稼ぎゃいいじゃねぇか」
「俺くらいのベテランウォッチャーになると薄汚い迷宮を這いまわるなんてアホ臭くてやってらんねぇわ」
「お前、言ってて恥ずかしくないのか……?」
「何で? 俺はちゃんと職もあるし、冒険者に文句つけて楽しめりゃいいのよ」
「俺は二層と三層をウロウロする程度だが、あんた、最低だな……」
「なんだ、顔も知らないと思ったら二線級にも上がれないカス冒険者か。せめてロズウェラくらいになってから俺に声掛けろや」
「いや、掛けてねぇし……」

 ロズウェラが奴隷に指示したのか、迷宮で入手したらしい金鉱石を取り出させて頭上に掲げさせた。ちろっと鑑定すると価値は百八十万近い。一千万くらいでは売れるだろう。そこそこどころか大変に価値あるシロモノだ。あれと武具を手に入れるために部屋の主と戦ったのだろうか? 一人の犠牲であれだけの物を手に入れたのであれば言うことはないだろう。

 俺は後ろを振り返るとクイッと顎で入り口を指し、歩き始めた。

 いつもの様に俺とエンゲラで組になり、残り九人は纏まって一層を進む。転移の水晶棒の小部屋でエンゲラとズールーが交代し、二層をズールーと突破し、また三層をエンゲラと二人で抜けた。



・・・・・・・・・



7445年1月29日

 昨日から七層をうろつき回ってオーガと戦いまくっている。と言えば、なんだいつもと同じじゃないか、と思われそうだが、半分その通りで半分違う。七層の通路で出会うオーガはそれまでの階層の通路で出会うモンスターとは実力が一枚どころか四枚も五枚も上手なのだ。

 麻痺薬を使わずにまともに戦ったらかなり強い部類で、単体の戦闘力だけを考慮しても五層や六層の部屋の主とそう変わらないと思われる。こいつに匹敵するような強さのモンスターは特別なのを除けば五層のフロストリザードか、六層のクアッドハンドエイプの群れくらいのものだ。

 それが時には四~五匹もの群れで出てくるのだ(普通は一~三匹くらいが多い)。下手に五層や六層の主を相手に戦うより、余程経験を積める。念のため、麻痺薬は全員に携行させているが、使用を禁じた。どんなに大きな怪我を負っても必ず治してやると請け合って戦わせている。こんな乱暴で強引な指示は俺の魔力量と魔術の技倆が飛び抜けて高いことを知っている殺戮者スローターズでない限り、通用しないだろう。

 大怪我を負ってもそれが余程酷いものでない限り、かなり高位の治癒魔術の連続使用でものの一時間もあれば痛みまで綺麗さっぱり回復してしまうことを知っていなければとても受け入れることは出来まい。

 それに、全力に近い俺の氷を一度見ているからだろうか。本当にやばい時には即味方ごとでも巨大な氷で固めて、その後、氷を味方のところだけ消すなりすればオーガの集団相手でも最悪死ぬようなこともない、という安心感もあるのかも知れない。

 何にしても出るか出ないかで言ったら、圧倒的に出ない可能性の高い魔道具や魔法の武器を当てに、五層や六層で魔石も稼ぎにくい相手にちまちまと雑魚の掃討を繰り返しながら暗い迷宮を移動するのにはもう全員嫌気が差しているのだ。

 明るくて広い七層でオーガ相手に、稼いでいる実感を伴って戦う方がマシだと意見の統一を見た。特に根拠があるわけではないが、こちらの半数のオーガを俺の援護と麻痺薬の使用無しで危なげなく切り抜けられるようになる事が目標であると宣言した。

 これが出来るようになって初めて八層の探索を開始すると言い、それまでは七層でオーガを相手に辛い戦闘が続く事を納得させた。それなりの危険も伴うことから、強硬に反対されるかも知れない、と予想した部分もあったが、意外とあっさりと納得してくれたのでホッと胸を撫で下ろした。

「今だって全く無理って訳じゃ無いし、出来るようになるでしょう。この前トリスと二人で相手取った時も麻痺薬無しで倒せましたし」

 ベルが落ち着いてそう言ってくれた事が皆を納得させる一助になったのだろうか。この前の迷宮行で一日で三十四匹ものオーガを倒した時の事を思い出させたのだろう。あの日はやけにオーガと遭遇し、午前中だけで十五匹も倒したのだ。携行していた麻痺薬も半分を切り、安全策を取って来た道を戻ろうとした時、別方向から現れた五匹ものオーガに追い立てられ、回り道をして帰ることを余儀なくされてしまった。

 「生命感知ディテクト・ライフ」だって常に使っていられる訳じゃ無いから完全に奇襲を防ぐことは難しい。まだ話していないかも知れないが、「生命感知ディテクト・ライフ」の魔術は使用した一瞬だけの状況しか把握できないから出来るだけ定期的に使うことが望ましいが、魔力の無駄遣いに繋がりかねない行為はそう簡単に踏み切れるものじゃない。

 俺だって十秒に一回も使っていたら二時間強で魔力は空っぽだ。そもそも十秒おきに魔術の精神集中なんて無理だよ。魔力は充分にあるだろうが、精神力とか根性が続かないだろうから二十分くらいでダウンするだろうな。短期間であれば問題はないだろうけどさ。

 とにかく、来た道のかなり先で合流する道を進んだ俺達はそれからも度々オーガに遭遇した。そして、やっと合流する頃、また新たなオーガの群れを発見したのだ。その群れは四匹のオーガだった。残っている麻痺薬はエンゲラが持っていたほんの僅かな量だけ。一匹に使用して終わりくらいの量だった。

 仕方なしに四匹の群れに戦闘を仕掛けた俺達は、最初に俺の魔術で一匹、近付いて来る間の迎撃中に一匹、の合計二匹を俺が始末した。残った九人で二匹のオーガを相手取ったのだが、猛り狂ったオーガの持つ棍棒によって盾を弾き飛ばされ、次いで腰を割られ、蹲ってしまったエンゲラの治癒のために俺がエンゲラの傍に張り付いた。俺とエンゲラの護衛にゼノムとミヅチ、オーガの牽制にラルファとズールーがついて、グィネとバストラルがそのオーガを仕留めたのだが、もう一匹はトリスとベルだけで相手をしたのだ。

 結局その時はエンゲラ以外に怪我人は出なかったが、既に麻痺薬が底をついていた事もあって結構苦戦した。戦闘時間は最初の不意打ちから二分程度だったと思うけど、トリスは一分以上もの長時間に亘って、盾と剣でオーガの攻撃を無傷でいなし続けたんだ。

 まぁそれが無くても似たようなことは過去にあったし、絶対に無理な目標じゃないという事には全員が頷いたんだろう。

 とにかく目標を達成するまでは七層でオーガを殺しまくる。最初はバルドゥックの迷宮に来た頃のように怪我もするだろう。だが、今更昔のように魔力を出し惜しみする必要は無いとも思っているからじきにそれも何とかなる筈だ。

 その時こそ俺達は多大な財宝を手にして建国の英雄、ジョージ・ロンベルト一世を超え、俺の国を作る時だ。

 
生命感知ディテクト・ライフ」については第二部第九十六話のあとがきにて解説しています。
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